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大いなる眠り(ハヤカワ・ミステリ文庫)

大いなる眠り みんなのレビュー

文庫

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みんなのレビュー21件

みんなの評価4.2

評価内訳

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21 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

やれやれ

2016/03/29 07:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽんぽこ仮面 - この投稿者のレビュー一覧を見る

村上春樹作品の原点がここにあると言っても過言ではないでしょう。活き活きとしたキャラクターが大いなる比喩の嵐のなかで活躍してくれて読み応え満点です。

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紙の本

『大いなる眠り』と『長いお別れ』

2015/10/28 17:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る

『大いなる眠り』は『長いお別れ』と対になっている感じがする。どちらも、「死」を連想させるタイトルだし、探偵の友となる人物の置かれた構図が似ている。偉大な父親と、美しく放埓な娘二人、父親がひょっとしたら娘よりも好意や愛情を持っているかもしれない、娘婿。その娘婿が姿を消す。『大いなる眠り』では偉大な父親が探偵の友となり、『長いお別れ』では娘婿が探偵の友となった。『大いなる眠り』では最初から最後まで、娘婿とマーロウが出会うことはなく、『長いお別れ』ではマーロウは偉大なる父親とも会って話している。
『大いなる眠り』では、将軍の娘が、自分の夫を探すように依頼されたのかと、マーロウに問いただす。他にも何人もの人から同じ質問をされる。そうまでされたら、マーロウでなくても、気になるところだ。彼の失踪にどんな意味があるのか、あるいはなぜ将軍は彼の捜索をマーロウに依頼しなかったのか。
『大いなる眠り』では、マーロウは将軍との友情を守るために、将軍を安らかに「大いなる眠り」につかせるために、頼まれた以上の仕事をした。『長いお別れ』では、友とほんとうの「長いお別れ」をするために、頼まれてもいない仕事までした、と言えるだろう。
村上春樹訳で『大いなる眠り』を読んだので、小説の冒頭、マーロウが将軍と温室で初めて出会う場面では、村上春樹の『1Q84』のヒロイン青豆が柳屋敷の夫人と温室で会う場面を思い出した。確かに村上春樹はレイモンド=チャンドラーの影響を受けている、とニヤリとした。
フィリップ=マーロウが活躍している時代は、第二次世界大戦前から戦後にかけての、10年ほどの間だ。『大いなる眠り』よりも後の時代の話となる『湖中の女』には、歩道のラバー・ブロックが政府に供出するためにはがされる場面が最初に出てきて、アメリカ合衆国にもそういうことがあったのか、と思う。しかし、同じ時代の日本と比べ物にならないぐらいに豊かで、供出といっても、日常生活に影響を与えるほどではない。日本と戦争していたときのアメリカでマーロウが依頼を受けた大金持ちはこんなふうに暮らしていた、などと思うと、彼我の差に茫然とする。
マーロウが、警察でも、ギャングでも、相手の言葉や行動から、裏に隠された事実を洞察する力に感心する。マーロウの魅力は、口を開けばへらず口をたたく、その皮肉の鋭さと、みかけが丁寧であるか否かに関わらず本質的に紳士的な態度と、友情の篤さ。恩義があるとか世話になったとかじゃなく、『大いなる眠り』でも『長いお別れ』でも、何かちょっとしたことで人間的に共感を覚えた、そのささやかな絆を命がけで守り抜く頑固さ、強靭さ。

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2014/10/13 19:14

投稿元:ブクログ

フィリップ・マーロウは、
他の男の人がみんなダメに見えてくるほど、完璧である笑。

優しい
女になびかない
女にいくときは自分からいく
女の魅力を分からない冷血漢ではなく、
意思でそうしている
自由を愛していて
孤独で
曲がらないし
自分の弱さを知っている
生きることに妥協していない

おいおい。
男に生まれてたら、こんな風になりたかったぜ、俺はよ。
ともかく完璧である。
レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウのシリーズを読むときは、マーロウに会いたいときだ。
マーロウに会いたくて、本を開く。
筋がどうとか、それももちろん大事だけど、
一番はこの男に会うために読んでるんだ。

というわけで、店頭で久々に知らないシリーズに出会って、久しぶりに会いたくなったので読みました。
またいつものマーロウに会えた。

にしても、
アメリカ人の器のでかさは、
どの状況までアメリカンジョークで対応できるかが
ものさしなんじゃないかと思う。

2016/04/27 00:47

投稿元:ブクログ

待望の新訳!丁寧で整った訳のおかげでわかりづらかったところも読み取れるようになった。表裏一体だった冗長さも本作では気にならない。しかしギャルゲ―かと思うくらいガンガン来る娘たちだ……(だからこそそれを捌くマーロウが引き立つのだが)。

2015/10/07 06:28

投稿元:ブクログ

『落書きのある壁の陰になった角には、青白いゴムの避妊リングが落ちていた。それを片付けるものもいない。実に心温まるビルディングだ』

チャンドラーを読んでいたのは二十代。三十年程前のこと。シニカルな言い回しに惹かれていた。あの頃はミステリーマガジンも読んでいた。もっともエンゲル係数の高い生活をしていたので日比谷図書館には随分と世話になった。

シニカルには二通りある。何に対しても否定的な態度で返すやり方。これは誰にでも真似ができる。思春期の子供にでも。もう一つは思っていることと反対のこというやり方。これは比喩が冴えていなければ芯を捉えることは出来ない。往々にして言った方にも言葉の持つ力の反作用で負荷が掛かる。目の周りの青黒い痣と冴えた頭が無ければ決まらない。「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」。

チャンドラーの言い回しはどれも冴えている。しかしそれが活きるのは都市という背景の中だけ。それも決して表通りではない。ブリキのゴミ箱が転がる薄暗い裏通り、雨が降っていれば尚よい。そこでずぶ濡れとなって頼まれ仕事をこなす。マーロウに魅せられはするが、そんな風に「撃たれる覚悟」は自分にはない。それが妙に苦しくてミステリーから遠ざかっていった。今、再び手に取るのは村上春樹の翻訳だからということもある。だがそれ以上に人生の、少なくとも宮仕えの終わりを意識するようになったことと関係しているのだろう。

シャーロック・ホームズに本格的な推理がないように、フィリップ・マーロウにあるのも二転三転する推理の面白さではない。両者に共通するのは、ひょっとすると日本人が遠山左衛門尉に、あるいは水戸黄門に感じる爽快感と似たものだ。ジェームズ・ティプトリー・ジュニア(と言っても男性ではない)ではないけれど、それがマーロウの「たった一つの冴えたやりかた」であるから人は惹かれるのだ。何故なら皆解っているから。「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」、と。

2015/01/17 10:39

投稿元:ブクログ

探偵小説は星の数ほどあれど。
チャンドラーを前にした時とそうでない時の心のありようの違いは何なのだろう。

チャンドラーの記念すべき長編第一作。
初の長編とは思えないほど、洗練された作品だ。
マーロウのように振る舞いたいけれど、そんなことしたら全女性から反感を買うことは必至だ。結局、ハードボイルドというのは男のファンタジー小説なんだろう。

会話文、地の文どれをとっても痺れる。
本物の小説というのは、純文学と大衆小説の垣根を軽く行き来してしまうものなのだろう。

2016/03/09 20:40

投稿元:ブクログ

私立探偵フィリップ・マーロウの登場する最初の長編作品。双葉十三郎訳で昔読んだのだが、内容は全く忘れてしまっていたので、最近の村上訳で読み直してみた。やはり素晴らしい作品。

2015/09/22 14:32

投稿元:ブクログ

私立探偵フィリップ・マーロウは、莫大な資産家であるスターンウッド将軍の娘が脅迫されている事件の依頼を受け、脅迫状の差出人で怪しい書店を経営するガイガーの家を訪ねる。
がマーロウが周囲を調べている間に、屋敷の中で三発の銃声が轟いた。銃声を聞いてマーロウが部屋に飛び込むと、そこはヌード写真の撮影現場で、ガイガーの死体と裸身で放心状態の将軍の末娘カーメンの姿が…。

孤高の騎士フィリップ・マーロウを主役にしたシリーズの第一作であり、
チャンドラーにとっても記念すべき長編第一作の村上春樹による新訳版。
アメリカ 『タイム』誌「百冊の最も優れた小説(1923~2005)」や仏「ル・モンド」紙「20世紀の名著百冊」にも選出。


いやぁ~、20数年ぶりに読み返したけど
村上春樹の新訳が妙に馴染んで新鮮な気持ちで最後まで読めた。

当時は1956年に出版された双葉十三郎の訳しかなく、
高校生の僕には言葉遣いや文章のあり方が古臭くて、殆ど頭に入ってこず、
傑作と名高いその魅力を十分に堪能できないのが本当に悔しく思っていた。

そんな経緯から、
村上春樹が「長いお別れ」を翻訳することになった時に
僕が一番に読んでみたいと思ったのが
このフィリップ・マーロウシリーズの第一作「大いなる眠り」だった。

それだけに読了後は感慨もひとしお。


陰鬱な雨の描写と哀しき悪女たち、人を殺めてしまったマーロウの心の揺れ、キザ一歩手前のロマンティックなラブシーン、お約束の(笑)殴られ痛めつけられるマーロウ、そして意外な真相とラストで分かるタイトルの意味など読みどころは沢山あるが、
個人的には冒頭スターンウッド家に初めて訪問するマーロウのくだりが粋で面白かった。
豪奢な扉にはめ込まれた、
騎士が縛られた女性を助けようとしているステンドグラスを見て
自分ならこうするとマーロウが心情を重ねるシーンは、
お節介でお人好しのマーロウが 
これからやっかいな事件に巻き込まれていく暗示ととれて、思わずニヤリとしてしまった。

今回再読して一番に感じたのは、
村上春樹の指摘にもあるように
デビュー作とは思えないほど
すでにこの時点でチャンドラーの唯一無二の文体が完成されていたことだ。


マーロウの目と感覚を通して捉えられた一人称の語り。
絢爛たる比喩表現を駆使した詩的でストイックな文体。
腐敗したロサンジェルスを舞台に
社会批判を盛り込んだ深い文学性。
小気味いい会話の妙味と
主要キャラから脇役にいたるまで忘れがたく記憶に残る登場人物たち。
あふれるリリシズムと
散りばめられた宝石のような名言の数々。

酒とコーヒーとキャメルのタバコとチェスを愛し、
シニカルでいて、他人の気に障る冗談を好んで口にし、
どんなに痛めつけられても『痩せ我慢の美学』を貫き、警察や権力に屈しない、
孤高の騎士・ 私立探偵フィリップ・マーロウのキャラクター造形も
すでにこのデビュー作から1mmのブレもない。
(ただマーロウもまだこの時点では33歳の若僧なので、「長いお別れ」や「プレイバック」と比べるとヤンチャさが目立つところは御愛嬌)

チャンドラーの小説は犯人探しや本筋のストーリー展開以上に
キャラクターの魅力と会話や文体を味わうためのものなので(笑)、
ミステリーとしての驚きを期待して読むと弱さは否めない。
(コナン・ドイルやアガサ・クリスティーやダシール・ハメットと比べると物語の筋立てやプロットが弱いという弱点がある)

中でもこのデビュー作は
シリーズ中、もっともストーリーが二転三転し、実にややこしい。
なのでチャンドラー入門編にはオススメしないけれど、
「ロング・グッバイ」「さよなら、愛しい人」「リトル・シスター」と翻訳を続け、チャンドラーの文体が染み込み
同化してきた感のある村上春樹の魅力的な文章により、
紆余曲折を経て真実にたどり着くマーロウの姿は鮮烈に胸を打つし、
小説家としてのチャンドラーの魅力は充分過ぎるほど伝わる傑作だということをあらためて知らしめてくれた。
(チャンドラーの村上訳を読むと、いかに村上春樹がチャンドラーの文体に影響を受けているかが如実に分かるのも面白い)

それにしても今作が後のハードボイルド小説に与えた影響は計り知れないし、
ハードボイルドに限らず幾多の作家がチャンドラーのスタイルを模倣してきた。
村上春樹の初期の作品も本人が公言するようにチャンドラーの影響を受け、ハードボイルド小説の構造をとってきたのは周知の事実だ。

僕のようにかなり昔にチャンドラーにハマり、久々に読み返してみたいと思った人にも、
村上春樹の作品のカラーが好きな人にも、
いろいろと新しい発見に出会える意義のある新訳シリーズだと思う。
(毎作ごとに巻末に書かれたチャンドラー愛溢れる村上春樹の解説がまた素晴らしい!)


なお余談だが、名匠ハワード・ホークス監督が映画化し、
「マルタの鷹」でサム・スペードを演じたハンフリー・ボガートが、今度はフィリップ・マーロウに扮した
本作の映画版「三つ数えろ」も見応えある傑作!
(ボギーは確かにカッコいいが男っぽさが過ぎるし背が低いし、マーロウのイメージではないだろう。チャンドラー自身はケーリー・グラントがイメージに近いと言っていたらしいが…)


★ローレン・バコールが美しい!
映画『三つ数えろ the big sleep』予告編↓
https://www.youtube.com/watch?v=0uaNG3xd9gs&feature=youtube_gdata_player

2016/06/06 20:31

投稿元:ブクログ

読みながらどんどん面白くなってくストーリー。フィリップ・マーロウは、人がいい。探偵って、ピンチを切り抜けて、頭が切れて、もう完全無欠だよね。

2014/09/03 10:42

投稿元:ブクログ

ハードボイルド小説の金字塔。
世界で二番目に有名な私立探偵フィリップ•マーロウの初登場作品。

警察にできなくて、マーロウにはできることがある。
大手仲介業者にできて、街の不動産屋にはできることができる。

2014/08/24 21:53

投稿元:ブクログ

村上春樹による、フィリップ・マーロウ翻訳シリーズ第4作目。
原作シリーズとしてはこれが1作目だそうです。

もはやクセになるフィリップ・マーロウのタフな冒険譚。今回も楽しめました。

翻訳シリーズ続いて欲しいです。

2015/06/30 23:00

投稿元:ブクログ

先に『ロング・グッドバイ』で感動してしまったので、正直物足りなかった。
あまり引き込まれもしなかったし、期待したほどではなかった。ざっと読んだので、ハードボイルドを読みたくなったら、もう一度じっくり読んでみたい。

2014/08/03 13:47

投稿元:ブクログ

レイモンド・チャンドラーの村上春樹翻訳シリーズ。過去に読んだ「ロング・グッドバイ」、「さよなら、愛しい人」がいずれも素晴らしかっただけに期待していたけれど、期待を裏切らない作品。

チャンドラーの作品における印象的な主人公である探偵フィリップ・マーロウが初めて登場する作品である本作も、自由に、かつシニカルに動き回る彼の姿を堪能できる。

依頼人からのさほど複雑ではない依頼を解決するために動き回るうちに、彼の周りで多くの殺人や起こり、そして行方不明になった一人の人間を見つけることが、依頼人にとっての本当に依頼ではないかと気づく。「大いなる眠り(The Big Sleep)」というタイトルは、この行方不明者の行方と、彼を待ち続ける依頼人の二人の姿を暗示する。

まっとうに面白くいハードボイルド小説の極み、長らく未読の「リトル・シスター」もこれを機に再読したい。

2015/10/19 20:01

投稿元:ブクログ

チャンドラー作品を読むのは四作目。本作が長編一作目らしい。マーロウの荒っぽい行動と冷静な分析力は相変わらず。村上氏もあとがきに書いていたが、細かい整合が取れているかは考えず、マーロウの動きに身をゆだねて読むくらいが一番楽しく読めると思う。

2014/07/05 07:17

投稿元:ブクログ

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