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著者の認識には全く同感。要するに「これまでの戦略論の要諦である『持続的優位性の構築』という考え方自体が、『業界』を定義できなくなっている現在においては、もはや有効ではなくなっており、いまや『一時的な競争優位』を狙うべきである」というもの。
このように企業としてのマインドセットを変え、実際の企業行動を変えるにはどうすべきか?という問いに対する処方箋と、個人はどう対処すべきか?について述べられている。
内容はややまだるっこしいが、言っていることはその通りであり、「視点」の面で好著。
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競争優位は一時的なもので、企業が生き残っていくためには、優位性を欠きそうな事業からは早めに撤退し、新しくうまくいきそうな事業を探しましょうということ。富士フィルムとコダックの対比はわかりやすかったがそれ以外の事例ももっとあると良かった。
最終章で結局企業を当てにせずに自己啓発して自分の汎用的な実力をつけましょうというところはありきたりだが身につまされる。
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持続する競争優位などない存在するのは一時的な優位に過ぎないとして、変化すること前提とする、衰退を察知し撤退する、効率的な資源配分、インベーションこそ本業としてマインドセットの切り替えを説き、個人の生き方にも変革を迫る。
かつて、IBMのガースナー氏が「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」とダーウィンの『種の起源』の一節として引用したというのは有名な話です。IBMが変化し続けているのは傍目からも良く分かるし、日本ではソフトバンクなどがよきお手本です。
中小企業(零細?)は、変化に対して小回りが利くのが良いところではあるが、自転車なので時間とお金が掛からないように工夫するのが肝要、複数社の協業などもよい戦略ですね。
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競争優位戦略がダメというのではない。優位性の保持期間が非常に短くなっているので、事業活動を「優位を目指す活動」から「次々に生み出し続ける活動」にシフトしましょう、という話。実験経営学の流れ。やっと和訳本を読めた。
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まさにハイパーコンペティションの教科書。事例はやや古いが、一時的優位性の世界の中で、常に進化し続ける必要性が理解できる一冊。
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(持続的)競争優位を前提とした経営戦略では生き残れないこと、一時的優位性の波に次々と乗って厳しい環境の中で生き残るためにやるべきこと。
不況とよばれる期間にあっても利益を出し続けている企業にみられる特性が分かる。
そうした企業組織に貢献できる個人の戦略についてもまとめてあり、なるほどと感じるが、それに向けて行動するかとなると、個人的にはやや疑問符というか、切迫感まではもてない。
14-160
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・熾烈な競争環境では、変化ではなく安定こそがもっとも危険な状態である
・まだ事業を続けられるうちに撤退できるのが理想。前兆をきちんと捉えられるように
などなど、競争優位は持続する(できる)ものではない、という前提のもと、どんな風に考えながら進んでいけばいいのか述べている。
最後の章では個人に対しても「競争優位は一時的なものである。それを踏まえたキャリア計画を」というところで、まさにIT業界にいる自分には身をもって感じ入るところがあった。
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変わり続けることが大事っていうことかな。あんまり頭に残らない。耳に痛い情報が逐一上に薄まらずにはいってくるということが大切というのはそうだよね。
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P130"イノベーションの出発点は、顧客がどんな結果を心から求めているのかを解明し、自分の組織がその要求を満たすにはどうすればいいか検討すること。"
"解決すべき課題は、顧客が実現したいと願いながらできない課題を出発点にする"
業界内の競争が最大の脅威ではなく、競技場(アリーナ)基準で分析する。アリーナは顧客とソリューションの強固な結びつきで、特定の顧客が求める結果(解決すべき課題)でカテゴリー化される。
ケンブリッジのサゲンティアという技術コンサル企業は「自分自身の運命を握っていない」唯一の対応策は着実で継続的なイノベーションと顧客への尋常ならざる接近。
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これまでの競争戦略論においては、持続的競争優位の獲得こそが戦略の目標であるといわれてきた。しかし現在は、基本的ニーズは既に満たされており、インターネットによって新しい商品・サービスもあっという間に拡散し、デジタル化によってすぐにコモディティ化してしまう。そのため『持続的』というのは実現不可能な幻想にすぎない、というのが本書のテーマである。
ではどうするのか?
著者は、競争優位を作っては捨てる、ことを繰り返せ、と説く。そしてその方法として、いくつかの有用なツールとケーススタディを紹介していく。
ツールについては、この著者の前2冊の方が詳しく書かれており、それらを知っている人にとってはあまり目新しさがないのが残念。
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競争優位性が長くは続かないよねっていうことを伝えている本。
人々の思考や技術の進歩で確かに競争優位性が、これまでよりも崩れ去りやすくはなっている。
しかし、やはり競争優位性自体を考えることは大事だし、それが無いと競争には負けてしまう。
Yahoo! JAPANといった大企業をサンプルとして使っているからか、ベンチャーの人には、しっかり置き換えて読み解く必要がある。
ただし、ベンチャーも含めて、常にイノベーションを起こして、次なる戦略を描こうよ!っていうのは理解できる話なので、そういう意味では役にたつと思う。
既存のビジネスに固執せず、常に売上拡大を図るにはどうすりゃいいの?という話をしてくれているのだが、そもそも競争優位性自体を認識できてないと読んでも仕方ないので、そちらの話をまずは学んでからじゃないと、競争優位性って無くても良いんだ!といった考えになっちゃって怖い。
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「競争優位の終焉」
1.本書の結論
競争優位を持続させるは重要。
ただし、その困難さは、過去よりも現在、さらに増している。
そのため、一時的な優位性を作り、獲得する企業、組織づくりも重要である。
2.どんな兆候が競争優位の終焉に近いのか?
①ユーザーエクスペリアンスの更新頻度、
内容が低下すること。
②競合、代替製品の声がクライアントから聴こえてくること。
③売上高成長率が低下しはじめること。
3.一時的な競争優位。どう獲得する?
①競合、代替企業、製品
現在の動きから今後の動きを推察する。
その打ち手は?
②イノベーションを本業に。
劇的かつ迅速に事業を推進するには?
必要事項をOKRとする。
全社串刺しに。
③人員、組織。
事業領域は変化する。
その変化に適応できるように、学習能力、意欲ある人を採用する。
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持続的な競争優位の時代は終わったわけで、事業、戦略、組織から個人のキャリアまで、いかに変わり続けられるか。変われる仕組みをつくるか。
何よりも、会社規模と成功体験に比例して、変わり続けることがいかに難しいかを受け取った。会社も自分も。
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端的な私の理解としては、当たり前のように起こる変化に対応し続けるための指南書です。
①安定性と俊敏性
②衰退の兆候検知と撤退実行
③資源の柔軟な配分
④イノベーションの実行
⑤リーダーシップとマインドセットの変革
①の話は、両利きの経営にも通づる点が多く、特に痛みを伴わない変化を頻繁に、そして継続的に実践することには大いに共感。組織の中において「なぜ変わらないといけないの?」とか「自分の仕事はあるから自分は関係ない」という人は多いです。その考えは間違ってはいないですが、「組織」の中でこの考えが蔓延すると、組織の成長は難しいと思います。そのためには、ミッション、ビジョンの共感、組織風土作りも大切で、それらを作ること=安定への土台 だと思います。
④は、イノベーションの文脈では、ごくごく一般的ですが、なかなか実践できていない点です。課題認識→仮説→実証→商品化→成長のサイクルを、継続的にそして機敏に実践することは、まさにイノベーションのプロセスだと思っています。そして、これは思い立った時に実践するのではなくて、常に継続的に実践するからこそイノベーションであると思います。つまり、組織風土や文化の一環としてイノベーションの実践がある組織ということであり、そういう組織を目指したい。
⑤は、必然です。やはり、Lead the selfから始まるリーダーシップの旅を歩む人材がいてこそ、変化も起こせるし、変化への耐性もつくと思います。変化の起きない組織の内部に目を向けるのではなく、変化が激しい外部に目を向ける勇気を持ち、世の中を認識し、そして実行できるマインドセットを自身の組織でも、まさに醸成しているところ!
変化は必然的に起こりうるもので、その変化に対応するには、継続的に自身及び組織が変化していくこと。その変化は、小さくても良いです。でも継続することが大事。これに尽きると思います。
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1985年マイケル・ポーターの「競争優位の戦略」に対し、2000年クレイトン・クリステンセン「イノベーションのジレンマ」によるアプローチで、顧客志向の競争優位がイノベーションを産めないために、競争優位が持続できない論理が展開されている。後者のソリューションは、競争優位の組織・カルチャーと切り離してイノベーションを起こせ、だった。
2013年にコロンビア大学ビジネススクール教授の著者から出版された本書は、競争優位の組織の中で、市場や製品ターゲットをずらして、継続的な市場開拓を勧める戦略・組織を解く。2000~2009年の10年間純利益を5%以上成長させ続けた企業がその証左となる企業としている。当該10社に加え、成長を停めてしまった企業、部分的な特徴の企業等、豊富な具体例が説明される。
読後感として、証左が10億ドル以上の全世界の上場企業の中に10社しか存在しなかったという発見が、この戦略を講じることの難しさを証明していると感じる。したがって、ターゲット領域をずらしていく継続的な変革戦略は「言うは易し...」という印象であるが、変革を意識し、PDCAを高速回転させる手法を支持する声が強い現代において、社内で変革をリードする人の事例集として一定の価値があると言える。
なお、最終章の個人へのアドバイスにて、今日流行の複線的キャリアを出版時点で提唱しているところに先見性がある。