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出版社の紹介ページ:
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0296280/top.html
立ち読みもできます:
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/0/0296280.html
仲野徹さんの書評(HONZ):
http://honz.jp/articles/-/40676
中村桂子さんの書評(毎日新聞):
http://mainichi.jp/shimen/news/20140907ddm015070019000c.html
赤坂真理さんの書評(朝日新聞):
http://www.asahi.com/articles/DA3S11361318.html
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内容情報
[日販MARCより]
数キロ離れた所から漂うフェロモンの匂いを頼りにメスを見つけ出すオスのカイコガ。小さな脳でありながら、優れたセンサと巧みな行動戦略で、工学者に解けなかった難題をこなす。そんな昆虫脳のはたらきを紹介。
[BOOKデータベースより]
数キロ離れた所から漂うフェロモンの匂いを頼りにメスを見つけ出すオスのカイコガ。米粒ほどの小さな脳をもちながら、優れたセンサと巧みな行動戦略で、工学者に解けなかった難題をこなす。そんな昆虫脳のはたらきが、ひとつひとつのニューロンをコンピュータ上に再現することで明らかになってきた。
1 昆虫はすごい
2 動物によって異なる環境世界
3 どうやってフェロモン源を見つけ出すのか
4 昆虫の体はセンサだらけ
5 脳をつくってロボットを動かす
6 サイボーグ昆虫
★下記にも書評アリ
http://toyokeizai.net/articles/-/45629
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「これをサイボーグ昆虫と呼んでいる。」
カイコガの脳をコンピューターで再構築しようする本。
フェロモンを追う仕組みを参考に、ニューロンの働きを観察する。
すべてが機械でできた自立したサイボーグ生物の誕生の日も近いのでは。
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100ページと少しのボリュームなのであっという間に読み終えた。
正確にいえば、途中の難しいところは飛ばして、ということなのだけれど。
サイボーグ昆虫が登場するのは最後のほうだけれど、図を見てびっくり。
まさに、サイボーグ。
モデルが、カイコガだというのがミソではあるけれど、これはすごい。
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脳をつくるためのデータ収集に昆虫を利用する手法の可能性をテーマとした本。
実際、カイコガの脳を用いその脳により制御されるロボットを製作した。カイコガの脳を利用した理由はニューロン数が人に比べずっと少ないため。少ないニューロンによりそのしくみを理解する研究を行った。
カイコガの脳を用いたロボットをサイボーグ昆虫と呼ぶ。サイボーグ昆虫による実際の脳のニューロンの神経活動とつくりあげた神経回路モデルによる神経活動とを比較することにより、サイボーグ昆虫の脳内で起こっている活動の様子がリアルタイムで見えてくると考えているとの事。
サイボーグ昆虫を製作するため昆虫の脳に伝わる信号として、眼、鼻などのセンサーのしくみとその神経回路を調べた結果が詳細に記述されている。
将来のロボットを発想できるような内容ではなく、脳のしくみを研究するための本であった。直接、仕事に役立つかは不明。
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カイコガ(絹の蛾)を使い、脳をシュミレーションする。フェロモンを嗅ぎ付けてたどり着く過程を、1.カイコガが操操縦するロボット、2.カイコガの脳の指令を受け取るサイボーグ、3.カイコガの脳の動きをコンピュータでシュミレーションして動くロボットと進化させながら、脳の働きを研究している。人間の脳の動きをシュミレーションするのはまだまだ、先になるようだが、その先鞭をつけるという意味では意義ある研究だと思う。
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昆虫の脳/神経は人間などよりもシンプルな構造なのだが、本質的には似ている研究対象となる。
そのシンプルな脳神経から単純な行動の組み合わせにより、昆虫は行動していると考えられて来たが、外部からの刺激によって行動を調整していることも分って来た。この本では実験の道具が紹介されており、
首を切り離したカイコガを神経に反応するモーターと車輪に取り付けたサイボーグカイコガを作って、実際の羽、足があった際の反応とずれたアウトプットをモーターに送るとそれに合わせて信号を調整し、餌やフェロモンに適切な方向で向かうことが出来る。
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ゴキブリは60cm/秒の空気の流れを感じることができる。しかも、感じてから動き出すのにかかる時間は0.02秒。人間の1/10。
すごいと思う。
カイコガのフェロモンを受容する敏感さは、以前、講演会で聞いたことがある。
昆虫たちのすぐれた能力を知ることの出来る楽しい本。
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2017年夏に、この本の著者の神崎先生による子供向けのワークショップに息子を参加させた。
ちょうどその春学校でカイコを飼育したところだったので、カイコを題材とした4時間も予定されたイベントの内容に期待しすぎないように自分を戒めながら参加したら、期待以上の内容だったので、感銘。その場で一緒に紹介された、「昆虫ロボットのゆめ」は既にみてみたけれど、こちらの本も一応読んでみたいかな。
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ここでいうサイボーグ昆虫とはカイコガをつかった実験により、昆虫の脳、神経によってロボットを制御するという試みが書かれている。メスのおしりから出ているフェロモンをオスがセンサーにより察知し、そこにたどり着こうとする性質を利用している。100ページほどの本。
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昆虫はいろいろ徹底していてすごい生き物ですね。あんな小さな体の中にこんな精密な仕組みが隠されているとは。こういう類の本を読む度、いつも驚かされます。
この本では、主としてカイコガのオスがメスのフェロモンを追いかける仕組みを研究する様子が書かれています。しかしカイコガってすごい生き物ですね。。。
何たって頭と腹を切り離し、胸部だけにしても一週間ほど生き続けるとか、フェロモンのアンテナである触覚だけ切り離し、匂いセンサーとして使用してロボットを動かすとか(これがこの本のタイトルの由来)、もう想像を絶しています。
そもそもカイコガからして、養蚕専用の生物で、完全に家畜化されていて人の世話が無ければ自分だけでは生きていくことができず、成虫なんか、羽化したあとはものを食べることもできず、交尾したあと10日ほどで死んでしまうとか、信じがたい生物です。(^_^;)
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魅惑的なタイトル。岩波科学ライブラリーは当たりが多いからな。楽しみである。
ところが(って、最近こればっかり)。
しばらく、虫の環世界(本書では、環境世界と記している)の話が続く。好きな話だが、サイボーグは?
けれど怒らないし諦めない。なぜって、まえがきで覚悟ができていたから。そして「おそらくみなさんが、まったく考えもしなかった昆虫の話である」と。いつかその話が出てくる。楽しみにページを捲るのである。
環境世界からフェロモンのしくみ、虫の各種センサーに。ちょっとずつ盛り上がってきた。そしてキタ!「脳をつくってロボットを動かす」。
数ミリしかない昆虫の脳に電極を刺してニューロンを調べる。データベース化する。2番では駄目かと言われたスーパーコンピュータ「京」でも、人の脳の神経回路のリアルタイム再現は出来ないが、昆虫ぐらいならイケそうだ。では身体も作って再現してみよう…というわけで、サイボーク昆虫に辿り着く。
形を真似るバイオミミティクスは数あるものの、昆虫の特性も脳の機能ゆえ、というものも多くて、その脳のことがこんな風に解けると、なんかいろいろとてつもないことが起こるかもしれないなあ〜、とワクワクするやら心配になるやら。ちかいうちにヒトの脳も大体わかっちゃって、恥ずかしい気持ちになりそうです。
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大変わかりやすく、科学に興味を持った高校生あたりが読むとちょうどいいレベル。用語の説明も丁寧。一方、ベテラン教員や少し専門をかじったことのある人には内容が薄い。この本を索引代わりに他の本や論文にあたるといいかも。