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出雲の阿国 改版 下 みんなのレビュー
- 有吉 佐和子 (著)
- 税込価格:1,100円(10pt)
- 出版社:中央公論新社
- 取扱開始日:2014/06/18
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紙の本
有吉佐和子氏の日本芸能史の一頁を壮大なスケールで描いた大作です!
2020/08/16 11:35
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、昭和期に活躍され、『断弦』、『香華』、『連舞』、『乱舞』、『一の糸』、『芝桜』、『木瓜の花』、『助左衛門四代記』、『華岡青洲の妻』などの数々の名作を発表してこられた有吉佐和子氏の作品です。中公文庫からは上下2巻シリーズで刊行されており、同書はその下巻です。同書では、ある日「阿国歌舞伎」、「天下一」の幟がはためく小屋に、澄んだ笛の音が響くという一文から始まります。そこには、洛中に無双の大かぶき者と噂された名護屋山三の姿があったのです。やがて訪れる、最愛の人との別れ、歓喜も悲哀も慟哭もすべてをこめて、お国は踊ります。日本芸能史の一頁を壮大なスケールで描いた有吉佐和子氏の感動の大作です。同作品は芸術選奨文部大臣賞、日本文学大賞を受賞した傑作でもあります。この機会にぜひ、この傑作をじっくりと味わってみてください。
紙の本
面白いです
2019/08/15 11:46
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投稿者:けいこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一気に読みました。
面白いが哀しい。有吉先生が丹念に調べたといことで、実話に近いとみていいのでしょうか。もう少し、うまく立ち回りはできないものか、と思いますが、真の芸術家はこういうものなのでしょうか、やるせなくなります。
でも、読んでよかったです。
紙の本
一つの時代を自分の信念に根差して情熱的に生き抜いた「阿国」という女性に魅かれるものが有りますね。
2016/12/08 00:35
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻に入るや、この違いを明確に意識し始めた“お国”は独自の歩みを始める。とは言え、躍動感溢れる踊りで天下一へ向かって突き進む姿にワクワクさせられる上巻に比して、下巻は名実ともに天下一となりつつも、何故かツキに恵まれないうえに、模倣する芸人たちとの競合や、一座内でも不協和音に悩まされるなどで没落気味となる下巻はかなり物悲しさを優って来る。特に、出雲の鑪者の娘として生まれた「お国」がその原点である出雲の山奥で人知れず息を引き取っていくというラストは酷く悲しく、虚しくさえある。自由奔放・感性に根付いた躍動、権力・権威に媚びず民衆とともにあるといった情熱的な女性の生き方としてはふさわしいのかもしれないが、やはり私個人的には寂しさを感じ得ない。
1572(元亀3)年に生まれ、没年不詳とされる「出雲 阿国」。ウィキペディアによると、「安土桃山時代の女性芸能者で、ややこ踊りを基にしてかぶき踊りを創始したことで知られており、このかぶき踊りが様々な変遷を得て、現在の歌舞伎が出来上がっている。」とされるが、その詳細は(様々な言い伝えの真偽)未だに明らかでない部分が多いという。こうした、不鮮明な部分を肉付した本作品で、有吉 佐和子は何を表現し、何を伝えたかったのだろうか。情熱的で自由奔放さを併せ持つ“お国”というフェミニストの先駆者的女性の生き方だけではないし、かといって単なる情熱的な傾き女の生き様などではないし、現在の歌舞伎の発祥と変遷を描きたかった訳でもなさそうである。まあ、少々難しさもあるが、やはり一つの時代を自分の信念に根差して情熱的に生き抜いた「阿国」という女性に魅かれるものが有りますね。
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