サイト内検索

詳細検索

送料無料(~12/31)

[CPあり]2016年年間ランキング【ランキングTOP】(~12/14)

hontoレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー2件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (1件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
2 件中 1 件~ 2 件を表示

2014/09/18 19:13

投稿元:ブクログ

19世紀末から20世紀初頭にかけて取り組まれた教団改革はエジプトが近代国家としての体制を整えつつある現状下で、スーフィー教団の組織や活動の近代化をはかり、それらを国家の統治体制の中に組み込む試みだった。
教団を近代国家体制に組み込むという行政面の目標はある程度達成されたものの、教団そのものの改革は失敗に終わった。

2014/12/07 13:18

投稿元:ブクログ

スーフィーとは、スーフィズムの実践者としてイスラームの歴史に姿をあらわした人々である。スーフィズムとは、「イスラーム神秘主義」とも訳されるように、もともとは禁欲と修行をつうじて神と人との霊的な合一をめざす神秘家たちの思想運動として誕生したものであるが、民衆に教えが広まる過程で次第に大衆化し、エジプトでは現在もイスラーム信仰の主流派として生きながらえている。

本書はスーフィズムの誕生から現代における展開まで、主にエジプトの事例を中心に概観する。100頁あまりの短い本であるが、権力と富を恣にした主流派と経典を絶対視するイスラーム保守派へのアンチテーゼとして生まれながら、運動がスーフィー教団というかたちで大衆化し、土着の信仰を取り込みながら発展していく過程が手際よく解説されている。その後スーフィーズムは、統治の正統性担保のために体制に取り込まれながら、各地に支部を設置して布教の組織化に成功し、祭りや大道芸などのエンターテイメントも取り入れることによって大衆に支持を広げていく。

イスラーム世界が植民地支配を受けるようになると、危機に瀕しての原典回帰運動が始まり、合理主義や啓蒙思想を取り込みながらイスラームの近代化を進める勢力が力を持つようになる。エジプトでは各地に展開していたスーフィー教団の支部、すなわち「中間団体」を統治体制に組み込み、そのまま分権統治に利用したが、これにより近代国家に適合した統治体制することが難しくなったという面もある。つまり、中間団体を徹底的に排除して中央集権国家を打ち立てたフランスなどとは対照的に、エジプトをはじめとした中東地域では、本来は国が果たすべきサービスと同じ内容を個人や社団レベルで市民に提供してきたため、人民に中央政府に従うインセンティブがなく、近代集権国家を確立することが難しいのである。『中東 新秩序の形成』のレビューでも書いたが、「アラブの春」後に中東の民主主義がうまく機能しない大きな理由の一つは、国民のガバナビリティなのである。

本書を読了して、もちろん個々の教義は違うが、改革派の誕生、体制への取り込み、原点回帰運動といったイスラーム教の歴史は、仏教やキリスト教といった他の宗教にも驚くほど似ているということに気づいた。また、現代エジプトのスーフィー教団は、都市中間層を重点的なターゲットに設定し、現代的な社会的サービスを提供と組み合わせた勧誘活動を行うことにより党勢拡大につなげており、この辺りは日本の現代宗教事情にも通ずるものがあると感じた。

2 件中 1 件~ 2 件を表示