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毎年終戦記念日を迎えるまでに一冊は太平洋戦争に関する本を読もうと思っていて、今年ようやく興味有る本に出会いました。
現在では日本に影響を及ぼす国はアメリカですが、当時日本に影響を最も与えていた、英国との関係から振り返っている点が特徴的でした。
視点を変えるだけで面白いものが見えてくるのですね。日本がなぜ戦うことになったのか、を理解させてくれる一冊だと感じました。
以下は気になったポイントです。
・太平洋戦争とは、もともと1879-1884年まで、チリがペルーとボリビアを相手に戦った戦争のことである(p12)
・1919-31年までの間、アメリカ・イギリス・ソ連の3カ国のうち、単独に日本に喧嘩を売れる国はなかったほど日本は強かった(p19)
・ソ連の片手間の、中国の片手間の、イギリスの片手間にアメリカと戦ったのが正しい表現(p25)
・アメリカは第一次世界大戦では、中立国を宣言しておきながら国際法の中立規定を無視して参戦国に大量の武器を売りつけて連合国に多額の戦費を貸し付けた、参戦してからは国際法違反の通商破壊をしている(p38)
・1922年当時の国際政治で重要なのは、英米の仲が悪く最大の仮想敵同士だったこと(p46)
・日英米の海軍軍縮交渉は対米6割か7割でもめていたが、その差はたかだか巡洋艦1隻分(p77)
・アメリカフーバー大統領が海軍のプラット提督に質問、日本と戦争になったらどうなると聞かれて、単独なら4年でフィリピンを奪還、イギリスが見方したら2年とコメントした(p91)
・国際連盟でのリットン報告書の決議では、賛成42反対1(タイ)と言われるが、棄権が13あり、その多くが反米国家であった(p129)
・ヒトラードイツは国際連盟を脱退した、規約を無視しての即時脱退。日本は連盟規定に則り、2年後の正式脱退を通告した上で、脱退後も連盟との協調に務めることを言明した。ソ連は英仏から除名された(p135,136、198)
・廣田内閣は帝国国防方針を改定して、イギリスを仮想敵に加えた。1907年の方針では、陸軍はロシア、海軍はアメリカとしていた。そこへ、陸軍はシナ、海軍はイギリスと増やした。予算獲得のため(p155)
・最初に本格的に石油が出たのがアゼルバイジャン、ペルシアをイギリスとロシアが山分けしたとき、アゼルバイジャンを取られたならこっちはペルシア湾と言って始めたのがアングロペルシア石油会社(p165)
・アフリカには公用語が英語の国が多い、現地人にはわからないのに旧宗主国の人にはわかるということ、これがアフリカがいまだに独立できないといわれている理由(p166)
・帝国海軍の基本戦略は、日米が戦った場合、フィリピンを落としてそこで迎え撃つ戦略であった(p225)
・山本五十六は航空機を重視してハワイ作戦をたてたにもかかわらず、空軍創設には反対した。陸軍が海軍を大幅に上回っていたので、空軍をつくったら陸軍にいいようにやられてしまうから(p227)
・タイは北部、南部を日本がとった結果、タイと隣国で接するようになった。その向こうはイギリス領ビルマ、実はタイは領土を切り売りして形式的主権を守っているだけで、内実はイギリスの属国であった(p230)
・日本はアメリカ以外には全戦全勝である、そのアメリカもフィリピンを制圧するまでは最後まで出来なかった(p236)
・日本とフランスは交戦国ではない、ヴィシー政権が当時のフランス正統政府で日本の友好国であった(p245)
・日本は滅びるはずがなかった国なのに、なぜ滅びたか。日露戦争に勝った直後に日本はイギリス研究をやめてしまい、イギリスがわからなくなったから(p247)
2014年9月15日作成
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日英両国の利害は一致することの方が多かったのに…。なんであの戦争をしてしまったか?知りたい人は答えに出会えるかも。
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なぜ日本はアメリカと戦争をしたのか?
なぜ日本はその戦争で負けてしまったのか?
それを考えるヒントがありました。
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歴史観が歪めれている屈辱。
第一次大戦後のヴェルサイユ宮殿での
パリ講和会議において・・・もう既に、
第二次世界大戦の要因があったのでは?
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歴史漫談家倉山満の持論さく裂
倉山史観は世間常識ではないので、やたらと結論が飛び交うのですが、もう少し丁寧に説明してほしいです
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憲政史家の著者が、太平洋戦争(大東亜戦争)について丹念に分析した一冊。
といっても、著者の本を何冊も読んでる人ならおなじみの言説が続く。
当時はアメリカがまだ超大国になる前で、対英関係がより大事で、そこを見誤ったことが敗戦を導いた。
また、第二次大戦によって一番利を得たのはソ連、次いで中共というところで、そこを見誤った英米も敗戦国同然。
真新しい描写はなかったものの、改めて勉強になった。
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小川栄太郎氏の著作に並んで史実を正しく理解するためには必読と思います。今までの学校教科書がどれだけいい加減か・・・よくわかります。
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大間違い、というより、目線を変えてアメリカだけでなく、イギリス、オランダ、中国、ドイツも含めて対立関係を考察するというもの。当時の日本の政治家の失敗、間違った考えを指摘。
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イギリスとの関係が最も大事だった。
やるとしてもオランダまで。
アメリカを本気にさせるようなバカな真似を誰がやったのか。はぁ~
偉い人には分からんのです by石井の菊ちゃん