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皆川博子『死の泉』の参考資料になった1冊だということで購入。
レーベンスボルンという組織についてではなく、1人の被害者が戦後、どう生きたか、どういう思いを抱いていたかが書かれる。
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A・トヴァルデツキ『ぼくはナチにさらわれた』平凡社、読了。ナチの秘密組織レーベンスボルン(生命の泉)は、母性保護の美名のもと理想的アーリア人生産拠点として親衛隊員の子弟計画出産を掲げ、その実、周辺国から「人種的有価児童」を拉致し、ドイツ人として育てた。著者はさらわれたポーランド人
「人種的有価値児童」の基準は単純だ。青い瞳と金髪。著者は4歳で拉致され、ドイツ名を与えられドイツ人夫婦のもとで育てられた。本書は回想録という体裁だが、成長期を両国で過ごした著者の「引き裂かれた」事実を丹念に記録している。
訳者が冒頭にレーベンスボルンの概要を解説。手近な類書が少ない中で、本書の意義は大きい。ユダヤ人迫害にみられるように人種論理に手厳しいナチの論理の内実は、なりふりかまわぬ「人さらい」だったことを明記すべき。それが戦争なのだ。
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貴重な一冊である。
手に取ったきっかけは「レーベンスボルン」。
いざ読み進めてみると、
この本のメインはポーランドから略奪された幼子がその事実を知らぬままドイツで養子となり、ドイツ民族としての誇りを深く心に刻み育ったにもかかわらず、ナイーブな思春期に入りそれまでの価値感が崩壊するような真実と向き合わされていくことで内的にも外的にも困難さを抱えていく話であった(ように感じた)。
ネットで検索してみると70代の著者の画像があった。
面影は微かで、彼のこれまでの困難であったろう人生に思いを馳せた。
彼を翻弄したのはナチスの優生思想であり、戦争そのものであったが、
養母の死がもたらしたものは、
それ以上だったかもしれない。
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関連書類が資料として載ってるんだけどナチの邪悪さに驚いた。
そこまで考える⁉︎てくらいに邪悪だった。
ナチが負けて、本当によかった。
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ナチにアーリア民族の育成としてさらわれたポーランドの少年の話である。さらわれてからドイツの敗戦で苦労し、さらにポーランドの母親のもとに帰ってからさらにより学校生活などでも苦労したことが書かれている。ポーランドに戻らずにドイツにいたままの方がよかったのかもしれない。
アウシュビッツだけでなく、ポーランドからもさらわれた子どもがいたという事実を示している本である。