紙の本
じんわり胸の温まる話に仕上げられている。
2016/02/04 14:45
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投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の男の子が車いすが動かなくなって困っている「おっちゃん」を助けて車いすを押し始めるところはよかったが、他の子が出て来て「ボランティアや」と言い出したところでは気持ちが引いた。ボランティアという言葉が悪いわけではないが、最近はその言葉がややひとり歩きしている傾向がある。ボランティアというだけばえらいという錯覚を起こさせたり、もっといえば優越感を抱いたり。この作品がボランティアという単語で、主人公の行動を完結させるようなものだったら、きっととてもつまらない作品になっていたと思う。
でも、実際はちがった。主人公は途中で迷い始める。自分は何のために車いすを押し始めたのか、「ボランティア」のためなのか、誰かに見てもらいたいからなのか…いや、ちがう、と。その辺の心の動きが、車いすを押す少年の額の汗のダイナミックな表現とあいまってとても印象的に描かれていた。
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『ボランティア』というものが何かというのは難しいところですが、子どもの「今、ぼくええことしてる」とか見栄っ張りなところの気持ちが垣間見えるのは面白いなと思いました。
『ともだちやもんな、ぼくら』の第2弾
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ええことをするのはなんのため?
最初は純粋な思いやりだったのに、その行為を誉められてしまうと、誉められたいがためのエゴになる。
実際のところ、炎天下の坂道で車椅子を押しながら、そんな己を客観視して悟りを開く少年なんかなかなかいないとは思いますが(笑)
多分、大人が他人のためにとる行動だって、少なからずそんなエゴを含んでる。
やらない善より、やる偽善。
とか、いろんなしがらみにまみれて生きる大人は無駄に掘り下げてしまうけど、子どもには絶対に一度読んで欲しい絵本です。
人が人と生きる根本には、この少年の悟りがなくてはならないと思います。
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ぼくは、
ええことしているところを
だれかに
みてもらいたかった
だけやろか?
~表紙見返しより~
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2015.07 4-1
2015.09 5-1
2015.11 6-3
2017.08 5-2
2019.12 3-1、5-3
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[墨田区図書館]
道徳にいいかも。
ちょっとした気持ちから車いすのボランティアをした主人公。途中からつらいなーと思って見物?している同級生に代わって欲しくなったりしたのに、「ピーターパンの塀のペンキ塗り」のように、みんながやりたがったら、なぜか「やらせてあげない、これはぼくの親切!」とばかりに見え張って頑張っちゃう。そして、思ったよりも重くてつらかったのに、予定以上に頑張って、おじさんを家まで送って行ってしまう!!
こういう単純さはくすって笑ってしまうんだけど、それだけでは終わらない。そのあとの上り坂はそれまで以上につらかったんだけど、見物?同級生の道が逸れて一人っきりになってしまうと、後悔の嵐。ちょっと調子にのって、落ち込んで、、、でもそこに今度は助っ人同級生が戻ってくると、それまでの独りよがりの功名心から仲間の助けの有難さがわかって本当の意味でのボランティアが始まる、本当の助ける側の気持ちよさがわかってくる。
ぜひまだ素直な子供たち、もしくは既に少しひねてはいるけれど、この話がひびく隙間が残っている子供たちに読んであげたいな。
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2019年度 6年生 13分30秒
5年生の時に、授業で車いすの体験学習をしたとのことで
興味を持ってくれるかと読んでみました。
「ええこと」をする時は、大人でも多少他の人の目が気になりますよね。
夏休み前の暑い下校時の事・・・
最初は困っているおじさんを助けようと軽い気持ちから車いすを押しはじめ、次は「見て見て!僕ってえらいでしょ?」
それから「あーしんどい、だれも褒めてくれないんなら意味ないやん」
13分超えの長いお話にもかかわらず、まなぶくんの心の葛藤に気持ちを寄せて最後までよく聞いてくれました。
みんなも最後の冷たーい麦茶のようにスカッとしたんじゃないかな?
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「そうや、ぼくは、この おっちゃんが こまってたから、くるまいすを おしたんや」
ぽつりぽつりと涙が出て来る話です。ボランティアって、こういうものなんだなあと感じられました。(9分)#絵本 #絵本が好きな人と繋がりたい #ええことするのはええもんや #くすのきしげのり #福田岩緒 #えほんの社
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「ともだちやもんな、ぼくら」の三人組の続編
今回は、電動車いすのバッテリーが上がってしまって、
立往生しているおじいさんを助けるおはなし
ええことしている自分に最初は酔ってしまうのだけど、だんだん「なぜ助けたくなったのか」の本質に迫る
ここでも、やっぱり正直でけなげで元気な子供が登場する
くすのきさんの子どもたちには、よこしまな気持ちや意地悪をする気持ち、人を陥れるなんていう暗い心を持った子どもは登場しないんだなあ。