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震災後の社会と若者を古市憲寿と論じた対談は興味深かったし、高原基彰との「サヨはなぜ経済成長の夢を見るか?」上野千鶴子との「腑分けする」など、いずれも深い論点に圧倒される。日本の若者がふがいないのではなく、日本の経済が順調だったために、起業する必要がなかった!とは目に鱗の視点。特に上野とのやりとりはかなりエキサイトした失礼な会話が頻出し、真剣勝負の迫力がある。一貫した通奏低音として「代議制民主主義の寿命は終わったのではないか。これから直接行動の時代」という立場であり、著者は能弁に持論をいろんな相手に主張している。後半の対談はそのような立場からの政治家、学者、市民運動者たちとの会話の連続。反原発の官邸前デモの盛り上がりに、「原発を私たちの力で止めた、と思えることが大切だと意味を解題しつつ、金曜夕方に中堅世代が集まれるようになった時代という冷静な分析も二律背反的で面白い。なお、古市氏の「絶望な国の幸福な若者たち」はぜひ読んでみたい。今の時代を象徴しているタイトルである。
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ときおり きちんと 考えたくなる
ときおり 自分の立ち位置を 確認したくなる
ときおり 今起きていることを 立ち止まって
じっくり あぁでもない こうでもない
と 自分の中で 悶々と転がしてみたくなる
そんな時に 小熊英二さんの 一冊は
なにかと その思考の手助けをしてくれる
今回は 対談集
違う立場 の 違う論客たち との
丁々発止 が とても刺激的だった
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哲学者?による東浩紀、上野千鶴子、古市憲寿などとのの討論集。著者が討論者の著作等をかなり読み込んでいて、深く議論しているのが伝わってくる。
基本的にはリベラルなスタンスでどうこの世の中をよくしていけるかについて議論。日本の経済政治環境が厳しいのはわかっているが、それを認識してきちんと行動に移すことが重要という真っ当な議論をずっとしている。
面白かったのは大人の定義
若者=将来で評価される人
大人=現在で評価される人
老人=過去で評価される人
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小熊さんの対談本は前回に続いて、今回も緊張感があって面白かった。前回よりも全体的に社会問題がテーマになることが多かったような気がするけど、2005年の前回から9年経って社会問題が更に大きくなったということなのかもなぁ・・・。
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小熊 あなたは、若くなくなったら若者論はやらないとおっしゃった。私なりに定義すれば、未来で評価される人が若者、現在で評価される人が大人、過去で評価される人が老人です。18歳で引退したスポーツ選手は老人です。あなたはたぶん今は若者のつもりでいるのでしょう。
古市 そうですね。
小熊 しかし私の経験からいっても、いろいろな人の事例をみても、未来で評価される期間はそんなに長くないんですよ。気づいたときには、もう未来にむけて蓄積する余裕がなくなっていることも多い。
古市 余裕がなくて、すり減ったただの大人に。
小熊 どんな関係でもそうですけど、この人はまだ未来があるという期待があるうちはうまくいくけれども、この人は今後よくて現状維持だなと思われたときから、いろいろな問題が露呈しますね。自分自身との関係もそうです。