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もう年はとれない みんなのレビュー
- ダニエル・フリードマン (著), 野口 百合子 (訳)
- 税込価格:1,144円(10pt)
- 出版社:東京創元社
- 発売日:2014/08/21
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紙の本
“DON'T EVER GET OLD”
2021/02/23 04:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯のコピーには、「最高に格好いい87歳、伝説の元刑事。人生最後になるかもしれない捜査に臨む!」。
87歳で元殺人課の(伝説的な)刑事、捕虜収容所からからくも生き残った過去があり、ユダヤ人である“わたし”(バック・シャッツ)はある日、戦友の臨終の場に呼ばれ、彼がずっと胸に秘めていた秘密を告げられる。 “わたし”にはどうでもいいことだが、周囲は“わたし”に関係ないとは思ってくれないらしく、ごたごたに巻き込まれる。殺人事件が起こり、孫のテキーラの手を借りて、“わたし”は事態の解明に乗り出す・・・。 ちゃんとフーダニット(誰がやったのか?)を追求してる。
バック・シャッツ、87歳は減らず口と皮肉でほぼ出来上がっていて、自らをアウトローと認めるハードボイルド気質。
所かまわずタバコは吸うし、必要とあればどんな失礼な態度も取れる。 でも一人称なので内心のボヤキや葛藤、素直じゃなさなどがほぼ読み手にわかるので、「しょーがないじいさんだな」とあきらめがつくというか、近くにいたらすごく扱いにくいタイプだろうけど仲良くなれたらすごく仲良くなれそうな気配を感じるというか、無茶苦茶だがキライになれないタイプと見た。
むしろ孫のテキーラ(勿論あだ名である、本名はビリー)のほうが、あやうくて得体が知れない。 彼は彼で父親の突然の死というトラウマを抱えているのはわかるのだが・・・テキーラの父はバック・シャッツの一人息子。 お互い深い傷を抱えながら素直に慰め合えない世代間ギャップは、シリーズを重ねるごとに歩み寄れるのでしょうか(突然の死の詳細は明かされていないので、これもまたシリーズで徐々にわかっていくことなのかも)。
ユーモアミステリやコージー的展開にもできそうなのに、あえてハードボイルドを貫き、さらに事件は猟奇的な手口と微妙なアンバランス感があるけれど、映像化しやすそうでもある。
しかし本質は、「自分がユダヤ人であること」をアイデンティティとして生きている人のことだなぁ、と感じ、宗教意識の薄い自分はいろいろ感銘を受けました。
紙の本
老いがリアル。
2016/03/23 17:53
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
薬のせいで、ちょっとぶつかっただけで痣ができるようになる。
言葉が出てこなくなる。
食事をしたかどうかもわからなくなる。
そんな老いの描写がリアル。
ぜいぜいいいながらも煙草が止められない主人公にもにやりとさせられる。
その一方、作中で起こる猟奇殺人がいまいちリアルには感じられない。
動機も必然性もリスクも微妙。
紙の本
久々に後味の悪い本でした。
2016/01/05 19:09
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
まあ、正義なんて自分をどの場所に置くかで
変わる曖昧なものだとは知っていましたが。
この種の本がアメリカでヒットすることが、
そして翻訳されて日本でもそこそこ売れていることに
なんとも言えないものが残ります。
紙の本
痛快な皮肉と圧倒的な経験
2015/09/25 00:16
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投稿者:タナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は作中で八十八歳になる、元殺人課の名刑事。
その主人公は老いと闘いながら平凡な余生を過ごしていた。
ある時、嘗ての戦友からの最後の言葉と告白を聞く。
戦中、捕虜収容所でひどい目に合わせてくれナチスの高官が金塊を持って、まだ生きているらしい。
そんなものに興味は既にない主人公だが、周囲がほっといてくれない。
痛烈な皮肉と357マグナムを武器に、孫に半分引っ張られるように主人公は渦中へと進んでゆく。