紙の本
銀河帝国を継ぐ者
2015/08/19 23:50
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投稿者:yasu - この投稿者のレビュー一覧を見る
オリジナルの人間からすると主人公がクローンという時点であまり期待していなかったが、呼んでみるとクローンだから許される展開に納得。
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SFガジェットを利用しているが、ストーリーラインは正統派のビルドゥングスロマン。
主人公がどのように成長して行くか、どのようなラストを迎えるか……といった部分にはあまり予想外のところは無いが、逆に、王道の面白さがある。
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銀河帝国を継ぐために 1千万いるプリンスの一人となり、さらに千人の次期皇帝候補という高みをめざすべく育てられた主人公。
しかし、プリンスの資格を得たとたんに卑劣な罠が牙をむく。皇帝を継ぐということは、陰湿な暗殺合戦に参加するという事なのだ。
メカ、バイオ、サイコ、3種類の技術により不死に近い存在ではあるが 敵も同じ条件。
肉体的にはスーパーマンのプリンス達は、それを当然と思い、生のありがたみも肉親の情も知らない傲慢なものばかり。
しかし主人公には、そうしたエリート達とは異なる、下積みの日々が待っていた。
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献本でいただいた一冊となります。
いかにもあちらのって感じな王道のSF、
著者はオーストラリアの人で、元々はファンタジー作家とか。
舞台はよくある銀河帝国、主人公はそこの“プリンス・ケムリ”、
プリンス-皇子、、というよりは、大公といった感じ。
プリンスは、全身を遺伝子レベルまで強化されて、
サイボーグ×超能力者、かつ“ある意味”不死身の存在。
そして皇子というからには“皇帝”がいて、
大体20年周期で皇位継承が起こるとの設定。
といっても、皇子は帝国全体で1,000万人おり、
性別も年齢も様々で、中には30回以上生き返った強者も。
皇位継承は、さらにその中から1,000人に絞られて、
その上で、1人が選出されるとのこと。
んん、さすがに向こうはスケールがデカい。
とはいえ、プリンスとしての教育の終了と同時に、
お互いに暗殺し合うような、なんとも殺伐とした世界観でもあります。
で、ケムリもその候補に選ばれるのですが、、
通常のプリンスとはちょっと異なる扱いになります。
不死身の存在から“ただの人間”に一時的に変化し、普通の世界に。
どこか帝王学を彷彿とさせるような冒険譚が始まりますが、、
つきつめていくとそれは、、絶対的な存在である、
帝国皇帝の定期的な代替わりの秘密とも関わりがでてきます。
絶大な権力、文字通り全てを統べる存在となる20年か、
全ての庇護から離れ、全てを自身で選択できる、歳月か。
結果的にケムリは3回死に、3回甦ります。
さて、彼はどのような“生”を選ぶことになるのでしょうか。
これは“人”になり、“生”を取り戻す物語、なのでしょうか。
幸せのかたちは様々ですが“温もり”は忘れたくないな、なんて。