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舞台の幕と幕間を意識して構成された話なんだろうな。と思いつつさらりと読めた本。ただややキャラクターの立たせ方が態とらしくて世界に入り込むには引き込まれ方がイマイチ。設定が活かし切れてない印象。
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2014年11月9日読了
視点が変わる様はまるで舞台脚本のようだけど、その切り替えは好き嫌いあるんじゃないかなと思う。内容はそそられるけど、やっぱり視点切り替えのせいで気持ちがブツリと切れて、物語に入り込めない。同時に他人事のように感じてしまうのは否めない。
気が強い通り越してイラッとするシェイクスピアの存在は魅力的で、やっぱり惹かれるものはあるけど、W主人公というには従僕に食われてる。どっちをメインにしたかったんだろう?
従僕の正体を意味深に濁して終わるのは物語としては綺麗だけど、1巻完結としてはどうなんだろうか。マーロウはキャラ的にいいと思うんだけど。
素材としては面白いので、ちょっと勿体ない作品だなぁと思った。
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ロンドンにはゴーストのたぐいとミステリーがよく似合う。
苦手な文体なので最後まで読めるか心配だったのですが、謎が二転三転して真相へ至る展開にドキドキしつつ一気読みしてしまいました。
無駄な装飾のない文章なので、こういう「早く先を知りたい!」と思うような展開のときにはさっさか読めて良いですね。
演劇的な配役で、それぞれの思惑が立体的に交錯するように描かれている点はすごく好きです。
しかし根本的に、シェイクスピアである必要性を感じないし、女性である必要性もぶっちゃけない。
あと、従僕がちょっとかっこよすぎたのがなぁ。かっこいいのはいいんだけど、そのかっこいい由縁が欲しかったというか……。「僕も一緒に地獄に墜ちます」までに、もっとはっきり成長していく過程を見せてほしかったり。
わたし的に、いろいろと惜しい作品でした。
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シェイクスピアのことばには力が宿る。
素材は自分好みなのに、なんかもったいない印象だった。偽史ということで、IFの世界だと割り切ればいいのだが。シェイクスピアの正体は、それこそ色々な説があるので、女性だった、というのもひとつ面白いけれど、(女性だった設定はフィクションの世界では定番)何か、広がる感じがしなかった。もったいない。劇が魔を退ける役割をするというのも、演劇の歴史をひもとくと面白い話だし、楽しめなかったのが残念。
劇作家シェイクスピアが女性でも、女性が舞台にあがるでも、当時(いわゆる「正史」の当時)なら受け入れられないことなので、そういうところが引っかかってしまったのもあるかもしれない。エリザベス女王が演劇を好んでいたのと、女王の一存で事態が動いてしまうのは、『恋に落ちたシェイクスピア』風ではあるけど。『恋に落ちた〜』を重ねてしまって、この話が受け入れられなかったのかもしれない。
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他のレビュアーも書かれているように、素材は面白いけど消化不良な感じ。伏線(主人公の正体だけでなく、指輪や資質のことなども)が回収されていないのが気になった。続編を出してもっと説明してくれると嬉しい。
また、劇中劇のシーンが少ないのも少し不満だった。タイトルと表紙を見て「美少女シェイクスピアが(現実の)シェイクスピアの戯曲を使って華麗に除霊する」を期待していたのだが、シェイクスピア戯曲のシーンはほとんど無く、マーロウの戯曲の方が目立っていたような…。
途中までは面白かったが、終盤では頭のイカれた連中のサイコな言動に置いていかれてしまった。「演劇の恐ろしさ」と言われたらそれまでだが、それならゾンビいらなかったんじゃ。