紙の本
わかりやすい抗菌薬の入門書
2018/04/28 23:30
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
抗生物質の使用は耐性菌を生み出してしまうことに留意しなければならない。第1章では耐性菌の発生を防止するために抗生物質の使用に関しての全般的な注意をたとえ話をしながら解説している。このたとえ話がわかりやすさを促進している。特に重要なのは、投薬開始前に感染臓器と推定菌を考えているかという点だろう。日常生活で買物をする際に、どこで何を買うか考えてからすることに喩えている。確かに刺身を買うために本屋に行くという人はいないだろう。であるからには抗生物質の使用でも同様に使用ではないかというのは当たり前のことなのだろう。そしてむやみやたらと抗菌スペクトルの広い薬を使っていればよいなどと考えていると簡単に耐性菌が発生してしまうのだ。
第2章では抗菌薬の種類ごとに解説をし、第3章では菌の解説をしている。ここでも覚え方や四コマ漫画を駆使して、印象に残るような工夫がなされている点が良い。
レボフロキサシンの活用場所が多いように感じた。グラム陰性桿菌にグラム陽性球菌に有効という幅広い抗菌スペクトルが特徴の第3世代キノロン系であるからか。
リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)は低温でも増殖でき、サラダなどの生野菜で気をつけなければならないようだ。乳児や免疫不全患者で化膿性髄膜炎を引き起こすこともあり、冷蔵庫で保存していても検出されてしまうのは恐ろしい。
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10/10読了。
抗生剤と微生物について基本からとっつきやすい内容だった。職場にちょうどこんな内容が学びたいと言っていた後輩がいたので教えてあげよう。しかし、毎年抗生剤系の基本的な本読んでる気がする。その中でもこれはいい本だ。単純に四コマが面白かったというのもある(笑)
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http://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB16342955
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読みやすい。。。
でも、全く勉強したコトないため専門用語となるとちんぷんかんぷんとなってしまった。。。
用語をしっかり勉強したら、すんなり読みやすい本だと思う
また勉強してリベンジで読む!!!
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難しい専門知識を小学三年生にでも話して聞かすことができれば、それは理解している証拠というが、そこまではいかなくても、これだけ分かりやすい抗菌薬の本はないだろう。患者家族さんへの説明の仕方とそて、絶対利用させてもらおうと思う本。
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抗生剤の特徴、細菌についてざっと俯瞰できる一冊。エッセンスは詰まっている。もう少し読み物として面白いといいな、と感じた。
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https://library.shoyaku.ac.jp/opac/volume/143092?current=1&locale=ja&q=9784840446143&target=l&total=1&trans_url=https%3A%2F%2Flibrary.shoyaku.ac.jp%2Fopac%2Fhome%2Fresult%2Fja%3Fq%3D9784840446143%26target%3Dl
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2年次初期研修医です。私は、とある医師の「感染症を診れない医師はいない」という言葉に感銘を受け、研修医である自分も感染症・抗菌薬について学んでおかねばと思い立ち、入門書を探していました。勉強をするなら楽しくやりたいタチの私は、こちらの本のコミカルでキュートな表紙に一目惚れしてしまいました。これなら覚える事が多くて取っ付き辛い感染症学も難無く学べると思い、早速購入しました。あまりにも可愛い猫ちゃんがたくさん登場するので、もしかして一般向けなのかな、大丈夫かな、と最初は少しだけ心配しましたが、感染症の基礎はしっかりと学べる充実した内容でした。いきなり、○○菌には○○という抗菌薬が効く、等とうんざりする様な出だしではなく、耐性菌に対する手指衛生の重要性から始めてくれるので、まさに初学者にもってこいです。また、抗菌薬をいたずらに投与するのではなく、感染臓器と推定菌を明確にし、患者の状態、抗菌薬の感受性や組織移行性を十分に吟味してから始めて投与する、と基本中の基本なのですが、つい失念しがちな心構えも書いてあります。また、各臓器には感染しやすい特定の微生物がいて、感染臓器と原因微生物を推測しないと、抗菌薬の的確な投与日数の設定ができない事も意外と忘れ易い事ですが大事であると教えてくれました。なので、感染症の診療においては、CRPや白血球数だけを指標にするのではなく、感染臓器特有のパラメーターも注意深く見る必要があるのです。各論についても豊富に書かれています。例えば、口腔内や大腸、女性生殖管に多数住み着いている嫌気性菌は、培養で検出されなくても臨床的に疑われたら治療を行う事、単独で繁殖する事は少なく好気性菌等の他の細菌と複合感染している事が多い事を学べました。後半からは各微生物についての説明が用意されており、事典的な使い方もできます。全体的に例え話を交えての解説が多く、柔らかい文体で非常に読み易いです。合間合間に猫ちゃんの漫画も登場し、サクサクと読み進める事ができて、当初の目論見通り、楽しく感染症の基礎を学ぶ事ができました。感染症を参考書で学びたいけれど、最初の1冊に迷っているという方にはこちらの本はうってつけだと思います。是非猫ちゃんに癒されながら、感染症についても学んでみて下さい。
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抗菌薬処方のための17の心得
主な抗菌薬の特徴
敵を知る 主な病原体の特徴
忘れていた細菌と抗菌薬の知識が簡易に説明されている