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父の死の謎と母娘に迫る黒い影が潜む街・新宿で、音楽と運命の嵐が吹き荒れる。さらに典子の音楽の道に立ちはだかる母との対決…。JAZZって何?人生で一番大事なものは何だろう?高校生・典子が、悩んで、苦しんで、楽しんで、疾走っていく本格ジャズ青春小説。ミステリーの楽しみと音楽の喜びが見事に合体した魅力溢れる長編完結編。
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サキソフォンと出会い、ジャズと出会い、質屋で運命的に楽器と出会い、典子は運命のように荒波に漕ぎだしていくのである。トモキとは誰なのだろう。父の死の真相は。ジャズとは、自由とは。典子の頭の中は、はてなマークだらけだったが、ひとたびジャズに触れると、考えるより先に躰が動いてしまうのである。知らない方がしあわせだなどと言う人もいるかもしれないが、知った上で前を向いている典子をますます応援したくなる。ジャズのことはまったく知らないが、その漲るものの中に身を置いてみたくなる一冊である。
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読んで良かった。楽しかった。泣いた。とにかく熱かった。こういう言い方をすると失礼かもしれないけど、Jazz版の「昴」のように読めた。主人公が、悩んだり迷ったりしつつ成長する姿って、良いですよね。それをダイレクトに文章に起こしてあって、素直に受け入れられる読書ができて良かった。
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典子のひたむきさ、胸が熱くなる。
その一方、その才能をうらやむ部分もあったけど。
水之江さんの気持ち、わかるなぁ。
チコの正体。あの呪文の意味。
なんだか切ない。
音楽って素敵。
音楽でなくても、夢中になれるものがあるって
素晴しい。
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前作のウィンディがストーミーになり、活劇の要素が加わって、嵐のような派手な展開になっています。前作で提示された謎が、ほぼ回収されています。シリーズものと思っていましたが、本作で完結でしょうか。後半に入り、慌しく終わってしまったような印象を受けました。主人公がジャズに傾倒し、腕を上げていく様子は楽しく、ソリストの成長の物語を読むとついつい剣豪小説を思い浮かべてしまいます。久しぶりにゼロニアス・モンクを聞きたくなりました。とりあえず「ミステリオーソ」にしようかな。