投稿元:
レビューを見る
多くの人たちが表面的な平和を謳歌して目の前に迫っている状況を把握してほしいと、心の底から願います。
マスコミをはじめとして偏向的な意識を質してくれる書籍ではないかと思う。
投稿元:
レビューを見る
前半部は、尖閣を巡り日中が紛争に至ってそれが終わるまでのシナリオ。平時から互いの監視活動が活発になるなどのエスカレーション。偽装漁民による上陸で海警行動が発令、軍の上陸で本格的紛争。統合部隊が編成されて制空権の争奪やら、米国が参戦するか否かで状況が変わる話など。専門的な言葉には注釈で説明されていて親切。
コラムでは海警行動や武力攻撃対処法について解説されている。
後半は海上、航空、陸上の戦力や装備について解説されていて、三自衛隊出身の共著の強みが活かされている。
投稿元:
レビューを見る
ロシアのウクライナ侵攻や中国による台湾への武力侵攻など世界中で危機が表面化もしくは限りなく現実に起こりうる状況となっている。日本も韓国による竹島上陸以来、島嶼戦の重要性や絵に描いた国防だけでなく実行力の育成・配備の必要性が強まった。最近石垣島に本格的な戦闘部隊が配備されたのもこうした世界情勢の急激な悪化や、中国の躍進などがその要因となっている。安保体制平和ボケ、世界の危機は海を隔てて他人事としか感じない日本人にとってはいよいよ日本の国土も危ないという意識してに目覚めた兆候ではないだろうか。
日本はアメリカが守ってくれるというのは幻想だ。ちっぽけな尖閣諸島を中国が獲ろうが、アメリカはまず動かないだろう。それ以上の国家間いや世界全体を巻き込んだ世界戦争に発展するリスクを負ってまで、尖閣問題に介入するなどあり得ない。よって本書に記載されている尖閣諸島防衛戦は日本単独で実施する可能性が高いものと思われる。勿論当初は日米安保の下でアメリカも支援の体をとる。もしこの戦いが積極的な武力対立になった場合、アメリカは世論を気にして早期解決に入ろうとする為、一定期間ののちに実効支配できている側に講和を持ち出し譲歩に持ちかけるだろう。それまでは自国民を危険から遠ざけるように消極的な支援に徹する。
となると本格的に戦闘行為を行うのは自衛隊だし、何より逆上陸作戦成否に将来の尖閣諸島権益は握られる事になる。海洋資源の存在などが明らかになるにつれ、その危険度は増すとともに、万が一日本がそれを失う事になれば、国民も一斉に国は自衛隊は何をしているんだ!と避難を浴びせるのだろう。普段は税金の使い道や沖縄問題に煩い人達があっという間に掌返すシーンが思い浮かぶ。
本書は少し古く10年以上前のものであるから、現在の国際状況や日本・中国含む各国の戦闘能力、特に海軍力や航空戦闘機の能力、そしてミサイル技術にも変化はある。しかしながら最終的に島を占領する為には人の力である陸上部隊が必要になる。いかにして上陸・占領し、その後守り切るか。この辺りの重要性は変わらない。
少し前なら、もし中国が尖閣に大量に漁船を送り込んで不法占拠を開始しても最終的には自衛隊とアメリカで何とか追い払えたかもしれない。更にその後はそうした行為から防衛する為に、尖閣諸島に日本が軍事配備する事がある意味当たり前になるので、中途半端な行為は結果的に中国が不利益を被る自体が予想された。今は判らない。電子戦では中国の能力は随一だし、無人機が飛び交う最新の戦闘映像を見ていると、未来の予測をすることが難しくなってきている様に感じる。
クラウゼヴィッツの言葉、戦争は武力を使う政治、政治は武力を使わない戦争という言葉が、どこから先が戦争なのかも境界線が曖昧な現代にも当てはまる。