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光文社文庫の再刊。
どれも著者らしい捻りの利いた短編で楽しめる。
冒頭の『人形師の家で』はギリシャ神話の引用から始まるが、こう来るとは思わなかった。表題作にもなっている『家守』は予想通りの結末ではあるものの、それまでの展開がサスペンスフル。
他の3作品もそれぞれに楽しめる。
再刊なので読んだと思っていたが、全く記憶になかった。買ったと思っていたのは勘違いだったようだ……。
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短編集だったのでサラッと読めたが、毎回こうかなと思うよりもさらに深く先を行く感じで、いい意味で裏切られる作品でした。
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家を舞台とするミステリ5篇を納めた短編集。
「人形師の家で」ずっと昔に行方不明となっていた友人のサトル。彼はいったいどこへ……という話よりも、主人公の秘密に関することが気持ち悪くて印象に残ります。
表題作「家守」自宅で死んでいた女性。その事件の真相にスポットがあたる話ではありますが、それより気になった点は、周囲が立ち退きに賛成しているのになぜ一人頑にそれを拒んだのか。およそ予想通りの内容で、可もなく不可もなく。
「埴生の宿」痴呆症を煩った老人のために、その息子を演ずるバイトを依頼された青年。期限付きのバイトで最後は「死んでくれ」という内容。演技をするのか。それとも本当に殺されてしまう?そんな疑心暗鬼な状況にハラハラしきりで、全5篇の中では最も楽しめました。
「鄙」山村の離れで一人の男が自殺。しかし死体には不自然な点が…… 時代は高度成長期で、山奥の村という舞台。時代と舞台からイメージされる隠蔽体質が引き起こした事件なのかな?そうした点で興味深い話でした。
ラスト「転居先不明」うーん、内容が目まぐるしすぎて結局何を楽しめば良いのか全く分からず……作者のやりたいこと、伝えたいこと、表現したいこと。それら全てから置いてけぼり喰らった感が強くて、何一つ理解できず、また理解したいとも思えないまま読了。
総じて言えばまずまずな印象ですが、とにかく最終章が理解できなさすぎて消化不良感が強すぎ。もやもやした心境にイライラさせられて、最終章以外は佳作な印象があったのに、最後で台無しになった感が強烈すぎました。
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短編集
「人形師の家で」
小学生の頃、精巧に人形を造れば命が宿ると信じていた人形師の家で友達が神隠しに遭い、20年後廃墟となったその家で白骨化した友達を発見する。
「家守」
道路拡張工事の立ち退きに反対していた主婦が密室で殺された。犯人は立ち退き料がほしかった夫で、
主婦が立ち退きたくなかった理由は、子供のとき殺して埋めた妹が見つかってしまうからだった。
「埴生の宿」
痴呆症の老人の介護を日給5万で頼まれた青年は、老人宅で住み込みで始めたのだが、後日死体で発見される。
老人宅がビルの屋上に建てられた一戸建てだと知らなかった青年が、そのビルから転落してしまったのが原因だった。
「鄙」
寂れた村で密室で首吊りが見つかるが、調査の結果殺人だと判り、村人の犯人が捕まる。
だが真犯人は村の医者だった。医者がいなくなると困る村人達がアリバイ工作したり身代わりになったりして、その医者を助けたのだ。
「転居先不明」
口うるさい妻を追い出すため、住んでる家が実は昔、殺人事件があった家だったとウソをついて、幽霊がいるような仕掛けもして脅かすが、逆に夫のほうが風呂場で石鹸で転んで死んじゃう。
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暇つぶしに最適。それっぽいミステリー仕立てだけど、2週間で細かいこと忘れた。人形の話だけは、荒唐無稽過ぎるがゆえに、記憶に残ってしまった。どーゆーこと笑
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・人形師の家で
ピグマリオンの逸話を魅せられた人形師と、幼馴染の突然の呼び出しに帰省した主人公が幼き日に行方不明となった友人の謎をたどるミステリー。
・家守
仕事帰りの夫が、密室となった自宅で美貌の妻の死体を発見した。妻の持ち家は道路の立ち退きを迫られているが反対しており、賛成派の夫との仲に亀裂が。また妻には幼い頃に行方不明となった姉妹がいて。
・埴生の宿
痴呆の父親は年老いた息子を息子とは認識できず、若き日の息子を恋しがる。そんな父親のために息子は一計を案じ、若き日の自分にそっくりな青年に声をかける。
・鄙
官能小説家の主人公がマネージャーの弟と羽休めに訪れた秘境の集落に、帰省してきた男の首吊り自殺と遭遇した。主人公は他殺と看破して犯人を特定するが、真実は閉鎖的な集落に。
・転居先不明
都会で単身赴任を謳歌していた夫のところに、一人息子が家を出て手持ち無沙汰になった妻が田舎きら転がり込んできた。しばらくすると妻は誰かの視線をいつも感じると訴え始める。
夫はこの家で昔あった惨殺事件のせいでみんな物珍しがってるだけだろうと一笑する。
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すごい!きっちり伏線が回収されていくスッキリ感がある。短編だから前の方に出てきた伏線も覚えてられるから余計スッキリ(笑)『葉桜の季節に君を想うということ』も高校のとき感激したなー。
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家がテーマの短編集。とはいえ新書版は薄かった記憶があるから、だいぶ加筆されているようで、満足度が高い。トリッキーさを出すために無闇に話をひねってるんじゃなくて、着地が見事。
しかもありきたりなところに落ち着いていない。わりと初期のものだからか。
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「そういやこんなことあった」みたいな
長編だと記憶をたどりまくるようなことも
短編だとスッと戻ってきて心地よい感じです。
それでもあきさせず、短い中にあれこれぶちこんであって良いなあ。
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家に関する5つの物語。
どんでん返しがとても心地よかったです。
ラストの「転居先不明」、少々ブラックで小気味よい終わり方が素晴らしいと思いました。
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ミステリ短編集、初めての歌野晶午。
家(或いは家を含む集落)にまつわる過去と現在、住む人の想い、出来事、そして起こる事件を、高度なホラーテイストのミステリとして描いています。
以前から気になってた“食わず嫌い”状態の作家だったのですが・・・選んで正解!大変楽しく読み進めました!!他の作品も読んでみたいと思います。
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家がテーマの短編集。
5編収録されているが、ハズレ無しでどれも面白かった。
後味の悪い話が多いけど、短編だとさらっと読めるから鬱にならないでいいね。
しかし、けっこうな名作だと思ったけど、あまり評判を聞かないよな。自分も本屋で見かけるまで知らなかったもん。
"葉桜"と同じ時期に発売されたそうだから、そちらに注目が集まりすぎたのだろうか?
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「転居先不明」が一番好み。他4編もそれなりには楽しんだけど、一番ドキドキしてゾワっとしたのは「転居先不明」。やっぱり歌野昌午は長編の方が好きだな。
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5つの短編。どれもおどろおどろしい雰囲気、怪しい要素が漂っていて、不気味。大変楽しめた。「鄙」の村人心理って怖い。村に育った人の話聞いたことあるけど、いまだそんなところがあるのか、という新しい文化慣習だったよ。
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短編集。
『埴生の宿』は面白かったけど、全体的にトンデモ感が漂う。お…おぅ、という感じ。色々凄い。