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紙の本
氷山曳航計画の話かと思ったら、どうもアイヌ系一青年:ジン・カイザワが大人に成長していく哲学的物語でした。
2016/12/07 10:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
氷山曳航計画の話かと思ったら、どうもアイヌ系一青年:ジン・カイザワが大人に成長していく哲学的物語でした。大半は氷山曳航計画を担うシンディバード号の船内とその乗組員と曳航される氷山“箱船”との話であるが、後半でオーストラリアの原住民アボリジニの青年:ジム・ジャミンジュンとのグレゴリー国立公園での日常が描かれる。哲学的・精神的物語はあまり私の得意ではないのだが、氷山曳航計画や曳航される氷山“箱船”の話は具体的で興味深いし、氷山曳航計画に反対する拝氷教集団“アイシスト”は謎めいていて緊張感を与えている。しかし、これといって大事件が起こる訳ではないのだが、しっかりとした展開で全く飽きさせない。394:『真昼のプリニウス』(1993)では、「どちらかというと哲学的な話に収斂してしまい、徐々に退屈さを感じざるをえなかった。」ということで低評価だったが、本作で俄然名誉挽回でした。「理系知識を加味した哲学的評論」を強みとするらしいこの著者も注目株です。
紙の本
技術が生む神話
2023/05/10 16:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
南極の氷山を捕縛、曳航して水不足に苦しむ地域に水を供給するプロジェクトを遂行するシンディバード号に密航したアイヌの血を引くジン。道具立てはいかにも作者らしく物語は快調に進む。文体は軽やかというか親しみやすすぎるぐらい。大した波乱もなく順調に進んだ物語も、氷山を曳航し始めたあたりから、ジンの迷走(と感じるが、逆の見方もあるだろう)でちょっとだれるのが残念。油断していたら最終盤になってからどんでん返しが起こって一気に盛り返した。
DD(ドクター・ドレッドノート=ドラゴン)とか族長とかジンの周りのキャラも立っている。多国籍、ダイバーシティを強調しすぎてもいるが、この道具立てはよく構築されていて説得力があり、著者の好奇心に沿うように自由に対置されて面白い読み物に仕上がっている。
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