紙の本
言葉の力
2017/01/12 09:58
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
詩人やミュージシャンとして幅広く活躍しているだけに、言葉にはこだわりがあるようだ。映画監督の河瀬直美など、たくさんの人との絆もよかった。
紙の本
読後感が爽快になった
2015/12/30 20:48
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投稿者:なないなな - この投稿者のレビュー一覧を見る
導入部の文章が良かったので、勢いがついて最後まで読み通せた。印象的な内容はいくつもあったが、中でも、外国語を学習する意味について、学生などの若者と著者の様な年配者とでは、自ずと違ってくるというところが、私には一番グッと来た。
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後半に収載の著者の知人友人である各界で活躍する方々へのインタビューは、スイッチが入った方々による目標達成に向けての行動力が読者に何かを感じさせるものと思う。
著者の人脈も、それぞれの目指すところへの強い思いが、お互い引き合うものがあることからできたものなのだろう。
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はじめの書きだしは大変良くて、ひきこまれた。今の世の中を生き抜くには一昔前とは違う能力が必要、というところは良かった。が、プチ革命と言われて、少しはぐらかされた気持ちになり、それを名詞を増やすことでやっていこうと言われると、ますます、本当にそれで今の世の中を生きていけるのかと疑問に思った。
最後まで読みとおすと、言葉のことだけではなく、様々な生き方を必死になって模索していけば、いつか道は開けるよ、と言いたいのだということが分かる。
インタビューの相手も有名人だけではなく、著者の人望が感じられる素敵な人たちだと思う。
そういう意味で、読んで良かったし、若い人にも読んでほしいと思う。
しかし。ここに出てくる人は、みんな(著者ももちろんそうだけど)基本的な能力が非常に高い人たちで、今非正規雇用やブラック企業に酷使されて疲弊している若者とは違う。立派な大学(著者の友人が多いせいか早稲田がほとんど)出てるし。
私が初めの書きだしに惹かれたのは、学歴、職歴が人に誇れるものではない、毎日の生活を送るだけで精一杯の人たちが、どうやって希望を持ち、生きていけるかが書かれた本だと思ったから。
もちろん、学歴職歴がたいしたことなくても、心構えは同じかもしれないし、(はっきり言ってそういう人が「岩波ジュニア新書」を読まないだろう、というのもあるし)、いいのかもしれない。
でも、私のようなひねくれ者には、ここに出てくる人たちは環境に恵まれ(親が社長、医者、地方から都内有名私立大に行ける学力と財力)、能力も家族の理解もある特殊な人たちで、自分と同じような人とは思えない。
だから、冒頭に出てくる、深夜の弁当屋で立ち尽くす若者とは違うと思ってしまう。
本としては、悪くない。
特に、まだ希望がいっぱいの若い人には。
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買いです。
これを読んで自分が変わるかというと、そうでもなかったかけれど、惹き込まれる表現が多く、読んでいて気持ちよかった。
映画見ようかな。
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とても、良かった。
書いたり話したりすることが苦手だが、
「言葉の森」に心引かれて、自分なりの森を育ててみたくなった。
専門を極めるコツも分かった気がする。
あん、も読んでみようと思う。
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2015/05/07
フェルディナン・ド・ソシュール
「言葉とは差異に根ざした表現である」
ドリアン・・名詞の言の葉を集め森を作ると、その森から柔らかな風が吹き始め、あなたの背中を押してくれる・・・
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映画監督・河瀬直美さんへのインタビューが秀逸!
河瀬さんの「土のなかの人の言葉を伝えたい」という言葉にしびれた。
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ノートを買った。
言葉の森を育てていこうと思った。
テレホン人生相談で知ったドリアン助川さんの著書をはじめてよんだが、わかりやすくとても参考になった。
ほかも読んでみたい。
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ハンセン病元患者を正面から扱った『あん』の著者であり「叫ぶ詩人の会」というユニークなグループで歌を歌っていたドリアン助川氏の若者向け応援歌です。
これからの時代が,若者にとって簡単に仕事が見つかるような時代ではないことは,明らかとなっています。
そんな中で自分を見失いそうになる若者たちに,ドリアン助川氏は,「言葉の森を育てていこう」と呼びかけます。
新たに,ある分野の「言葉=まずは名詞」を知ることは,その世界に飛び込むことであり,自分の世界が少しだけ広がることにつながります。それが,今までの自分の殻を破って一歩踏み出す原動力ともなるのだといいます。
自分自身のことをふり返っても確かに思い当たることがあります。
たとえば,一時期夢中になった「韓国歴史ドラマ」。主に韓国李王朝の時代です。そのドラマには新しい言葉が沢山出てきます。韓国語そのものもそうだし,韓国の歴史の話もそうです。そこで,私は日韓・韓日辞典も買うし,韓国歴史解説の本も買います。それくらいのめり込むと,いつかは韓国に行ってみたい,その地を訪れてみたい…と思うようになります。そして,「チャングムの誓い」のロケセットのある場所や,イ・サンの作ったスウォンへ行って,韓国の歴史に触れてきたのでした。ツアーじゃないので,なかなかスリリングな旅でした。
7名のインタビュー記事も載っていて,こちらの言葉を巡る話もおもしろいです。ドリアン助川氏の人間関係がいかに幅広いかが分かってきます。でも,考えてみると,私の回りにも意外とそんな人がいるような気がします。その人達から,何を吸収するのか,どう影響し合うのかが大切なのかも知れません。
興味を持ったら,とりあえず,その分野の言葉を徹底的に覚える…これって,単純なことで,わかりやすいですね。
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言葉は、人生を、その人となりを表す。発する語いの少なさは、感情の乏しさを露呈させるという。著者自身が言葉に傾倒して生きてきたからか、言葉から夢をかなえるチャレンジを始めようと薦めている。英単語や専門用語の丸暗記など、弊害はあるが、良い面もある。そして図書館にも専門用語がある。その道を極めるためには必須なのだ。
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文献を読んでいるうちに、たどり着いた本。
「言葉とは、差異に根ざした表現である。」
そのために、自分の興味のある名詞を学んでいこう、という主張である。
自分は、新たな分野を学ぶ時、専門の雑誌を1年〜2年間購入し、とにかく目を通していく。
当初全くわからない言葉も、2年経つと、すっかり自分のものになっている。
吹奏楽の時も、写真の時も、そうだった。
この本を読んでいて、なるほど、納得であった。
自分の世界を創ってきた7人との対談が、これまた痛快かつ面白くてたまらない。
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・言葉とは差異に根差した表現である。ソシュール
・fish is fish.
・言葉はモノへの対応に由来を持っているのではなく、根本的には認識上の違い、差異である。
*言葉の森を育てよう。好きな分野の名詞の葉を(外国語なら動詞)をたくさん集めよう。名詞に命を与えるために生きた動的イメージで。名詞が表すものを生きた光景としてとらえ、あなたの中に住まわせる。
森に風が吹きあなたの背中を押す。
・外国語の学習。読みたい原文を書き写し、動詞と助動詞だけ( )にし、それを毎日読む。
・丸暗記が必要な時もある。繰り返しその対象に入り込むことで、自分の常識を水準に上げていくのだ。暗記しようとするな。それを知っていて当然だと思えるほど、知識のレベルを上げていくのだ。
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映画『あん』の原作者による、言葉と自分をひらく旅。
自分の「生」の根拠として、自分の内に「言葉の森」を育てよう、名詞の木を植えていこうという提言です。
事象の差異を認知できるということは、それに対応する言葉を内側に持っているということ。その対象に関心があれば、そうした差異への認知が豊かになると言っています。それは、自分の寄って立つ「専門」を持つということでもあり、そうした自分なりの専門分野を持つことが、自分の「生」をたくましいものにする。
私は以前、言葉でもって自分の精神を耕すことが重要であると思っていましたが、言葉の「森」というイメージがまず気に入りました。「森」は水をたたえ、土壌を守り、生命を育みます。言葉とは、本質的に生命に根ざし、生命に連なっているという指摘には、わが意を得たりと思いました。言葉が躍動するとき、その生命も躍動するのでしょう。
後半は、さまざまな分野で「言葉の森」を育てた「言葉の匠」7人に対するインタビューでした。特に印象的だったのは、映画監督の河瀨直美さんの、「~想いを伝えられないままに土に戻っていく。私はその、土のなかの言葉を伝えたい」というフレーズでした。
言葉に想いを乗せ、表現できることのすばらしさについて考えさせられた1冊です。
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革命。
破壊と創造、を思い浮かべるような言葉。けど、誰かを巻き込む革命ではなくて、自分のためのプチ革命。
それは、言葉の森を育てるということ。専門っていうのは言葉のこと。
言葉が少なくなれば表現も少なくなる。
カツオもマグロもツナで、カンパチもハマチもイエローテール、カブトムシもクワガタもビートル、というように呼ぶような国(というか、そういう感覚の人たち)には、それらを見分けて言葉で愛でることはできない。
うざい、やばい、でほとんどの感情を表現する世代が怖い。
そういう世代向けの本だと思うが、そういう世代には僕の言葉はどうにも届かない。届けられるのを待たずに、自分で気がついてくれればいい。
インタビュー集も含めて、言葉の森の育て方、有り体に言えば勉強の仕方、環境への飛び込み方、そういう動機や方法が満載で、満足である。自分の革命には使えそうだけど、やっぱり届けたくなる。
それで、というわけではないのだけど、今日、思い立って今までずっと手放せなかった本を結構な数、処分した。物が手元になくなっても、言葉が、名詞が残っていれば、結構強く生きられる、と思おう。