紙の本
経済学者の思考、ものの見方を分かりやすく解説
2016/05/24 13:27
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投稿者:安楽 - この投稿者のレビュー一覧を見る
市場やインセンティブといった言葉の意味と使われ方考え方、貿易や貧困といったことへの考え方などわかり易く解説されている。
数式もグラフもなくわかり易い表現でひねった事柄などもない素直な一冊。
この手の本は今じゃ溢れかえっている感じはするが華飾でないので他と一線を画すみたいなものはないが、その分読みやすい本だと思う。
個人的には前半「この見方考え方が正しい」といったものいいが強いと感じて辛かったが後半になるほどすんなりと読めるようになったのが印象的。
内容じゃなく訳者の違い(前半山形氏、後半守岡氏)が原因かもしれない。
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表紙が怪しい本2冊目。
経済学。
その単語を聞くだけで嫌悪感を露わにする人も多いはずだ。
意味不明な数式、何を示しているかわからないグラフ、そしてとにかく数字、数字、数字!
しかしご安心を。本書には計算のけの字も出てきません。
世の中の事象を引き合いに出し、どういう仕組みなのか、なぜそうなるのか、を丁寧に解説することで読者に経済学のおもしろさを伝える書籍。
『統計学をまる裸にする』と同様に、目次を並べてみます。
・軍はなぜ500ドルもするねじ回しを買うのか
・マクドナルドが流行るのはおいしいからではない
・なぜビル・ゲイツは大金持ちなのか
やっぱり今回も数式の出番はなさそうですね。
以前読んだ統計学の本よりも、こちらの方がすとんと腑に落ちる内容になっていると思います。
変に経済学を美化することもないし、卑下もしません。
所得格差がいたるところでやり玉にあげられるが、グラフ上で下に位置する人々も数十年前の生活水準から見れば圧倒的に豊かになっている…そのとおり。
だが、「豊か」の基準はあくまで主観によって異なるので、一概に今のままでいいとは言えない…まったくもってそのとおり。
淡々とした内容を、ユーモラスな飽きのこない語り口で説明してくれるので、非常に読みやすいです。
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経済学者の思考、ものの見方を分かりやすく解説した本。
市場やインセンティブといった言葉の意味と使われ方考え方、貿易や貧困といったことへの考え方などわかり易く解説されている。
数式もグラフもなくわかり易い表現でひねった事柄などもない素直な一冊。
この手の本は今じゃ溢れかえっている感じはするが華飾でないので他と一線を画すみたいなものはないが、その分読みやすい本だと思う。
個人的には前半「この見方考え方が正しい」といったものいいが強いと感じて辛かったが後半になるほどすんなりと読めるようになったのが印象的。
内容じゃなく訳者の違い(前半山形氏、後半守岡氏)が原因かもしれない。
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「数式やグラフを使わず、経済学をわかりやすく解説する」という点ではまさにそのとおり。
スラスラと読め、例えも具体的でイメージしやすい。
著者の立ち位置は自由主義・グローバリズム側にあるため、「競争は善、保護は悪」という主張には感覚的に共感しづらいが、単純な市場万能主義者ではなく、政府の果たすべき役割と市場が果たすべき役割の線引きについてもわきまえられているため、それほどストレスなく読める(リスクを社会に押し付け、リターンだけを得ようとする「強欲資本主義者」の問題にも触れている)。
著者は、外部文化の流入による地域伝統の破壊(落ち着いた景観の土地に無作法に進出するマクドナルド)について、「住民の意思を尊重すべきだが、規制によるメリットとデメリットを考慮して結論を出すべき」「企業の進出に賛成している人もいる以上、反対派の主張を押し付けてはならない」という真っ当な見解を述べている。
穿った見方をすると「金で解決できればよい」という経済学的な考えに忠実な主張なのだが、文化の価値や重さについて、歴史が浅く、母国語が世界で通用する特権を享受している「アメリカ人」は、知性があっても理解することは難しいのではないかと感じた。
平均的な日本人なら、身近に日本語でない会話や日本語でない文字が増えることには抵抗感があると思う。平均的なアメリカ人は、自国がそういう状況になることを想像できないのではないだろうか。
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マクロとミクロの基本的概念をわかりやすく教えてくれる。
大学の一二回生向き
政府の有能さが経済成長にどれくらい影響を与えるのか
グローバリズムにおける比較優位の考え方
→タコ部屋労働は本当に途上国にとって悪か?海外大手資本の参入は経済的な植民地化か?
あらゆる国において現地人の選択によって海外しほんが反映している
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人間は一部のリスクを過小評価し(肥満)、他のリスクを過大評価する(飛行機)。
良い知らせにも悪い知らせにも過剰反応する。
誰がパリを喰わせているのか=神の見えざる手=各人が自分の利益を追求した結果の繁栄。
市場は生活向上に役立つ。しかし道徳を持たない。
合理的な選択肢を奪うことで厚生を高めることもありうる=人間の非合理性
快適な生活を送っている人々の選好を発展途上国に押し付けられない。
効用最大化と企業の利潤最大化動機。
特許に依る独占を守る
共有資源を確保する(フリーライダーを許さない)
=政府の役割
発展途上国は財産権や法執行に失敗しているが、余計な規制は山積みにしている。
民間はインセンティブを使って個人の行動を変える
ストックオプションは悪魔の道具。インセンティブにもなるし無責任にもなる。
創造的破壊は長期的にはプラスの力だが、短期的にはツケが回る。
教育に評価が伴わないので、逆選択が起きる
一般に経済学者は、後半で単純な税制を支持する。炭素税など。逆進性との戦い。
経済学よりNASAの仕事のほうが楽。人々がよい状態になるように行動することはわかっている。問題は、何が良い状態か人それぞれ。
外部性が大きいと解決できない。この場合市場による解決はできない。市場こそが問題。そこで法律による規制。
正の外部性もある。
法律で規制するより、税金をかける。ただしその正確な金額を決めるのは難しい。
うまく機能する市場経済のルール=財産権の保護、法廷が機能すること、インフラの整備
リバタリアンパターナリズム
惰性による選択を続ける。
良い政府は、市場経済にとって重要。政府の役割と市場に任せる部分の切り分け。
4,群はなぜ500ドルもするねじ回しを買うのか。から。
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who read:経済学を学んだ事がない社会人
when encounter:utaさん、mokさんの紹介
why:ニュースで見聞きすることな背景をわかっておきたいので、経済学の基本的なところは知っておきたい
what interest:
具体例や例え話がたくさん出てくるので
経済学の本を初めて読んだ私でも理解しやすい。
社会主義や途上国で資本主義が働いていない例は
逆に資本主義の浮かび上がらせてわかりわすい。
アベノミクスが何をやりたいのかが
少しわかった気がした。
以下のような面白おかしい表現がたくさんでてきたのが
印象的
(中央銀行が市中にお金を増やす説明)
ベン・バーナンキが新しく1億ドルを印刷して
装甲車に乗り込みシティバンクに乗り付ける?
・・・債権を現金(電子データ)に換えたにすぎない
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「経済」ではなく「経済学」の本だと意識して読むといい。個人的には、後半の人的資本の価値、インセンティブによる景況誘導、交易こそが貧困層を救うという点に、納得感が得られた。講演を書き写したかのような話し言葉で書かれているのでサラッと読み流すこともできる一方、一文一文を深く読み込むこともできる。学ぶことが多い、情報量の多い本だ。
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経済学で用いられる諸々の考え方が、日々の世界(文字通り、the world)で人々が行動する上で、いかに無意識に作用しているか、そして世界の動き方の根底を覆っているか、についての一般向け読み物。
市場の驚異的な効果、制度におけるインセンティブの大切さ、逆選択、行動経済学、政府の役割など、基本となる概念を、楽しいエピソードといっしょにバランスよく紹介している。
とりわけ印象的であったのは、愚かな制度によっていかに経済のバランスや公平が失われうるかという部分。といって、特に自由経済やリバタリアンの立場を強硬に主張するわけではない。政府の役割や、経済と政治の分担についてもきちんと説明している。
前半は山形が、後半を守岡が訳しているらしいが、そういえば、読んでいる途中でも、後半の訳文は前半と比べると微妙に生硬な感じがして、やや読むスピードが鈍るようであった。もっとも、テーマがミクロ経済のコア部分から離れて内容も少しだけ抽象度があがるので、訳文のせいかどうかはわからないが。