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そもそも子ども時代の男子にはハードルが高い本だと思う。思春期の少女の内面を赤裸々に描写している、などといわれると余計に構えてしまって、素直に取っつきにくいものだ。
そういう意味では、このテキストの解説である程度内容を把握でき、腰を据えて本体を読まなくても一通りストーリーがわかる。
テキストの著者で講座の講師は、作家の小川洋子さんだ。この「アンネの日記」が彼女を作家の道へ進ませたというだけあって、人一倍思い入れが強いようだ。
ただ聞いている方からすると、解説してくださる声が極端に裏返って、とても耳についてしょうがなかった。これは個人的な好みの問題なのでどうしようもない。
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著者が小川洋子さんということで、テキストも購入してみた。ふだんはテレビ視聴だけで済ませている。
アンネの日記を読んでいないので、そうなのか〜という驚きと感動をたくさん味わうことができた。入門書にもなると思う。
母との葛藤には身をつまされ、居を共にしていた少年との恋には、心がおどる。実物を読んだらきっと、アンネと一緒に一喜一憂できそうな、そんな予感がした。
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(2014.09.16読了)(2014.07.26購入)
「100分de名著」の放送は、昼の時間帯の再放送を見ているのだけれど、8月の放送は、高校野球と重なったり、見忘れたりで、第4回の分しか見ることができませんでした。
「100分de名著」で取り上げられる本は、半分ぐらいは、すでに読んだことのある本です。今回の「アンネの日記」も数年前に読みました。ついでに「童話」や支援者で『アンネの日記』を隠れ家から見つけて、父親のオットーに手渡したミープさんの本も読みました。小川さんのエッセイまで読みました。
したがって、今回は復習という感じです。
『アンネの日記』を読む前は、14歳の少女の日記が何で多くの人に読まれるのだろうと思っていました。人の日記なんか面白いわけがなかろう、と。
読んでみると日記というよりは、優れたエッセイといったほうだ妥当なくらい面白く読むことができました。人に読んでもらうことを前提に書かれたという事情もあるのでしょうけれど、著者の才能ということでしょう。
まだ読んだことのない方は、ぜひ読んでみることをお勧めします。
【目次】
【はじめに】 文学作品として日記を読む
第1回 潜伏生活の始まり
第2回 思春期の揺れる心
第3回 性の芽生えと初恋
第4回 希望を抱きながら
●三つのバージョン(57頁)
1944年の春頃、ロンドンにあったオランダ亡命政府がオランダ向けのラジオ放送で、終戦後に手記や手紙などの歴史的資料を広く集めたいと呼び掛けたのを聞いたアンネは、将来それに応えるべく、自発的に書き足しや削除を施したのです。つまり日記は、原形そのものである「aテキスト」、アンネの編集が加えられた「bテキスト」、そしてオットーがab双方に基づき編集し直した「cテキスト」の、三つのバージョンを有していました。
☆アンネ・フランクの本(既読)
「アンネの日記 完全版」A.フランク著・深町眞理子訳、文春文庫、1994.04.10
「アンネの童話」アンネ・フランク著・中川李枝子訳、文春文庫、1994.04.10
「思い出のアンネ・フランク」ミープ・ヒース著・深町眞理子訳、文春文庫、1994.04.10
「アンネ・フランクの記憶」小川洋子著、角川文庫、1998.11.25
(2014年9月16日・記)
内容紹介(amazon)
アムステルダムでユダヤ人狩りを逃れ、隠れ家で暮らした日々を綴った『アンネの日記』。歴史的な記録として高い価値を有するのみならず、母親への反抗心や性の芽生え、人間関係の機微などが克明に描写され、優れた文学作品として読み得る。作家ならではの視点で不朽の日記文学をひも解く。
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第2次世界大戦時のオランダで、ユダヤ人の少女が隠れ家の中で書いた約2年間の日記。
当時のユダヤ人の悲劇を描いた世界的ベストセラーとして有名なので、読む前は、「戦争の悲惨さ」がテーマの悲劇の少女の話かと思っていた。
でも実際は、13-15歳の少女が隠れ家という「非日常」の中で感じた日常的な感情(小さな喜び・家族への不満・恋愛感情・性への興味・将来の夢など)を鋭い感性で書いたところが共感を呼ぶ「思春期文学作品」。
NHK Eテレ「100分de名著」で紹介されていたので、TV番組の解説本も併せて読んだ。
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アンネの日記というとどうしても特定の文脈から読みがちになってしまうものの,純粋に日記という観点から読み解こうという視点は個人的には目からウロコ.つい大きな物語で語りたくなってしまう今だからこそ読んでよかったと思う.