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児童養護施設が舞台のお話とのことだったし、のっけから「~してあげよう」「子供たちのために」とか出てきたので、試しにざっくりその手のワードを勘定してみた。冒頭の『明日の子供たち』だけで15回オーバー(本当にざっくりで分類せずトータルで。カウント漏れも多分あり)。ああ、本当にムカつく。あんたら何様のつもりだ!
私は児童養護施設とは幸い(?)ご縁が無いのだけど、死別でシングルマザーを暫くやっていたものだから、その手のワードを口に出す人たちとの遭遇はあったわけで、その鬱陶しさは半端なく分かりまして。でも奏子を通してその言葉のどこがいけないのかを明解に書き、カウンターかましてくれた有川先生には感謝です。
その他、恋人未満の男女の友情、というより「同志」あり。これは有川節の一つですね。健在!って感じ。ラストもすごくすっきりとして明るくて「前途啓けてます!」って清々しい気持ちです。
あ、猪俣先生とアッコちゃんの感動の再会シーンは、私、電車の中でした。すっごい感動なのに、ウルウルしてるのに、電車の中で落涙は!と必死でこらえました。浸れなかったのが残念。
本当はね、『コロボックル物語』の後継になられて、100%そっちの路線に行かれるのかなと思ってました。こちらのお話もまた読めてホッとしました。今後とも期待しています。
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図書館より。ようやく読めた~!
この手の内容の本は、正直読まない。同情とかかわいそうとか思うから。
でも、有川浩だから。それだけで読んだ。
読んで正解。途中グッと心を掴まれる部分もあり、泣きそうになった。
子供への支援は未来への投資なんだと、気付かないと。子供を持つ親としては本当にそう思う。
そしてやっぱり有川浩は上手い。
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久々の新作。養護施設の話。自分の無知を確認することが出来て良かった。良く取材しているなあという印象。
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有川浩さんの最新本、早速買ってしまいました。
今回は児童養護施設設定の物語。
登場人物は少ないでず、相変わらず人物の描写が奥深いです。
著者は児童養護施設を舞台にしてずっと物語を書きたかったのかなぁという感じをこの本から受けました。
この本の気になる一文を記します。
"子どもたちを傷つけるのは親と一緒に暮らせないことよりも、親と一緒に暮らせないことを欠損だと見なす風潮だ"
まだまだ勉強しなくてはいけない事がありそうです。
本から得られることは多いです。
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有川浩のピュアな小説。子供なのにしっかりした考え方で大人顔負けの発言や大人同士の会話のやり取りも粋で心が温かくなる感じ。「福祉と奉仕は違う。応援団のようにいつも自衛隊の話が詳しく語られている。応援しているんだ福祉は職能であるべき。
久志と奏子のメールのやりとり。久志からタイトルには「おかえり」、本文は「ごめん」と一言。奏子からの返信。タイトルは「ただいま」、本文は「ごめん」。
いじましいといじらしいは、一文字しか変わらない。きっと、すべての恋はいじましさといじらしさがより合わさって出来ている。
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児童養護施設に暮らす子供達と職員達、児童養護に関わる人達を書いた一作。センセーショナルで悲惨で苛酷な出来事は起きず(子供達の過去は苛酷だけれども)、きっと養護施設の日常ってこんな感じなのかなぁと思えるようなお話だった。
毎日のように小さい子が親に虐待され、殺されるという痛ましく悔しく辛いニュースが伝えられるけれど、こういう本は本当に書かれる価値があり、読まれる価値があると思う。
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生産性で福祉を語るなという恨みは残るけれど、★五つをつけます。世間の耳目を児童養護施設や児童養護施設退所後の大人になった「元保育に欠ける児童」の施設に向けた功績は大きいです。
今回、有川浩にしては恋愛成分が少なめで、それも良かった点。この「明日の家」の子どもの生活がかかった物語に、大人の色恋はちょっとまぶしてあるくらいで十分です。
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児童養護施設「あしたの家」での半年間。
猪俣先生が魅力的だったなぁ。頑なに進学を推奨しない先生の、過去と現在の救済が泣けた。
90人入所という大所帯でも、登場人物がかなり限定されていた印象。その分、一人ひとりの過去を挟みながらのシビアであったかい作品になってた。
大きな事件とかはおきないゆるやかなお話だけど、それぞれの事情や想いがあふれた作品。
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養護施設についての知識は全くない。
だからといって可哀相とも思わないし、逆に親がいるから苦労する場合もある。誰しもそれぞれツライものはあるし、拠り所は自分自身が心を開ける人や場所を見つけるしかないのじゃないですか?
施設出身の人達のためだけに「ひだまり」のような場所を作るのもどうかと思われるし、みんながみんなそこを利用するとも思えないし…
ひねくれてるかなぁ
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待望の有川浩新刊!図書館で予約してやっと借りることができました。
児童養護施設のドキュメンタリーを見て、会社を辞め、職員になることを決めた三田村慎平。彼を指導する立場にある3年目の和泉和恵。陰気な感じで冷静で理論的だけど、実は熱いところもあるベテランの猪俣吉行。問題のないと言われる奏子と久志。
それぞれの視点で描かれた作品。
和泉と渡会のお話、アッコと猪俣のお話、感動しました。アッコが無事で本当に良かったです。
児童養護施設が舞台と聞いて、あぁ重そうだな…と思いましたが、読み始めてみると、有川浩さんらしい文章でスラスラと読むことができました。
大切に描かれているのは、児童養護施設に入る前ではなく、児童養護施設「あしたの家」に入っている子供たちが、どう生きるか、どう成長していくのか…を描かれていました。過去の入るきっかけとかは、過去のエピソードとして取り入れられていましたが、つらい描写は少なかったです。
私の周りには、施設育ちの子がいないので、あまりよく知りませんでしたが、よくドラマなどの映像化の舞台として取り上げられやすいですよね。施設育ちっていうと、三田村先生のように、やっぱり「かわいそう」というイメージが強くなってしまう自分がいたので、三田村先生と一緒に進んでいく感じがしました。施設に入る理由は、一人一人様々で、必ずしも親が亡くなったからとかではない。親が育てられないからという理由もあるということを改めて再認識させられました。
奏子のように、施設に入ったことで普通の生活を送れるようになった子供も沢山いる。
施設育ちだから、かわいそうな訳じゃない。ただ、不便なことはもちろんあり、独り立ちした時に頼れる大人がいない。普通の家庭なら、親に聞けることでも、聞くことができない環境にある。
私も三田村先生のように思っていたので、とても勉強になりました。
また、施設長の言葉、いいです。
ご本を読むのは素敵なことよ。みんな自分の人生は一回だけなのに、本を読んだら、本の中にいる人の人生もたくさん見せてもらえるでしょ。先生たちだけじゃなくて、本の中の人もヒサちゃんにいろんなことを教えてくれるのよ。
踏み外しそうなときに、本で読んだ言葉が助けてくれたりとか…
私も本はとても大切なものだと思っています。小学生時代、つらいことがあっても本を読んだらすごく明るい気持ちになれました。今でも本をたくさん読む習慣はなくならず、本が大好きです。
どこまでが実話なのか、わからないし、有川浩さんのあとがきもなかったのが少し残念でした。でも、有川浩さんが、すごく取材をして、心から言いたいことを綴った物語だということはよくわかりました。
とても心に響いた物語でした。もっといろんな人達に読んでもらいたいです。
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「かわいそうな話を読みたい」、との子供の要望にうまく応じることができず、同僚と「かわいそうってそもそも何なんだ…」と頭を悩ませたことが最近あった。
安易に同情したとしても、口に出すべきではない。とはいえ、同情心を分かりやすく示した方がいい場合もある。あー難しい。想像力を養うために読書をするのだ。
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実際の読者の作者へのファンレターから書かれた作品であり、その読者が指摘する通り、作者に取り上げてもらうことでスポットが当たったというのは、図書館とか地方行政の話など多々あるので、その狙いは的確だったのだろう。作者も流石にネタフリをうまく消化し、最近話題となったテレビドラマなどのネタを織り交ぜつつ、光の当たらない児童福祉の世界を啓蒙するエンターテイメント作品に仕上げているのは流石。それにしても相変わらず、作者は自衛官(自衛隊ではない)が好意的に登場するが、本作もなかなかのドラマチックな登場のさせ方で、自衛官にはたまらないだろう。
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かわいそうじゃない フラットに。でもよく見て。なにが必要なのか、要らないのか。
子供を相手にするのはほんとに怖い。さじ加減がわかんない。
三田村が自分だったら、と想像できるのは強い。わからなくなったらそこにたち戻って、少なくとも一人の正解にはたどり着けるから。
有川浩は県庁おもてなし課のときもそうだけど、効果について噛み砕いて教えてくれる。
ボランティアには限界がある。回していかないとね。
子供を相手にする身としては振り回されないことには身につまされるおもい
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とても爽快感のあるドキュメンタリー小説。いつもの恋愛甘々感は鳴りを潜めているが、返って事実を反映している感じがしていい。
児童養護施設。
物議を醸し出したドラマ「明日、ママがいない」に対する回答だと思う。
普通に生きているってことってなんだろう、ということを改めて考えさせられた。
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暗くなりがちなテーマなのにさすがは有川さん。
ちょっとジーンとしながら、ちゃんとおさまってくれるので安心して読めます。