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北区十条で起きた一家四人殺害事件。発生後半年以上経っても解決のめどが立たず、迷宮入りが囁かれる中、“自称小説家”の塚田慎也は遺族から奇妙な依頼を受ける。「この事件を調査してくれないか」―。以前、同じく未解決の資産家夫婦殺人事件のルポを書いたことから白羽の矢が立ったのだ。百舌の早にえ、車椅子の老人、ピエロのマスクをかぶった男…二つの事件に奇妙な共通点を見出した塚田は、あるアイデアを思いつく。遺族をキャストに、事件現場で再現劇を行うことで犯人をあぶり出すのだ―。ミステリー界の特級幻術師が送る「○○者」シリーズ最新刊。
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自称小説家の塚田慎也の視点で書かれた章と、彼が書いた侵入者Pierrotの脚本に則って事件現場再現激を演ずる関係者たちの様子が描かれた章とが織り交ぜられている。誰もが犯人に見えてくるし、そこここに思わせぶりなヒントがちりばめられているようにも見えるのだが、一体どれが真実なのかなかなか判らなくてもどかしく、なおのこと興味をそそられる。誰の言葉を信じればいいのか。ピエロのマスクの効果が、ちょっとどうだろうとは思うものの、ピエロであることが凄惨な現場にあってなおのこと気味が悪い。なんだかまだ事件は続くような薄気味悪さが残る一冊でもある。
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再現劇で推理するという荒療治に、どんな必然性をもってくるのかと思いきや、無理矢理なこじつけと、いっちゃえいっちゃえのノリで押し切られ、この辺りからバカミス度は急加速。解決は…する。が、あくまでも再現劇中での解決なので、これが本当の真相なのかどうか確証が持てないことにイライラ。しかも真相にお得意のサプライズはなく、逆に稚拙な着地なので余計にがっくりするんだわ。
ふたつの未解決事件がリンクしてると思わせる前半部分は面白かったのに、後半は完全にぐだぐだで、何をしたいのかよくわからん。折原ミステリは車酔いのぐらぐら感が心地よいのだが、本作品はただの悪酔い。ピエロ恐怖症を再認識したヘンテコなお話でした。
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クリスマスイブの夜に起こった一家殺害事件。それを題材に作品を書こうとする「自称小説家」。過去に起こった別の事件との関連を浮かび上がらせつつ、徐々に明らかになる事件の真相。そして「事件の再現」によってついに明らかになる犯人の正体。
今回は結構ストレートな印象でした。とはいえ、すぐに看破できる真相ではなかったのですが。皮肉で、なんとも言えない結末が印象的。
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【一家強殺事件を、再現劇で推理する?】自称小説家の塚田は未解決の一家強殺事件を取材し、遺族をキャストに迎えた再現劇で犯人を推理する。トリックの魔術師の最新長編。
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犯人は◯○○というミスリードからの思い込みでラスト付近まで真相に辿りつけませんでした^_^;
途中で記述的に矛盾した文章があったのが残念。
重版の際には訂正されているのかなあ。
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折原さんの小説には捻りすぎていて逆に引いてしまうものもありますが、これもその一つ。
実際のあの事件をベースとして書かれているのはすぐわかりましたけど真犯人は?!どうなんでしょうね~
ミスリードも多々あり、フィクションとしてはおおむね楽しめました。
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前半は同じ内容の繰り返しで、後半の再現に期待するも同じ流れで何度も読むのをやめようと思った。が、最後の結末は意外で終わり方も思わせぶりで評価は上がった。でもそれにしてもそこに至るまでが無駄に長すぎうんざり。
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自称小説家の塚田慎也の視点で語られる第1部と、再現劇「侵入者」を中心とした第二部で構成されている。
未解決となっている「板橋資産家夫婦殺人事件」と「柿谷一家殺人事件」。
「板橋資産家夫婦殺人事件」について自分なりの解釈を綴った小説を自費出版した塚田は、その縁で「柿谷一家殺人事件」の調査を被害者縁者から依頼される。
垣谷自身が事件当夜に目撃したピエロの面をつけた男。
事件現場に残された証拠品の数々。
ある仮説をたてた塚本は、再現劇として「侵入者」のシナリオを書きあげる。
折原さんの物語を読みなれているので、「そうそう、これが折原さん!」と読みながら思っていた。
予想を大きく超えた事件の真相には、思いがけない結末が待っているだろうとわかっていたのに驚いてしまった。
「~者」シリーズの中でも好きな一冊となった。
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気取らない文章、頑張りすぎずに楽しませるところが好きな小説家。
登場人物たちも様々いて面白い。アンバランスなのに仲が良く、偽装離婚しても家族の結束が壊れない妹夫婦、理想の少女と思いきやずいぶんすれっからしなお手伝い。
ただ、実際にあった一家殺人事件をもとにしてるから、「面白い」とか言えない。遺族のことを思うと、ここまであからさまにモデルにしておいて、何かを感じさせるならまだしも、ただ楽しませるのはいかがなものか。
しかし、著者らしくあくまで現実の事件に着想を得たフィクション。この小説だけの真相に圧倒される。しかし、遺族のことを思うとやはり勝手にこの物語を作ってしまうのは不謹慎ではないか。
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「侵入者 自称小説家」
昔小林少年シリーズとかこんな絵柄だったな。
売れない小説家の下に、迷宮入りが騒がれていた事件の被害者である身内が、犯人探しを依頼する。警察と身内が出す計1000万の賞金と犯人探しを書いた小説を出して良いと言う好条件。金と今後の仕事に繋がるとあれば断る理由は無く、小説家は依頼を受けるが、徐々に怪しい奴が動き出す。
あらすじはこんな感じ。で、怪しい奴として、度々ピエロが登場する。迷宮入りになりそうな事件の現場ではピエロが目撃され、小説家が唯一自費出版したある事件を題材にした小説でも、ピエロが登場する。更に、迷宮入り捜査でも、ピエロの面が使われる。
売れない小説家の作風として、怪しい存在=ピエロという手法を、他にも踏襲していると思われる。つまり、ピエロをマークしておけば、誰が犯人なのか?分かるはずなのだ。
だが、まあ全体的に長々と続く。これが結構ボディーブローで効いてくる。犯人に迫ってるんだか、遠のいてんのか、牛歩戦法に苦しめられた。テイストだけを見たらミステリーぽくなってるけど、とにかく牛歩な歩みなので、小生はノックアウト。何度、鬼滅の刃を見たことか(いやぁ、めっちゃ面白いし、クオリティの高さよ!音楽も良いし、劇場版が待ちきれない!)。
ラストに関しても、これのために、長々とあったのかと首を捻ってしまった。これかよ〜!となること請け合い。
ピエロの扱いも何とやらだ。怪しい存在としてと言うより、怪しい武具だったというのが個人的な結論。マスクが外れなくなるという会話が終盤に出てくるあたり、結局は被って人格変わったからって訳ね、と思ったのだが、この結末ってどうなのよ?と又々首を捻って、髪をかいてしまったのです。
総括としては、ミステリーのテイストは保ちつつも、淡々と長々と続くストーリーラインについていけるか?ここがライン。少なくとも、〇〇家シリーズだと覆面作家の方が断然面白いと思いました。
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折原さんの作品にしてはなかなか進まず、読み終わるのに時間がかかった。登場人物や舞台が限られていることも影響しているのかも。後半の脚本のところは、さらっと読んでると何が現実で何が脚本か混乱してきた。真犯人にはあまり納得できず。
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実際の事件をモチーフにする○○者シリーズを読むのは3作目だが、なんだかパターン化されてしまった感があり、途中でちょっと飽きてしまった
犯人も、特に驚きがなく、まあ犯人ぽくない人で辻褄合わせるためにはそうするしかないよね、と思った。
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「〇〇者」シリーズ。自称作家が一家殺人事件の調査を依頼され事件現場で再現劇を行い犯人をあぶりだす。世田谷で起きた一家殺人事件が元になっています。折原さんは好きなのですが、これはとても読みづらくて流し読みしてしまいました。