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俺様な攻めが万事控え目な健気受けの愛を確かめようと四苦八苦
2018/05/07 08:07
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投稿者:tix - この投稿者のレビュー一覧を見る
全3巻の中華風ファンタジー。攻め受けどちらの視点もあります。
リンクスロマンスで刊行されていた作品の文庫新装版。
時代物らしく秀麗で気品のある文章で美しい情景や心情が描写されていました。
内容は…
戦に勝った国の太子が、負けた国の盲目の公子に惹かれ、
無欲で不遇で美しい公子の静かな態度に勝手に振り回されて、
『もっと俺のこと好きになってくれ!それを態度に出してくれ!!』
ってあたあふた足掻くお話。
俺様な攻めが健気受けの愛を確かめようと
四苦八苦する姿には非常な満足感を覚えました。
攻めが受けにベタ惚れなのがよく伝わってくるのでニマニマします。
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良かったです。攻と受の性格が両極端で面白かったですね。 その分攻は受にイライラして辛く当たるところもあるんだけれどね。 それにしても一冊にすっごい詰め込まれていて山場がいっぱいの割りにあまり感じさせない運びでした。 あまり感情を見せない受だけれど、切ないところもいっぱいあってとっても気に入りました。 それに攻の激しい愛情がすごく好き!思うようにいかない相手の気持ちと自分の気持ち。 それでもすこしでも受の表情の変化がみたいと必死なところが可愛くて良かったです。
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ノベルス版で読んで良かったので。また、文庫版では書き下ろしもあると聞いて。雰囲気と言い、全体を通して筋が通っているところと言い、やっぱり好きだわ、この話。書き下ろしの『明月之詩』は本当に短い話だけれど穏やかな話なので微笑ましいです。
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一気読みしました。黙々と読んで、攻め太子の月心かわいさのあまりの職権濫用ぶりにくらくらしました。この太子、月心を好きすぎる。最初はなんだこの人傲慢だなあと想っていたのに、読み終えるころには「ちょっとかわいいじゃねーの……」と月心に会えなくてつらすぎて枯れそう、と嘆く姿にきゅんとしたりしました。
なんだか愛しいおひとだ……その情熱のままに健気な月心を大事にしてほしいです。
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舞台設定もキャラクターも丁寧に書かれていて、とても素直に話の世界観に酔うことができました。ただ重厚な歴史的背景はあるのに攻と受の恋物語にだけ焦点を絞っているのは、BLだから仕方ないのかもしれないけど勿体ないとも思ってしまった。もっと色々事件とかあってもいいような。
恋愛ものとしては色気のあるお話でした。続編にも期待。
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読み応えあり、しかも面白かったです。
全三巻の物語ですが、私は書店でたまたま二巻を買って読んで面白くて、初巻と完結巻は通販で購入。
今回は初巻を読みました。二人の出逢いから結ばれるまでを描いています。
相変わらずの端正な文章で、作品から漂ってくる気品のようなものがあり、とても好きです。
ただ、一つ気になるのは、皇太子太牙の俺様ぶりでしょうか。第二巻を読んだときはそこまで気にならなかったけれど、どうも今回は私的には鼻につく―という言い方は失礼かもですが、実はそれくらい気になったんです。
亡国の公子である月心を皇太子がこよなく大切に思い、また愛しているのもよく伝わってくるのですが、どうもこの皇太子は「愛しているから、何をしても許される」的というか、激情に走り過ぎてしまうところがあり、その度に涙を流すことになる月心を見ているのが読者としては辛くなる部分がありました。
そんなことを感じたのは私だけでしょうか―。
月心が女性であったれば、何の問題もなく皇太子の妃となれるはずですが、男性ということで二人の関係はどうしても正式なものになることはできないのが残念です。完結編では、どうなるのか。二人の関係はどこに行き着くのか、不安なような楽しみなような複雑な気持ちです。