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投稿者:ゆん - この投稿者のレビュー一覧を見る
『その花の名を知らず』を読んでから再読。主人公の名前に相応しく、春に始まり、春で終わる。季節の草花や食べ物なども美しく描かれていて再読でも面白く読めたし、発見もあった。ほとんどの物語には、天神が巧妙におりこまれている。童歌、枇杷の仁、雷、雨、瓜、水神祭り…六月一日は瓜に由来する名前でもあるらしいし、件も一見関連がなさそうだが、予言する半人半牛の名前で、牛は天神の使い。天神は雷神で、雷は蛇だから、この頃から既に『その花の~』の蛇づくしの片鱗があった。はっきり蛇と書くより、雷だったり、瓜だったりする方が好みかも。
桜生らしき男の「裏と表で一頭」という言葉に、ふと羽ノ浦は羽の裏で、表と合わせて一人なのかと思った。そして、虫という漢字のくくりでみると、蝶や蚕、その他の虫たちもみんな蛇の仲間。
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あー…長野さんの作品の中で一番好きかもしれない…
猫道楽ほどは生々しく描写はないけど、猫道楽的なノリ。男色一直線。
妖みたいなものとよく交わる青年のお話。世にも奇妙な物語みたいな感じがする。
柾や浜尾がいいキャラだなあ…桜蔵に色々ちょっかい出す大人たちいいわ…
あと設定が素敵相変わらず。宿の息子とか古風な雰囲気とかいいなー。
嫌う人はとことん嫌いそうなお話だけど、長野さんにしてはめちゃくちゃ解りやすくて、色っぽくて、楽しかった!
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さいきんあらすじざっと読んで本文読んだらほもだった!ってことが多い^^;何度もいうけど嫌いじゃないからいいんだけど・・・
内容としては左近っていうお宿のこの桜蔵くんが幻の男の人たちに妙に好かれてとえっちな展開になっちゃうってかんじ(桜蔵くんは女の子のほうが好き)
なんかねーあんまり好きじゃなかったというか文がよくわかんなかった・・・
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「新世界」を読んだとき、ハミがなんなのか、どんな仕組みになっているのか、さっぱりわからなかったんだけど、不思議な色気があったのが印象深かったけど、この物語も不思議な色気?があると思う。
まさに奇譚そのものという雰囲気は結構すきかな。
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持て余してしまう。
拾ってくるのが、妖しでよかったものの。
「白昼堂々」らにあった、淡いものがない。
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槙が良い男過ぎて、主人公・桜蔵と本題そっちのけで、父だけを見てしまう(苦笑)
単行本で、3巻が出ればいいと思うが…、大学生は書かないだろうなぁ。
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解説にも書かれていましたが、読みやすい文体になっていた感じがします。
長野ワールドはあらゆる意味で変わらずですが、取っ付きやすくなった分だけ軽くなったと思う人もいるかもしれません。
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最初の方は、なんとなく乱歩っぽいな、と思いながら読んでいた。黒蜥蜴とか、妖しい雰囲気がそれっぽいかなと。読み進めたら全然違ったけど。
短編集が苦手なので、買ってから失敗したなと思ったけど、なかなかだった。平たく言えば本人無自覚な男娼(仮)の話なんだろうけれど、直接描写が無かったから、変に気をとられずに、普通の文学作品として読めた。
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相変わらず日本語が美しい。妖の類にいつも翻弄され、事の後に適当な場所に放置されてる桜蔵にちょっと笑った。
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「あめふらし」などと似た感じの、この世ならぬものと現世の、時間と空間が“糾える縄のごとく”に交わった世界。
BL世界は嫌いではないのですが、“この単語は好きではない”というのがある。
それが出てくると少し嫌悪感を感じるのですが、全体的には好きな世界。
解説にあった『柾パパは人気』という記述…
これにも少し嫌悪を感じます。
萌えを他者と分かち合うのは、実はそう簡単ではない。
多数派でなければお付き合いできない、という同人的世界には、少し面倒なものを感じます。
普通、小説はそういった読まれ方はしないのでしょうが、この作者の作品が含む男色的要素が、そういったファンを呼び寄せているのでしょうか…
私は、自分一人で楽しむだけにとどめたいと思います。
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美しい日本語と幻想的な雰囲気が素敵でした。
その中で漂う妖しい官能にずぶずぶと惹き込まれる。
特別に面白い!という訳じゃないのに目が話せなくて、いつの間にかページが物凄く進んでいたりしました。
妖しいものは妖しいまま、完結の形で終わらないので最後までモヤモヤです。続きがあればいいのに。
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久しぶりに新刊コーナーで長野まゆみを見つけ、表紙とタイトルに惹かれて購入。
少年の話が多かったイメージの作者だが、しばらく読まなかった間にそこから離脱したらしい。
同性愛関係がちらほら出て来る(なにせ主人公の家の家業が連れ込み宿である)ので、苦手な人は注意。
とはいえ、昔から作者の本を愛読している方には無用な注意か。
夢と現、この世のものならぬ存在が自然と絡まり合い読後感はフワフワしている。さすが。
タイトルに桜が含まれているが、秋の夜長に読むにもうってつけ。
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「BL」みたいな作品を書くようになられたのだなぁ…と、寂しい気持ち。和の雰囲気は好きだし、硬質な質感も美しいとは思うのだけれど、今ひとつ世界に入りこみきれなかった。妖艶さについてくる生々しさに中途半端さを感じてしまった。
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タイトルにつられて買ってきた一冊。この人の作品初めて読んだけど、この世界観すごく好き。
時間と空間の間にたゆたっているような、描写される花の香りまで漂ってきそうな、幻想的でやわらかくて穏やかなのに、どこか危うい空気感。
言葉選びも、綺麗。
和テイスト満載なのも好きなところなんだろうな。
私、普段こういうファンタジーっぽいのってめったに読まないんだけど、これは良かった。
久しぶりに☆4.5コあげたい感じです。
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隠れ宿「左近」の長男・桜蔵(さくら)と、彼に惹かれたあやかし達との短編集。
男同士の云々がテーマなので、ひとを選ぶとは思います。この方の作品は初めてでしたが、とても綺麗で品のある日本語でした。
桜蔵の放つ、危うい色気が凄い。何度表紙を見返したことか。あやかしや大人の男達との対比も素敵です。なされるがままの頼りなさが、散るのみの桜と絶妙に合ってる。