紙の本
何もここまでオンナを否定しなくても。
2017/12/27 22:50
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
もともと気になっていた作家さんです。
「昭和の犬」を読んで、おかわりを探していたところ出会いました。
率直にいって自分の趣味に合わない部分がありましたが、
フラットに見れば衝撃のある作品であることは間違いないです。
さて。
表紙と裏表紙の紹介文は何とかならなかったのでしょうか。
読後の印象と焦点が合う場所がずれています。
濃厚恋愛系はどちらかというと苦手なのですが、読んでみたら
直球系の恋愛小説と感じました。自分の感性が、
実はずれているんじゃないかと冷や冷やしております。
ただし、この本は恋愛要素のほかにもっと目をみはる
側面があります。オンナというものに対するコンプレックスが
強烈すぎて圧倒されます。
実はそこが読み続けられる原動力となりました。
言葉の選び方ですが、わたしは男子・女子という言い方を
あまりしないようにしています。
それこそ中学生の頃まではなんとも思っていませんでしたが、
自分の年齢が上がるにつれ、子どもっぽさと、相手に対する
優越感みたいな心持ちが透ける気がするようになりました。
言葉そのものの問題ではなく、使う自分の年齢との
マッチングの問題です。
まして、オトコ・オンナみたいな訳知り顔の表現は
もっと抵抗があります。
論外ですが、会社のオンナノコなんていうオヤジどもは、
聞いているだけでおえーっとなります
(本当にいう人がいるんですよね、いまだに)。
でも、でも、この物語は「女子」「オンナ」と書くしかないような、
生々しい気分になりました。不本意ではありますが。
小学二年生の女子たちの集まりから物語が始まります。
グループ化、和を乱す者への仕打ち、呼び出し、軋轢、力関係。
読んでいて気分が悪いです。
女子に対する幻想を、力ずくで剥ぎとろうとするかのようです。
小学校高学年・中学校と話が進んでいきます。
女子は男子の幼稚さに辟易し、それをいなす術を身につけて
いくのが分かります。
そして自分があしらわれているバカ男子だったことを思い出して、
またしてもずずーんと気持ちが滅入ってきます。
そんな中でも救いのある登場人物がいて、読み進める
こちらも何とか泥沼を這いながらついてくのですが……
予想もつかない事件が起こります。
> 恋とは、「墜ちる」もの
どうにも受け入れられません。
というか、理解できません。
そんな心理状態になるにも関わらず、後半は一気読みでした。
謎です。
あの頃、自分はあの立ち位置だったよなと妙にリアルに
思い出させる小説です。
大恋愛した人には、夢が思い出せていいかもしれません。
黒歴史の人にはどうかな……
投稿元:
レビューを見る
小学校〜中学校時代がメインであること、群像劇から、やがて一組の男女に視点が絞られていくこと、などなど全てにおいて新しい恋愛小説という感じ。久々に、この人のほかの作品も読んでみたい、と思えた。
投稿元:
レビューを見る
【森本隼子、14歳。地方の小さな町で、彼に出逢った。ただ、出逢っただけだった。雨の日の、小さな事件が起きるまでは。苦しかった。切なかった。ほんとうに、ほんとうに、愛していた―】
切ない話でした。。
最初はただたんたんと読んでいただけでしたが、話が進むにつれて切なくなりました。
そして最後は予想外の展開に「良かった〜」と泣いてしまいました。
投稿元:
レビューを見る
自分が中学の頃はどんなものに興味を持って過ごしていたか、<あの先輩が好き><あの先生が好き>という中身を友達同士でささやきあい、それ以上のことは期待せず、好きな人の前では、うつむいて、こんなチャンスはそうないのに、はにかんでいただけだった。大人になればそんなことを忘れてしまう。本当にあの頃は馬鹿だった。
投稿元:
レビューを見る
これは、すごい。そこらのエロ本よりずっと「いやらしい」。田舎という狭くて冷酷なサロンとねっとりした京都弁が物語の土壌をつくりあげている。隼子は早熟というか、激しく妄想癖なだけで普通の奥手な女の子だと思ったし、河村も本当にどこにでもいる普通の男(23歳というと中学生からするとすごく大人に感じるだろうけど、成人したからって子供っぽい部分がなくなる訳ではないのは今だからよく分かる)なのに、あんな偏狂的な関係になるなんて半分唖然とした。いつから「愛する」ようになったのか、それすら分からないほど凄まじいスピード。これが、「墜ちる」ということなのか。悪女のお手本小山内先生と、すごく素直に嫉妬に狂った三ツ矢くんが愛しく思えた。解説によると、あの(意図的な)陳腐なラストに苦笑いできない私は「まだまだ若い証拠」だそうです。悔しい!
投稿元:
レビューを見る
恋愛にはまってしまう様。そして中高校生時代にある性への興味と拒絶反応の様が、何だかとてもリアル。いつの間にか引きずり込まれた。青春の清清しい小説はたくさんあるけれど、青春のどくどくしい小説は、なかなかないと思う。
投稿元:
レビューを見る
小学2年生から始まるんですが、本題は中学生になってからです。だからそこまでが長く感じられました。中学生と先生の恋愛(?)話を軸に、主人公の同級生たちの恋愛話も交差していく・・っていう感じ。帯で書いてあるよりも切なくなかったなぁ・・・
投稿元:
レビューを見る
小学生の頃から社会人になるまでの恋愛模様。今まで読んだ本では時間の流れを多少しか感じなかったが、今回の本は時間の流れをリアルに感じることが出来ました。ただ、帯に書いてあるほど絶賛は出来ませんでした。
投稿元:
レビューを見る
ココロガイタイ。思わずそう言ってしまいそう。愛って何!?恋って何!?考えずにいられない。多分、5年後、10年後に読んだらまた感じる気持ちも違うと思う。それでもとにかく、各書店で「最後の2行を読みたくて再読しました」と紹介されている理由はわかる気がする。
投稿元:
レビューを見る
恋に「墜ちる」とはこういうこと。
カテゴリ的には恋愛小説になるんだろうが、多分そんな簡単に言い表せられない。
小さな閉鎖的な田舎町に育った少女の恋を描いたもの。ただよくある少女マンガのような甘く切ないドキドキラブストーリーなんてものではなく、(相手が教師のせいもあるが)生々しく性を味わい、苦悩し、常に隠れて、それでも恋に「墜ちて」いく二人の話。そんな二人の恋愛が読んでいてとてもせつなくなる。
投稿元:
レビューを見る
この本がきっかけで姫野カオルコという作家の存在を知りました。作者初の長編恋愛小説ということもあって、途中飽きがくる場面もありましたがラストがよかった。かっこよすぎ。ボクもこういうシチュエーションで告白されたいものです。
投稿元:
レビューを見る
恋愛小説、そして群像劇、そして話を進めるのはちょっと妙にコミカル?な第三者的誰か・・・「ヒメノ式」の好きな人にはたまらない話だと思う。 登場人物が関西系の喋りなので関東系の人はちょっとダメかも・・・ いろんなモノを消去してもどうしても消去出来ないモノを手にしてしまった二人、その周りをとりまく何処にでも居そうな「個性的」な人達、その軸となる二人が出会う前から長いお話。
投稿元:
レビューを見る
誰かを好きになって嫉妬を覚えることも出来たんだろうか。痛いくらいに想う体験なんてしたことがないというのが悲しいところ。だから三ツ矢のあの嫉妬に染め上げられた行動は、少しばかり眩しいようで嫌悪も抱く。ううん、何というか。リアルな描き方というか、中学生の悪意はああいうのなんだろうなあ、なんて他人事のように思ってしまった。ラストに安堵。
投稿元:
レビューを見る
最初は特徴ある書きかたに馴染めず読みにくかったけど、だんだんはまっていった作品。
途中からストーリーが二人の男女に絞られていくあたりからどんどんおもしろくなる☆
あとがきや解説もおもしろかった。
登場人物と一緒に時を重ねていっている気がして楽しかった。
投稿元:
レビューを見る
少女の小学生時代から大人になるまでを描いた話。
最初はただのエロい本かと思っていたが、ラストにさしかかるにつれて、とてもせつなくじーんときた。