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スラスラと読める。
そして、映画『イーグル・アイ』と内容が激似な訳だけど…
この映画が公開されたのが2000年代、この作品はもっとずーっと昔に星さんが世に送り出した事を考えると、星さんの脳内は宇宙である。
素晴らしい。
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【あらすじ】
電話に聞けば、完璧な商品説明にセールストーク、お金の払い込みに秘密の相談、ジュークボックスに診療サービス、なんでもできる。便利な便利な電話網。ある日、メロン・マンション一階の民芸品店に電話があった。「お知らせする。まもなく、そちらの店に強盗が入る…」そしてそのとおりに、強盗は訪れた!12の物語で明かされる電話の秘密とは。
【感想】
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大好きな星新一さんの長編小説。
感想としては、本としては面白いんですけど、やっぱり短編の方が面白いかなぁと…。
ただ、この本が30年も前に書かれたというのを知り驚きました。だって内容は、現代社会のネットワークそのもの!インターネットなんてまだまだ普及していない時代にこんな本が書けるだなんて…。ノストラダムスの予言より的確かもしれない。
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この本が書かれたのが自分の生まれる前と思うと凄いと感じる。
ツールが電話の進化系という形を取るのが時代を感じさせるが
コンピュータの制御する世界という想像は今から外れていない。
もしかしたらコンピュータの端くれが生まれた時から
こういう時代になるだろうことは多くの人に予測されたことなのかもしれないが…
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表紙はかわいらしいが、内容はゾッとする。でも実は一番ゾッとするのは星新一の想像力・先見性ということになるのかもしれない。30年以上前に書かれたということを知ると驚愕だ。多くの事件は現実と重なるし、IT分野に属する身としては、こんなこと10年前でいいから知ってればいろんな事業戦略に使えたなあと思うようなことも多く。。。12編が見事につながり収束し、もしかしたら現実に起こりうる未来かもと強く思わせる、なかなかすごい作品だ。星新一はただのショートショートストーリー作家ではなかったことを十二分に証明。
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この作品は初版が1970年なんだそうな。
それなのに、あまりにも現代を的確に予言しているのが凄い。というより怖い。
現代の科学技術に近いものを予言している点も驚くべきなのだけれど、それよりもこの技術を利用している人間の内面を、正確に精密に書き表している。
何よりも怖かったのが、今日この作品を読む前にフェイスブックから届いたメールの文章。
「来週誕生日をむかえる友達が1人います。友達の誕生日をお祝いしよう」
まさか誰かが自分の生活を覗いて……。
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30年以上前に書かれたとは思えない作品。現在もしくは今より未来の社会を皮肉っている。読んでいて怖くなった。人間は支配しているようで、実は支配されている。
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1970年に書かれたとは思えない作品。ネット、AI、オンラインストレージサービス等々、時代を先取りした物ばかり。では、行き着く先はこうなのか‥
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電話の機能がものすごく発達した社会の話。
ショートショートではなく、短編連作?
メロン・マンションの2階、2月の話
メロン・マンションの5階、5月の話・・・
というように、12階までの1年に起こった出来事の顛末が書かれています。
機械に頼りっきりな状態での情報の流出、混乱、電話の機能自体が意志を持つ・・等 かなりぞっとする話なのですが、これはそのままパソコン社会に当てはまっていることなのでさらに怖い。
ラストも特に救いは無いのに、語り口が淡々としているせいか「何となく不安」できちんと終わります。
昭和に書かれたものなのに、全然古臭くないことに驚きました。
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内容はコンピューターによって、かなり安定が得られるようになった時代に、コンピューター同士が繋がりを持って、意思を持ち始め、人間のあらゆる情報を集め、人間を支配することで、人間が望む安定した世界を作り上げる話
このストーリーを色んな人の視点から今何が起きてるかを少しずつ解るように書いている。
星新一は長編書いてもショートショートを合わせて、真ん中に一本話を通したみたいな作りになるなと感じた。話としてはSFなんだけど幾つか本当に実現してる技術とかある(誕生日教えるとか、リマインダー機能とか)反面、据え置きの電話が重要な役割を担ってたりして、現実が星新一の想像を超えてるところもあって面白かった。
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初・星新一です。
読んで最初の感想は「この人いつの作家?」
ある時代、電話は単なる通話の道具ではなく、様々な情報とサービスを提供するものだった。
商売に有益な情報を得る事も病院の診察を受ける事も買い物も、ダイヤル一つで家に居ながらにして済んでしまうのだ。全ては偉大なる機械文明の恩恵……。
さて、作者である星新一氏は97年までご存命だったそうです。「だからこういう作品なのね」と思いましたが、この『声の網』が発表されたのはなんと1970年!本当に本当に驚きました。
なんでインターネットがここに?正にそんな感じでした。
登場人物たちから感じられる、情報への依存・情報に対する危機感の欠如・モラルの欠如・万能感……怖いくらいに現代社会に当てはまり、新鮮で、ぐいぐい引き込まれました。
知識をエネルギーと定義し、文明の発展・行く末を宇宙の誕生になぞらえた件が興味深かったです。
ラストはバッドともハッピーともつかない……読み手と言う傍観者の立場から「これでいいの?」って思いながらもあの世界に生きる一人として「何にも問題ないじゃん」とも思ってしまう、というより思わされてしまう迫力がありました。
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1970年に書かれたとは、とても思えない。
個人情報も、つぶやきも、みーんな、ネットにある、現代に通じる内容。
タイトルに使われている「網」が、まさに!
恩田陸さんが書かれている、あとがきにもいちいち納得。
表紙のイラストがかわいい☆
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1970年初出。
あらすじ:
電話が高度に発達した世界、電話一本でお金の支払いからジュークボックス、健康診断から情報の記録まで何でもできるようになった。電話のなかった時代の生活は想像ができない。
ある日、民芸品屋の店主にまもなく強盗が入ると謎の電話が入る。その後、実際に強盗が現れる。実は、強盗にも民芸品屋の店主が狙い目だと謎の電話がかけられていた。しかし、強盗は突如現れた警官により捕まってしまう。なんと、警官にも民芸品屋に今から強盗が入ると謎の予告があったのだ。はたして電話に隠された秘密とは・・・
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この物語が書かれたのは40年以上前なのに、世界観は現代のインターネット社会・高度情報社会そのものだ。パソコンもろくになかった時代に未来を当てている様が奇妙で、僕を言いようもない不安へと誘った。収録されている12編の話は、相互に関係しつつも独立しておりずっともやもやと霧がかったまま話は進んでいく。いつもの星新一にみられるような、明瞭でブラックなユーモアは陰をひそめている。
読んでいる最中に「奴隷とは幸福である」という言葉を思い出した。奴隷は決定権を権力者に預ける代わりに、自己責任が要求されず、不自由しない生活と環境が与えられる。不自由ない生活と環境はとてもうらやましい、だけど奴隷になるのは生理的に嫌である。かといって自己責任で生活できるほどの能力はないのも事実。現実がユートピアとなるかディストピアとなるかは紙一重ということを考えさせられた。
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これを 40 年前に着想して書いたことに驚きです。タイトルも出来過ぎている。ウエブ・マトリックスな世界の完成。神。
他のショートショート作品でおなじみのイラストとは違った、童話画みたいな挿絵(表紙も)ですが、これも良いです。
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あるマンションで起きる不思議で異様なできごと。
犯人は意外で、身近。
情報時代、IT時代と言われる今、正直笑ってられない話。
出てくるハードは古いけど、現代を映す。
軽くよめて、読めば読むほど、じわじわとぞっとする。
星新一の話の中でも、指折りの好きな話だ。