紙の本
外来魚を食べる
2018/09/11 17:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かと厄介者とされる外来魚。
でも、案外、食用として持ち込まれたものも多かったりするんですよね。
そんな外来魚を実際に食べてみたという本です。
紙の本
「食用」だったのなら食べられる。
2017/08/31 18:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
食用としてあるいは趣味用として日本に導入されたがいつのまにか邪魔者になっている「外来魚」。本書はその「邪魔者」を「だったら食べてしまったら?」と実際に捕獲・調理・味見を試した体験記。
抱えるほどの魚を手づかみにしてみたり、丸焼きにしてみたり。豪快な冒険譚のような部分、捌き方や調理法の詳細。歯の構造や鱗などについての解剖学みたいな説明もあってなかなか内容は豊富である。文章も軽快で楽しく読める。結果は「上等」もあれば「調理法を考えねば」もある。「ほどほど」というのが一番笑えるだろう。魚の話なので「釣り方」もかなり書いてあり、それも面白い。
外来魚として導入された経緯などを読むと人間の身勝手を感じたりもする。食用として導入時には「おいしくない」と言われたものでも、日本的な食べ方に合わせようとするから無理があったのかもしれない、というような文章もあった。原産地で普通に食用とされているものなら、現地の調理方法を参考にするのは当然と言えば当然かもしれない。エスニック料理などは普通になってきたので、原産地風の料理にしてもう一度「食用」に復帰させるのはどうだろうか。
出版は2014であるが、本年2017年になってもテレビなどで「外来種を捕獲する、料理する」などの話題が出る。状況はあまり変わっていないようなので今一度本書を開いてみた。ウェブサイトの連載を楽しく読んでいたので、まとまって読めるのが嬉しい。
おもしろい、と試したくなる人が多そうな文章だが、著者はちゃんと「注意事項」を書いている。寄生虫の問題や漁業権の問題など。実行する方はくれぐれも怠りのないように。
投稿元:
レビューを見る
平坂氏…、痩せればイケメンなのに最近何故かどんどん太ってる(笑)
面白かったです!
平坂氏のネット記事は大体読んでたので、本で読み直しても新鮮味無いかも…と思いきや、楽しいです!
ネット記事では文字が多いと読みづらいので、かえって本向きの人かもと思いました。
ネットではカラーの写真が白黒になってるのも、気にならなかったです。むしろそのお陰で少し美味しそうに見えたかも(笑)
ちゃんと巻頭にカラー写真もあります。
もうカミツキガメが食べたくて仕方なくなります。
そう、平坂氏の記事を読むと、外来種たちが少し好きになる。
外来種は悪、という一般的な話だけ聞いていると、知らずのうちに魚事態に憎悪してしまったりする。
でも平坂氏の目を通すと外来魚はかっこよく、美しく、タフで、美味しい。
でもここに居ちゃいけないという葛藤。
原産地で生きる姿はさぞ魅力的なんだろう。
水族館で泳いでるような魚を合法的に捕まえて食べられる。
よく考えたらかなり楽しい遊びだ。
後書きを読んでびっくり、なんと本を出すのが夢だったとか。
将来生き物に関する本を書くのを見据えて、大学や大学院を選んでいたのだとか。
釣りとか好きな事ばっかりやってフラフラしてる人だと勝手に思っていて、本当にすみませんでした。
思わぬところで、自分の無計画な人生を反省しました。。
投稿元:
レビューを見る
デイリーポータルの連載も読んでいたけど、それでもおもしろい。人間の都合で輸入され捨てられたにも係わらず、頑張って生き残ったことすら非難される外来魚は実に不憫です。そんな外来魚を釣って食べることで理解しようとする著者の行為に、生き物への敬意を感じました。
投稿元:
レビューを見る
読書録「外来魚のレシピ」4
著者 平坂寛
出版 地人書館
p112より引用
“今までの経験から、外来魚を料理する場合
は原産国の調理法を真似ると失敗が少ないと
僕は考えている。”
目次から抜粋引用
“外来魚の代名詞はうまかった
ウナギの代わりになりますか?
ベジタリアンなエイリアン
顔はワニ、味はトリ
歩くナマズは優良食材”
生物と人間の関係を探求する著者による、
人気ウェブサイト「デイリーポータルZ」の
連載記事と二本の書下ろしをまとめた一冊。
ブラックバスからアフリカマイマイまで、
好き嫌いせずに食べつくされています。
上記の引用は、プレコを料理する段になっ
ての一文。
郷に入りては郷に従え、料理についても材料
と調理法の相性は、元々の地域のものの方が
いいそうです。料理の奥深さを感じる話だと
思いました。
表紙の写真を見ていると、とても食べもの
とは思えない風体のやつがいます。著者の勇
気に頭が下がります。
本文中の写真がカラーだったら、もっと良
かったのですが、カラーで見たかったらウェ
ブで見るほうがいいのかもしれません。
ーーーーー
投稿元:
レビューを見る
デイリーポータルZの鉄板、外来魚調理ものをまとめた本。
平坂さんの連載大好きなので本になっているとしって即買った。無料で読むのが申し訳ないくらいだったし、少しでも著者に還元されると良いな、と。描き下ろしもあるし。
カラー写真が少ないのがネットに比べて残念なところではあるけれども、それはまあ仕方ない。
投稿元:
レビューを見る
外来魚はそもそも食用として入ってきたものが多いんだから、食べられるということは分かっているが、彼らが生息している環境(お世辞にも清流とは言えないような川)を見ると、食べる意欲をなくす。
それに、たとえ清流にいたとしても流通していないんだもの、自分で釣ってさばくなんて、無理。
そりゃ、みんなが食べれば解決する問題かもしれないけど。
などと日頃から思っていたので、この本の著者の勇気と行動力には脱帽。
切り身で売ってるのを買うという行為の無責任さも感じた。
かなり見た目にグロテスクなものにも果敢に挑戦している上、煮魚や唐揚げならともかく、パエリヤやかつ丼にすると、最悪魚以外の食材もすべて捨てるという、コンセプトに反することをするはめになるが、最悪の(全く食べられず捨てるという)状況を回避した根性にも感動。
料理の腕前もたいしたものです。
魚が悪いんじゃないのだから、ただ殺すのではなく、できればこのように命をいただきたい。
本として無条件に面白いけど、もっと経済的、生物学的考察があったら良かったな、という思いで★ひとつ減らした。
投稿元:
レビューを見る
デイリーポータルに連載していたものに書き下ろし2本を加えて書籍化。文体は楽しい感じだが決しておふざけの本ではなく、外来魚問題を考える機会を与えてくれる。まさかこれほどまでに多種多様な外来種が日本に生息しているとは驚きだった。
投稿元:
レビューを見る
デイリーポータルZの記事も楽しみに読んでましたが、この本はそれをまとめたもの。(+書き下ろし)カミツキガメやブラックバスなどメジャーなものから、タウナギやマダラロリカリアという聞いたことのない魚まで、実際に捕って調理して食べてしまう。その好奇心と行動力!自分にはけし真似できないのですが、これが実に楽しそう。冒険小説とグルメ小説をまとめて読んでるようなおもしろさでした。しかし外来種って本当どこにでも、そしていろんなのがいるんだな…
投稿元:
レビューを見る
デイリーポータルZに掲載された記事を書籍化したもの。
外来魚を捕って捌いて食ってみる。言葉にするとシンプルだけど、実際にやってみた記録はやはり抜群に面白い。
本文写真がモノクロだったり画質も粗いものが多いのはちょっと不満。再撮影が難しい題材だけに仕方ないか。
あと、ブックデザインはもうちょっとがんばって欲しい。
投稿元:
レビューを見る
最高だ。この飽くなき外来種への執着心、必ず食べる生物へのリスペクト。
文書も面白くて、とてもファンになりました。
もっと色々読んでみよう。
投稿元:
レビューを見る
ゲテモノで喜ぶ本かあ、と表紙を見て思うものの、中身は実は割とすごい。登場する外来魚、みな自分で捕獲しているのだ。あしかけ1年、なんていうものもいる。それにしたって、アリゲーターガーとか、カミツキガメとか、本当に日本で獲れるんだ、びっくり。
さて、料理の方は、揚げたら旨い、というのがちょくちょく出てくる。揚げたら旨いのは大抵のものに言えるので(昆虫食なんか、大抵揚げてるし)、本書はそこにとどまることをよしとせず、その魚が現地で食われている食い方が旨い、というところに辿り着いている。
それにしても残念なのは、特定外来生物は、捕獲後、生かしたままにしてくことが法律で禁じられているので、泥抜きが出来ない、ということだ。
このところ、行政がシカやイノシシを有害動物として積極的駆除に舵を切り、ジビエのガイドラインなんかもつくっているが、外来魚も食べて美味しいのだったら積極的に食べられるしくみをつくっていくべきだ。
いいか、泥抜きすんなよ、絶対すんなよ!(とは書いてないよ)
そういった政治的イシューも持った(いや、持ってないかな)本だけれど、それでもやっぱり振り出しに戻って、ゲテモノを喜ぶ醍醐味もある。アリゲーターガーの鱗がとれないので丸焼き(まさにワニ)とか。
というわけで、思いの外、一粒で何度か美味しい本なのであった。
投稿元:
レビューを見る
ブラックバスやブルーギルを始めとする外来魚の有名所からカミツキガメ、アフリカマイマイなんかのそれ食べられるの!?っていう生き物まで食べ尽くしている。確かに外来魚の多くは食用の為に持ち込まれたとはいえ・・養殖じゃいのを食すのは勇気がいるって。外来魚の中でも特定外来生物に指定されている生き物は美味しく食べるために必須の泥抜きをしてはいけないという・・これによって本来なら美味しく食べられる生き物が美味しく食べられない事態に。食べて減らそう!がなかなか進まない理由の一つなのかもしれない。勉強になりました