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うーん・・・リリーは最後に知識と自覚をきちんと入手したけど、バルドはどうなんだろう。遠巻きにされてきたのはわかるけど、あれは血を残すべき王族の人間としてマズイんじゃないの?そこまで含めて自分がいないと回らないようにしてる兄上の計画内での教育だったら兄上マジ鬼畜。
とりあえずリリーだけでも男女の関係について理解を深めたからほっとしたけど、読んでる最中は不安しかなかったな。読んでてなんとなく、性的知識を完全にシャットアウトされて育った箱入り娘と、似たような状態の箱入り息子の二人が出会って恋に落ちたものの、持て余した情欲をどう解消すればいいのかわからなくて最後には男の子が女の子を殺してしまったという事件を思い出した。無知は時折、取り返しのつかない事態を招くよ。それを回避するために教育があるんでしょうな。綺麗なことも汚いことも、理性も感情も、社交辞令も剥き出しの本音も、何でも知っておくに越したことはないのだろうね。そこにはもちろん辛いことも含まれるんだけど、痛みを伴わない生き方では、きっとどこか歪んだ人間になるだろうし。痛みのない人生なんてないもんよ。
あんまり読んだことない感じの物語だったから興味深くはあったけど、見事に好きなキャラクターがいなかったので続きを買うかは正直微妙である。好感というか、共感出来る部分があるっていうのは大事なんだなと思った。なんとなく読み終わっちゃったよ。心にさざ波立ちませんでしたのでね。