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巨大博物館“アフロディーテ”。いつかこんな場所ができたら。こんなふうになったら。そう思うと、とてもわくわくする。
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地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館<アフロディーテ>を舞台に、学芸員である主人公が様々な美とそれをめぐる人々の想いに触れてゆく物語。やや切ない感じの話が多め。
なお無関係とは思うが、直接データベースに接続している学芸員という件で、どうしても某アニメを思い出さずにはいられなかった。
(○殻機動隊…?)
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未来の博物館が舞台。だが、持ち込まれるいわくつきの物たちに込められた想いは、いつの時代も変わらない。優しく、切ない連作集。
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2000年の推理作家協会賞を取ったとか帯に書いてあるのを見て手にとったんですが、これいちおうSFなんですよ。
地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館『アフロディーテ』。
そこには、全世界のありとあらゆる美術品、動植物が収められている。
3女神が司るシステムの上位データベース『記憶の女神(ムネーモシュネー』の直接接続者である学芸員・田代孝弘は、調整役として色々な厄介ごとに巻き込まれる。
衛星軌道上に浮かぶ小惑星まるごと巨大な博物館!
なんだかもう設定だけでわくわくしますよね(笑)。
美術(ミューズ)・技術(アテナ)・自然(デメテル)3つのセクションに分かれているけれど、他の分野にまたがる鑑定や調整が必要な場合のために上位データベースが存在します。
学芸員はそれぞれのシステムに「直接接続」する手術をしていて、つまり端末に言葉を打ち込んでデータベースを検索するのではなく、「こんな曲線」とか「これと似た絵があった」と思い浮かべるだけで膨大なデータベースから情報が一瞬で送られてきます。
便利で羨ましいけれど、情報は情報でしかなく、たとえばその1枚の絵の中に「美」を見出すのはやっぱり人間なのです。
というわけで統括部門というよりは女神様の使いっ走り(笑)・田代さんは毎日大忙しです。
どう見ても駄作なのに「天上の調べが聞こえる」と人々が泣く抽象画、古ぼけた人形、笛の音に合わせ雪が降るという着物、海の底に沈んだ人魚像や宇宙人が残したかもしれない破片などなど。
それらに関わる心やさしい人たちの美しい物語です。
どの話もとても素敵だけれど、引退を考えるダンサーの「享ける手の形」と正五角形に美しさを感じる図形学者の「きらきら星」が私はお気に入り。
ときおりほろりと泣けてしまいました。
そして最後、「九十七鍵の黒天使」と呼ばれる伝説のピアノ、ベーゼンドルファー・インペリアルの奏でるラブソングに導かれて物語は幕を閉じます。
本当に、美しくてやさしい物語でした。
私はこの美しさを表す言葉を持ちません。
「美しい」というのはきっと本当は言葉で分析できるものではなく、ただ感じるものなんですね。
久しぶりに美術展とか行きたくなりました。単純ですけど(笑)。
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読み通すのにえらく時間がかかりました。主人公の奥さんが学芸員として大事な資質を持っていたという最後の設定は分かるけれど、それだけでなれるものでははないでしょう学芸員ってと思ってしまいました。
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表紙に惹かれて読んだ本(だって加納さんの本の挿絵の方だったんだもの!)
遠未来の少し神秘的な短編集。綺麗な感じがしてスキだな〜。
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題名に惹かれて買いました。 読みながら、何故か『星へ行く船/新井素子/集英社コバルト文庫』を思い出しました。
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短編連作なのですが、読後のあたたかくなる感じが好きです。孝弘と美和子の物語が少しずつ進んでいき、ラストの「ラブソング」で素晴らしくきれいに終結します。ピアノの曲の盛り上がりに合わせて、違う星の花の開花と求愛でどんどん一緒にドキドキしていき、読むたびに感情移入して泣けてしまう・・・舞台は宇宙に浮かぶ博物館ですが、中の人間関係、上司とのやり取りなど今とほとんど変わらなくて、その辺りがかなりSF要素満載な内容なのに、地に足のついた感じで読める理由かなと思ったり。
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ラグランジュ点に造られた巨大な博物館「アフロディーテ」を舞台に、美と芸術に纏わる難題でひたすら苦労させられる主人公孝弘の姿を描いた、ファンタジックなSF。美とは、芸術とは何か…? この本を読んでいると、そんなことを考えてしまう。
この本は9つのそれぞれ完結したエピソードからなっていて、孝弘は毎回別の厄介事に振り回される。難しい美学の話題でも、優れた物語性を持っていて、どの章も楽しめた。とくに第9章「ラヴ・ソング」ではSF的な謎解きと、音楽と植物とが絡み合うアタゴオルのような描写が、一体となった面白さだった。
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地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館「アフロディーテ」。そこには、全世界のありとあらゆる美術品、動植物が収められている。その中で
学芸員の田代孝弘は、芸術に関わる人々の思いに触れていく…。美をめぐる9つの物語
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巨大博物館「アフロディーテ」を舞台にした短編集。とても優しいSF。いつかこんな場所ができたらなあ、と思う。
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本屋で何か買いたくて、思わずタイトル買いしてしまった作品。
惑星全体が博物館になっている巨大博物館惑星を舞台に、主人公田代孝弘と博物館へ訪れる様々な人びとの思いが込められた9つの物語。
9つめの物語「ラヴ・ソング」が一番お気に入りです。
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はじめての作家さんでした。
SFを小説で読むのは苦手なんだけど、読もうと思った決め手は
惑星全部が巨大博物館ってことと、惑星の名前、専門部署、
データベースに至るまで神話の神々の名前が使われていること。
主人公が扱うものは名のある芸術品の振り分けでだけでなく
特定の人だけに感動を与える絵だったり、古ぼけた人形の名前であったり、お家騒動だったり、昔見た人魚の作品に対する少年の想いだったりと
芸術とは何ぞや!という小難しい話しではなく、
作り手の想いや接する者の想いに近づき触れるものでした。
9つの短編ではありますが、ある部分では繋がっています。
それぞれの話の最後の方では鳥肌全開、涙ウルウル状態になってました。
読んでよかったです。
直接接続っていいなぁ〜と邪道な事も考えましたが
ほら。あれあれ!っていうイメージまでも映像として見せてくれるデータベース・・・
更にたくさんの芸術に触れていられるなんてステキです。
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博物館惑星で働く学芸員たちのお話。人が感動するのには、理由があるに違いない。それなのに、その理由を説明しようとすると、感じたものは味気なくなっていく。そんなことってありませんか。
「享ける手の形」と「ラヴ・ソング」がすごく好き。ラストシーン最高。視覚的にも聴覚的にも訴えかけてくるすごいラストなのです。これは是非読んでみて欲しい。
こうやって本を読んで、思ったことを言葉にして、何が良くて何が悪かったのかを明らかにしていくうちに、感動が薄れてくることがないようにしたいと思いました。
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話は全体的に大好きだけども、最後で、それまでの話でふと湧く疑念が伏線によるものであった事を気づかされるのは快感であると思う。