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第三次世界大戦前夜にDNAとロボットを乗せてアルファケンタウリ系に殖民した人類と、第三次世界大戦を潜り抜けたばかりのアメリカ人派遣団の奇妙な戦い。
通貨の存在しない社会、契約の存在しない社会は成立しうるか。
2004年に新装版が刊行されている。が、私が持っているのは旧装丁版。
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SFという舞台ではあるけど、「異文化の接触」がメイン。
科学的なところが少なく、政治的な部分が強い。
登場するキャラクター・個性が弱い上に、登場人物も多いので、感情移入できないままに話が進んでしまう、という印象。
(特殊な人達を描かずに、普通の人を描いているから致し方ない)
ということで、グイグイ引き込まれるような内容ではなかった。★2つ。
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Twitterでゲーム理論のことを書いていたらオススメされたので買いました。
登場人物が多いし(しかもカタカナ)話は長いしで、途中で一度挫折し、読書再開後はメモ取りながら読みました…
読みながら考えたことは、もちろんゲーム理論のことと、マズローの欲求段階説のこと。生まれながらにして死や飢えに対する恐怖が少ないケイロン人、という前提を頭に。
解説で囚人のジレンマについて書いてあるので、ゲーム理論に興味があればそこまで読みたいですね。
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資源が無制限に近い形であり、かつ旧来からのやり方から逃れることができるとこのような社会ができるのかもしれない。
いつか我々もテクノロジーが発達し同様音状況になったら
物質への執着をなくし、互いの信頼が貨幣になることはあるだろうか。
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エネルギーと資源は無尽蔵であり、無料で提供され、単純な肉体労働は、ロボットがおこなうため、ケイロン人のステータスは、己の才能を磨くことに競争心を燃やす。
ただし、単なる平和主義ではなく、報復手段を隠し持ち、まず相手に協調をもちかけ、どうしようもない人なら、自衛の為に先制攻撃をしかけて撲滅する。ゲーム理論にもみられる、最も有利な戦略を使う。
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エネルギー、物質が無制限に手に入る環境でのどかに生きるケイロン人と地球人移民団の異文化遭遇のお話。
いろいろと突っ込みどころはあるけれど、僕はケイロンに住みたいなあ。
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冗長である
確かに面白い作品であるんだが、驚く結末は存在しない。読んだとおりである。地球の滅亡を予期してはるかな星に遺伝子だけを送り、そこで人類の復興を企図する。それは成功し、地球から最後の人類が遺伝子から育ったネオ人類に会いに行くということなんだが、どうもこの作品は反戦色が濃すぎてSFにはなじまない。
辛口ではあるが、長いだけだったといっても過言ではない。むしろ、「囚人のジレンマ」を扱った解説のほうが楽しかった。こっちは読み応えがある。
ということで少し残念だったので、しばらくホーガンから離れることにする。
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われわれは新しい思想を開発しなければならない。
これはハーラン・エリスンの言葉です。J・P・ホーガンの作品を読むのは初めてですが、本書はスペキュレイティヴ・フィクションの名にふさわしく、また娯楽作品としても十分な仕上がりになっていると思います。
地球人類の種から生まれたものの、そこが惑星ケイロンであり、機械によって育て上げられたゆえに、宇宙人であるケイロン人と、40年後に地球から<メイフラワー二世>で、ケイロンを新世界として当然の権利とばかりに植民しようと乗り込んできた人類との出会いが生む葛藤、軋轢、衝突、和解といった様々な状況で、登場人物と共に僕自身、内宇宙に誘われ、ある種の気づきに直面せざるを得ませんでした。優れたSF、あるいは幸運な読書体験というものはいつだって他者との邂逅、つまり自己の変様を用意してくれるものです。
「われわれはすべて地球という異邦の惑星に住む異星人である」再びハーラン・エリスンより
本書から印象的だったセリフをいくつか紹介します。
「でもだれでも何か、見どころはあるものです。人間の心は無限の資源だって言ったけど、でもそれは無駄遣いしないとしての話だ。これ、面白いパラドックスだと思いませんか?」
「ケイロンでは、富はその人の能力なんです!気づきませんでしたか?彼らはよく働くし、やるときには全力を尽くす。そして常に向上に努めている。いいことであれば、何をしようとそれは問題じゃない。そしてみんながその価値を認める。あなたの言われた他人に認められること――それが彼らの通貨なんです……能力を認められることです」肩をすくめ、両手を広げて、「これでかなり意味が通るんです。今あなたも、それこそみんなが求めるものだと言われましたよね。そう、ケイロン人は、象徴的なものを媒介とせず、直接それを支払っているんです。世の中をわざわざややこしくする必要はないでしょう?」
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遺伝子の情報を用いて、分子から沢山の人間を合成し、隔離された場所で、一から人間社会を作ったら、どんな社会になるのか? そんな空想をベースに綴られている小説です。SFのSがサイエンスのSというより、社会学のSという感じです。でも、これはこれで、楽しく読めました。
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世界大戦直前に、新たな居住惑星を発見するため、人類の種を搭載した宇宙船が地球を出発した。やがて到達した惑星をケイロンと名付け、ロボットにより育てられたケイロン人たちはそこで新たな社会秩序と高度な科学技術を確立する。後から地球を発った移民たちは、二十年をかけ惑星ケイロンにたどり着くが・・・。全体として政治、軍事色が強く、また登場人物がやたらと多く混乱した。ホーガン先生は序盤を凌げば加速度的に面白くなるというイメージだったが、本作は個人的に冗長であった。もう少しエンタメ色がほしかったかな。好みが分かれる作品。
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2040年、第三次世界大戦直前に出発した移民船クヮン・インが植民に適した惑星を発見。
この朗報をうけ宇宙船メイフラワー二世が建造され、惑星ケイロンめざして旅立ちます。
ケイロンで彼らを待っていたのは、地球とは異質な社会でした。
異なる文化との軋轢が、やがて・・・。
囚人のジレンマを彷彿させる物語です。
「機械に仕事をとられる心配はないのかな?」
「その仕事が機械にできるのなら、人間はもっとほかのことをして暮らすほうがいいでしょうね」 ー 265ページ
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別の有名作品を読んだことがあるけれども
著者の作品はしっかりと読ませる作品なんですよね。
ケイロン人の生き方はある種理想に感じるでしょう。
だけれども、よく考えればきちんとした目的を
持たぬ者には厳しいもののように思えます。
そして地球人は人間の醜さの象徴とも
取れましょう。
ケイロン人をはたから下等とみなしたのですからね。
ここに出てくる落ちこぼれ君たちは
その枠からはみ出た人たち。
だけれども決して落ちこぼれではなくて
色眼鏡で見ない優しさもあるんですよね。
ただし人類の結末はなぁ…
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WW3の危機を目前として、4光年先のアルファ・ケンタウリ星系に人類播種計画が実行される。デジタル遺伝情報から胚を生成、ロボットに育成させる装置を載せて探査船が地球を離れた。
その20年後、植民が成功したとの連絡が入り、大規模な移民船が送り出される。移民たちが40年遅れで到着したそこには、法も契約もなければ軍も警察もなく、貨幣さえ存在しないのに平和で科学の発達した社会があった。当初、地球移民は旧世界の秩序のもとに先住のケイロン人たちを併合するつもりだったが、脱走してケイロン人の社会に溶け込む者が相次ぐ。
残された旧世界の指導者たちは先鋭化し、軍事力でもって脅迫に及ぶ…というのがあらすじ。ほぼ無尽蔵の資源、ロボットによる安価な労働力、土地と歴史のしがらみのない環境で育った人々という前提の下、ホーガンによるユートピア社会が展開される。
思考実験としてはおもしろいが、随所の詰めが甘く、都合がよすぎる感が否めない。数あるホーガン作品の中でもあまり出来がいいとは言えない(電書化されないのも納得)。これで 500ページ超は挫折する人も多そう。
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作者に関する前知識もなく、途中こんな展開だとは思ってなかったのですごく新鮮読めた。かなり昔の作品なのに、今時の職業観にも通じていて、小説、とくにSFに現れる人間の発想の広さ自由さ可能性に、敬服に近い気持ちを抱いた。ケイロン人になりたい。