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読み始め、まずは久々の連城先生の文章が嬉しい。
内容も、邪馬台国ものと古代史にまつわるミステリで
ぐいぐいひきつけられる。
この作品で語られた説が、学説としてどうなのかは
私にはわからないけれど、初めて目にしたその説は、
なんだか説得力があって、(少なくとも読んでいる
間は)それこそが真実なのではと信じてしまう。
その上、さすが連城センセイのポジネガの反転が
仕掛けられていて、大満足。
新作がもう読めないのは悲しいけれど、まだ
単行本化されていない作品がいくつかあるとの
ことで、出版が待ちどおしい。
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ミステリというよりもファンタジーかな。怪奇小説っぽい雰囲気もあるし、歴史モノとしても読める。でもやっぱりミステリ? どれにも当てはまるし、どれにも当てはまらないような、そんな不思議なお話でした。
奇怪なアプローチを経てストーリーは展開して行くが、長いトンネルを延々歩いているような先の読めない時間が続く。全体像が見えない。どこに向かっているのかもわからない。行きも戻りも出来ない状態で後半の迷宮に突入。
ミステリとしての着地にはかなり無理がある。いろんな人の人生が入り乱れ、また想いを引き継いでいくというドラマにも共感できなかったので、読後感は少しもやもや。これが連城ミステリの集大成とは思わないけど、こういうお話は連城さんにしか書けないと思う。行間から透けて見えるそれぞれの信念が鬼気迫るようで印象的。最後の長編ということで感慨にひたってしまった。とにかく長かったです。そして堪能。
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文体は眩惑的で朧な、筆者の持ち味だが、仕掛けは随分と大仕掛けで島田荘司のよう。わかりやすい切れ味という点では文学に偏っていてあまりミステリ的ではない。7.25
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邪馬台国や南北朝など、壮大な歴史の謎も織り込まれた長大なミステリ作品。ただ、歴史ミステリが主眼だと思っていたら、主人公の巻き込まれた大きな「謎」にも絶句させられました。
自分が生まれてもいなかった時代の記憶を持つ主人公。やがて蘇る南北朝時代の記憶、そしてはるかに古い「女王」の記憶。祖父から連綿と受け継がれるこの記憶はいったい何なのか、というくだりに至っては、あれ、これってそういう話だったの? と思ってしまったのですが。あとは読んでのお楽しみ。
邪馬台国の謎を巡る解釈も面白く読めました。正直あまり詳しくはないので、これが真実なのだとついつい信じ込んでしまいそうです(笑)。
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現在の(殺人)事件と邪馬台国の存在場所を秘めた文書を巡る大河ロマンミステリー?
と書けば聞こえはいいが、ただただ冗長な小説。全く説得力のないキャラに、ありえないーそれも馬鹿らしいー設定、安ぽいゆがんだ愛情・・・。
親子2代にわたって卑弥呼ファンが卑弥呼をよみがえらせるために妄想小説に従って子供を洗脳教育?その基本ストーリーが馬鹿らしい上に、古臭い比喩がダラダラと続く情景描写や心理描写にウンザリさせられる。
確かにこの世界観に入り込めれば面白いかもしれないが、ここまで長い必要は全く無い。この三分の一でも十分まとまる内容。連載小説かなんかだろうが、もっと編集して出版してほしい。「造花の密」とか、面白い本も書く人だけに残念。
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長かった(笑)
邪馬台国や卑弥呼についてもっと知っておくと楽しさ倍増なのかな?
ファンタジー系のミステリーかと思っていたが結果的にはファンタジーではなかった。。
日本は古代は近親相姦、中世でも男色などにも寛大なお国柄なんだよな。。。。
腐女子ではないのでさらっとながした表現はされていたがその辺りは流し読みに(笑)
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一体どこに向かっているのかわからない
浮遊感の中で読み進める感覚は独特のものがある一方で
何を面白いと思って読めばいいのかわからない
座りの悪さをずっと感じていました。
正直、面白さを理解しきれた感じがしない。
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SFなのかフシギちゃんなのか・・・
とも思ったけれどこれは壮大な歴史ミステリーでした。
上質なミステリーでもあり歴女の心を揺さぶるネタ本でもあり、何より話しかけたい、問いかけたい連城先生がこの世の人ではない・・・
連城先生、素晴らしい一作を残していただきましてありがとうございました。合掌。
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SFをベースとしたミステリでは「星を継ぐ者」などがあるが、ミステリの中にタイムトラベルを取り入れた小説は珍しい。
「私は今何歳なのでしょうか?」自分が生まれる以前の東京大空襲や関東大震災の記憶を持つ青年がその過去の記憶で逢ったことのある医師を訪ね相談するが、なんとその医師も過去に同じ場面を覚えていた!
ストーリーは、主人公の妻や、祖父、考古学者などとの人間関係が語られる中で、記憶は南北朝時代から邪馬台国の時代にまで遡り、そしていよいよ卑弥呼が登場する。
作者が邪馬台国論をベースとしてミステリを書くに当たって、タイムトラベルの手法を使ったのは確かに面白い。
しかしこの組み合わせは流石に欲張りすぎかもしれない。
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卑弥呼がテーマで意外だったが、後半いつも通りの連城節になり、引き込まれた。連城さんのご冥福をお祈りします。
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もう・・・・壮大すぎてものすごくついていくの大変でした。読むのにとてもとても時間がかかってしまいました。そして疲労感。
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邪馬台国を題材にして、現在と過去を行ったり来たりするストーリー展開に、わくわくします。
記憶の謎が、行ったり来たり。
最後には論理的に収束していきます。
大作ですが、一気に読ませます。
ストーリー展開が見事です。
面白かったです。
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一体どこへどう繋がって行くのか、全く先の読めない話でした。そして思うのは『邪馬台国』の謎とはそこまで人を狂わせえるものなのか、どんなに恐ろしい国なのか、ということ。邪馬台国を舞台に色んな話が書かれていますが、その謎にかける妄執が一番恐ろしいと感じた一冊でした。
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昭和24年の主人公・荻葉史郎は、なぜ東京大空襲の記憶があるのか、そして関東大震災・・・。冒頭から謎解きで惹き込まれる。祖父・祇介の若狭湾での謎の死。そして自分自身の12歳の時の水難事故。そして史郎の妻・加奈子という不思議な存在。また未知の父・春生が実は・・・。自分は誰か?どう証明できるのかなどと考えてしまう。しかし、展開は南北朝時代、邪馬台国・卑弥呼の時代にまで拡がり、荒唐無稽さはやや閉口。祖父が父であり、また子である。そして母が・・・。単なるミステリーではなく、SF、ファンタジー、そしてホラーに似た雰囲気も感じる。マニアなら別だろうが、理解しようと読んでいくのに正直疲れた。
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地理音痴の私は邪馬台国に至る道筋の説明で、頭がぐるぐるしてしまった。作者逝去の後に出た本だが、筆力の衰えなど全く感じず。まだお若かったのにと、つくづく残念。育てられた祖父や結婚相手にいいようにされた(愛されていたとはいえ)主人公が気の毒で仕方ない。これから自分の人生が生きられるといいね。