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ゲイのカップルもステレオタイプに当てはまらない家族も、それら自体に現実味や説得力がないわけではないのに、この小説においては圧倒的にリアリティに欠ける気がした。ただ、そもそも小説とは"作り話"であってみれば、フィクション・おとぎ話としてさえも入り込むことができなかったというのは、単に好みの問題なのでしょう。
登場人物の気持ちが理解できないというのではなく、部分部分では共感もし感動もする。でもこの作品は、読みながらつい「ゲイのカップルや彼ら彼女らが作った家族が読んだらどう感じるんだろう?」なんてことが気になったり、いや、実際にそうした方が読んだら「そうそう!」ということなのかもしれないわけだけど、つまり私は「この小説世界に遊ぶことができなかった」。
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どの家族も何らかの問題を抱えているが、家族として幸せに生きようと努力している人たちのいい話ではある。けれども,なんだか家族という世界の中で閉じこもろうとしているようで苦しい感じがするな。息子の恋のあたりが特に、なんでやねんて感じ。
意地悪をしたくなってしまったボスに共感できるかな。
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同性愛者、性的マイノリティのお話。
読み進めているときに奇しくも渋谷区が同性カップルに証明書を出し、同性のカップルに「結婚に相当」するあつかいを進める条例案を上程するというニュースが出た。
カカこと「泉」、ママこと「千代子」、ニーニーこと「草介」、ミラクル宝こと「宝」の四人家族からなるタカシマ家の16年が、章を追うごとに泉、千代子、草介、そして宝へと視点が変わりつつ物語が進んでゆく。
夜逃げという設定もあり、無理しているなあと最初は思ったが、読み進めるうちにこの家族もアリかなと納得してしまう。
最後の章での、タカシマ家のおみそちゃんであるの宝の想いが好きだ。
「カカみたいに、強い人になる。ママみたいに、明るい人になってみせる。ニーニーみたいに、優しい人にもなりたい。でも、私だけの色の花を咲かせる。そして、ステキなオハナ畑を作るんだ。それがきっと、私の使命だと思うから。」
(内容紹介)
三十代半ばの高橋泉は別居を続ける夫との行き詰った関係に苦しんでいた。仕事帰りのある日、泉は駅のホームで女子高生の島原千代子と出会う。
千代子は自由な生き方を認めない両親との関係に悩み、命を絶とうとしていた。
心の痛みを分かち合ううち、ふたりは恋に落ちる。お互いをかけがえのない存在だと気付いたふたりは、泉の一人息子・草介を連れて、星がきれいな山里「マチュピチュ村」へと駆け落ち。泉と千代子の苗字をかけあわせた“タカシマ家"の誕生だった。
やがて千代子は、泉と出会う前に関係を持った男性の子どもを出産。宝と名づけられた長女が加わり、一家は四人になる。ゲストハウス開業、念願の結婚式&ハネムーンツアー、千代子の闘病、そして……。喜びと悲しみに彩られたタカシマ家十六年間の軌跡を辿る、新たな家族小説。
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さすがは小川さんの作品と思い、読んでいましたが、最後がねー、どうしたかったんでしょう?
私には理解できません。
ハワイがねー???
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すっごく読むのが辛かった。
小川糸さんは比較的好きな作家さんだったけど、この作品は??
登場人物がみんな脳内お花畑?状態の人たちで、それなりに困難もあるわけだけど、それはあまり感じなかった。
まわりにいる人もいい人か、嫌な人だけど改心したといった人ばかりで、ほんわか現実離れした感じ。
でもって、登場人物の2人が病死だったり自殺したりで、それはそれで悲惨なんだけど、泣けてこない。
なんででしょ。
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最初は少しメルヘン的な印象が強かったものの、後半で様々な難局も出てくる中で、家族という単位の大切さを感じることができた。各章ごとにメインの人物がかわるのも面白かった。「あぁ、あの人が感じていたこんなことは、実際はこの人はこう思っていたのか。」みたいに、多面的に納得感が深まった。読了して思えば、一定の時間軸をいろんな登場人物の視線で繰り返し記すことにより、一つの深みがある物語を作られており、読み始めに「なんか薄い話だなぁ」と思ったのはある意味必然か。
自分の、家族の人生って、こうありたいなぁと思える話でした。
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最初は面白そうな設定だなって思ったけど中盤から話が現実的じゃなさすぎてフワフワしていてついて行けなくなった。感情移入が出来ないからか。読むのをやめようかと思ったけどラストが気になるので読んだ。うーん。
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最初の10ページくらいでもう無理だなと思ったけれど、乗り掛かった船なので読了。
感想を一言にまとめるなら、「がっかり」。フツーじゃない人々・どこか浮世離れした場所での暮らし・小ぢんまりした店の経営・大切な人の死、どの設定も著者の処女作『食堂かたつむり』の劣化版にしか見えない。登場人物には血の通った感がなく、かれらを取り巻く環境の描写もほとんど為されない。
読めば読むほど嫌いになっていく作家にお目にかかるのはこれが初めてだ。『食堂かたつむり』が大好きだった一読者としては、あれ以上のものが書けないのならもういっそ筆を折ってくれないかと思うばかりである。
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小川糸さんの本は優しいネ。
陽だまりにいるような暖かさがある本でした。
同性愛の両親とその子ども達との視点で物語が進んでいくから、全員の気持ちも良く分かって、全てがクルッと回って腑に落ちる。
だから、読み終わったあともオールスッキリ!笑
難しいテーマだけに考えさせられるコトもたくさんあったなぁ。
全てに対して偏見は持ちたくないと思ってる時点で、偏見の目で見てるってコトに繋がるし、気にしないになるとそれは無関心になっちゃう。
言葉はホントに難しいネ。
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御伽噺のように美しい愛情に満ちたストーリーに、あたたかく力強い家族の絆と切実で現実的な問題。
そして、悲劇。
家族って血じゃないって思うけれど、
強い絆で結ばれた家族でもやっぱり本人にしかわからない想いがある。
泉と千代子の関係はとても素敵だけど、
草介の想いを考えると涙が止まらなかった。
千代子にはわかってたんじゃないかなぁ。
あんなラストって、あり?
あまりにも、な展開に憤りすら感じたけれど、
タカシマ家のこれからに明るい未来が待ってると信じたい。
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確かに温かく、優しい気持ちにあふれた素晴らしい作品です。でも、ふと現実に帰ったとき、こういう一家が我が家の隣に引っ越してきたらやだなぁ気持ち悪いなあと感じるワタシが確かに存在します。
これからのこの世界で、LGBTを受け入れるのか(つまりワタシは受け入れられていないということか?)、それが良いことなのかを問われると、ワタシは困ってしまいます。
レインボーフラッグの持つ意味をこの作品で初めて知りました。登場人物が順番に一人称で語る書き方、新鮮で心地よく感じました。
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それぞれに子どもを持つ、レズビアンのカップル。血の繋がりのない母二人、子二人の一家が、家族として成長していく姿を描いている。
唖然とするくらいふわふわした前半は、レズに目覚めるくだりも唐突すぎてリアリティに欠ける。そして後半は一転して深刻になり、不治の病やら自殺未遂やら、取って付けたような展開に。
マイノリティにスポットを当て、血の絆より強い家族愛を描こうとしたのだろうけれど…。表面をさらっと撫でただけで、作者自身がこの重いテーマを消化しきれなかったのかな、という感じ。
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内容紹介
三十代半ばの高橋泉は、別居を続ける夫との行き詰った関係に苦しんでいた。
仕事帰りのある日、泉は駅のホームで女子高生の島原千代子と出会う。
千代子は自由な生き方を認めない両親との関係に悩み、命を絶とうとしていた。
心の痛みを分かち合ううち、ふたりは恋に落ちる。お互いをかけがえのない
存在だと気付いたふたりは、泉の一人息子・草介を連れて、星がきれいな山里
「マチュピチュ村」へと駆け落ち。泉と千代子の苗字をかけあわせた“タカシマ家"の誕生だった。
やがて千代子は、泉と出会う前に関係を持った男性の子どもを出産。
宝と名づけられた長女が加わり、一家は四人になる。
ゲストハウス開業、念願の結婚式&ハネムーンツアー、千代子の闘病、そして……。
喜びと悲しみに彩られたタカシマ家十六年間の軌跡を辿る、新たな家族小説の誕生。
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レズビアンであることを親に告白して全否定され人生に絶望した千代子。
電車に飛び込もうと思ってた時 手を握った男の子。
そしてその母親が出会い 家族になるお話。
千代子のお腹の中には実は子供がいて、その子も一緒に育てていく。
四人ですっごく星空が綺麗な田舎(マチュピチュ村)に住むんだけど、田舎の人だけに偏見にもたくさん出会う。
でもそんな時も家族で支えあって生きていく。
幸せな家庭に突然 訪れる悲劇。
千代子ががんになる。
ハワイで結婚式を挙げる2人。
最後はもう涙が止まらない。
アブノーマルな人たちは生きていくのがとっても大変だと思う。
私は偏見せずにどんな人でも受け入れられる人になりたいな。
おちょこちゃんと泉ちゃんみたいにずっとお互いのことを大切に思えるパートナーと生きていきたいな。
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ちょっと変わった形態の家族だけれど家族らしい家族小説でした。草介も宝も本当にいい子でほのぼのとそのままストーリーが終わって欲しかったです。「おおかみこどもの雨と雪」の雰囲気と重なりました。