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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
英語で読む分には宗教観が感じられていいのですが、訳文だとあんまり楽しめないです……深くつっこんで読みたい方に。
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仏教系の出版物をメインとするサンガ社からハリポタの解説本が出たことに驚きました。
読んでみると、これがかなり微に入り細に入った詳細な内容となっています
全巻読み終えたハリポタファンですが、長編だけにわからない未消化の箇所があちこちにあり、自分の中でそのままになっていました。
そうした謎が、一つ一つ説明されていくという気持ちの良さを感じます。
著者も公言している通り、かなりのポタリアンだということが内容からも理解できます。
また、ハリポタだけでなく、『ナルニア国物語』や『指輪物語』といったほかのファンタジー大作との比較もなされており、すべて読んでいる者には更なる深い理解が得られるようになっています。
どうも、前出の二作に比べて身近な感じがするのは、ハリポタが圧倒的に会話が多いためだと指摘されていました。
その代わりにロマンチックな情景描写が少ないのだとか。
それで歴史的な奥行というよりは、「いま、ここ」のような現実感が強いのでしょう。
その圧倒的なキャラクター中心主義は、漫才やマンガに近いと評され、さらにすべての出来事を登場人物が解説するシェイクスピア劇との類似性にも言及されています。
イギリス文学の一つの潮流なのでしょうか。
ホグワーツはスコットランドが舞台だそうです。
イングランドとスコットランドの違いがよくわかりませんが、特徴的な記載があるのでしょう。
各巻ごとに章分けされて詳細な解説が入るため、順を追ってストーリーを辿ることで膨大な情報量も整理され、混乱せずに済みます。
最終的には、『モモ』や『ゲド』、ファンタジー世界を超えて『カラマーゾフの兄弟』や『エヴァンゲリオン』などの作品とも比較言及しており、非常におもしろく読めました。
原作の隣に置いて、何度も読み返したい本です。
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読めば読むほどハリーポッターは奥が深いなぁと思う。
特に分霊箱について解説する章が面白かった。
ヴォルデモートの道具主義は結局ヴォルデモート自身を裏切り、彼の生への執着は彼の魂を破壊し、生を奪った。ただ単に戦術的失敗の物語ではなく、生の質について問いかけられる思想的な物語であることを再認識させられた。
ちなみに一番刺さった言葉は「スネイプの愛には文脈がない。」です。