紙の本
ほんとうの花
2016/03/24 16:59
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
二章目の「ほんとうの花を見せにきた」は最後が切ない。告げたい言葉は途切れて、空を舞った。
三章目があると、読んでいて、バンプーの王の由来を知る。「バンプー・クロニクル」が始まるのかと思えばさにあらず。でもそれでよかった。切なさを続けても、感動が続くとは限らない。
紙の本
ファンタジーだけに
2015/11/30 22:04
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
心やさしいバンブーを柱に据え、生きること、愛することを綴るファンタジー。なのだが、ファンタジーだからといって、物語の繋がりが甘いのは如何なものか。泣かせようとする意図も見えてしまい、ちょっとなあ、という感じ。
紙の本
やさしく、悲しく、美しい物語。
2015/05/06 20:01
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投稿者:yamatami - この投稿者のレビュー一覧を見る
優しく孤独なバンブーたちに、しっかり生きろ!と言われたような気分です。
『小さな焦げた顔』
『ほんとうの花を見せにきた』
『あなたが未来の国に行く』
竹の吸血鬼バンブーをめぐる優しく悲しい物語。
ムスタァも洋治も茉莉花もとても愛しいです。
『小さな焦げた顔』
悲しくて切なくて…涙がところどころで溢れてしまってもう…
あんなに幸せな日々を送っていたのにどうしてこんな結末になってしまうの、と…
ムスタァと洋治が梗ちゃんを慈しみ、愛し、一生懸命育てる姿がほほえましいです。2人が注ぐ梗ちゃんへの愛の深さといったら!
人間の成長に感動し、「生きる」こと、「火」に憧れるバンブー。
人間は死んでしまう、だからこその、人間の価値があるということに気付けなかった梗ちゃん。
バンブーの純粋さと優しさ、人間のあさはかさ、愚かさ。
『あなたが未来の国に行く』を読むと、洋次の最後の言葉が繋がります。さらに切なく、苦しい気持ちになりました。
ムスタァと洋治の朝の日課がとても美しく描かれている一方で、その行為はバンブーという生き物の孤独さをなんとも象徴していて…吸血鬼ものってこんなに切ない要素が満載なのですね…。
自分の相棒は洋治だけと言い、孤独の道を選んだムスタァの誠実さと優しさにも心打たれました。
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『バンブー』と呼ばれる吸血鬼と、人間との触れ合いを描いた連作集。
吸血鬼というファンタジー的ガジェットを使ってはいるが、オーソドックスなヒューマンドラマに仕上がっている。
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バンブーの3つの物語。どの話も哀れで切なく悲しい。命とはなんと儚いものだろう。しかし、儚いがゆえに記憶に残り、繋がって行こうとするものなのだろう。
表題作「ほんとうの花を見せにきた」の最後に描かれた美しさは、たぶん長く記憶に残る。
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強く前向きに生きること(希望は必ずあること)を、示唆してくれる本である。また、人が生きるうえでの「愛」のチカラを色濃く描いていて、読了後、ふと、思い出し泣きしそうなくらいに、よくできた物語だとおもった。
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桜庭さんです!吸血鬼です!バンブーなんです!!空も飛べます!・・・さて、吸血鬼というものは、どうしてこうも魅力的なのでしょうかね?ま、私の場合「鬼」でなくても「吸血」の方に感じ入るわけですが・・・コウモリとか、虫とか、鳥とか、いるじゃありませんか?あれ、なんか魅力的ですよね。
そういえば、食虫植物とかも好きだな・・・。
いや、蚊とか、ノミとかには、あまり魅力は感じませんけどね。
本の感想じゃなくなってますね。すみませんww
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バンブーという竹の妖怪を取り巻く短編集。
ファンタジーで、仄暗くて、でも苦しい愛に溢れている、繋がった短編の3作。
面白さに震えた赤朽葉家の伝説と同じような構成だったけど、あの衝撃には勝てなかったかな…。
ちまたの愛は明るく幸せなもののようだけど、ここに登場する愛は仄暗くて汚くて苦しいものだった。そういった世界観に惹かれるのだけど。
・バンブーに拾われた人間の子ども
・独りぼっちのはぐれバンブーの少女
・日本のバンブーの王と姉
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【植物性吸血鬼バンブーとの許されぬ友情物語】竹から生まれた吸血種族バンブー。固い掟で自縛し、ひっそりと暮らすバンブーが、ある日、人間の孤児を拾った。禁じられた絆の物語。
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「忘れる」ことについて。
生きていれば、慣れるし、忘れる。
でも、忘れるってことはちゃんと生きてんだって。
楽しい気持ちも、悲しい気持ちも生きてる=火なんだと、ムスタァは教えてくれた気がします。
それがどんなに素敵なことかも。
どの話も本当に良かったなぁ。
吸血鬼から見て自分より先に死んでしまう人間、一方で人間は大切な人を残して老いたくないという、もどかしさと切なさが泣けました…
図書館で借りたけど、買おう!
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竹からできた植物性吸血鬼バンブー。
少年と青年バンブーの話、少女と少女バンブーの話、中国に住んでいたバンブー王族の話の三話からなる。
少年を死のふちから救ったのは不老の若いバンブー。
同居する2人のバンブーに守られて成長する少年。
人の命を火にたとえて少年の成長を日々喜ぶバンブーだが、実は人間との交流はバンブー社会での大罪だった。
やがて少年は一生ぬぐえない罪を犯す。
バンブー!竹の吸血鬼一族という設定がツボ。
この本を読み終えたあと、バンブーが120年に一度だけ咲かせる死への花が夢をみて翌日は一日中熱に浮かされたように過ごした。
2017.10再読
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竹のおばけバンブーのムスタァに助けられた梗(きょう)ちゃん。固い掟を守りながら生きるバンブーだが、本当は人間との交流は大罪だった。
3編構成。「ちいさな焦げた顔」生きているってどういうことなのか?人間は生きていてバンブーは死んでいるのか?そうではない。生きる定義や命の「火」のかけがえのなさを考えされられます。いつ他のバンブーに人間と生活していることがバレるかと冷や冷やしつつ読みました。
「ほんとうの花を見せにきた」はぐれバンブー茉莉花は実は寂しがり屋でいい子なのだと思います。もっと恵まれた生活をしていたら幸福に暮らせたのではないかなと思います。最後はよかったですが。
「あなたが未来の国に行く」やはり賢い人がトップに立つことの重要性を感じました。洋治が切ないなぁ。
読みやすくさくさく進みました。
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竹から生まれた吸血鬼バンブーに救われた少年。心優しきバンブーとの楽しくも奇妙な共同生活が始まるが、バンブーにとって、人間との交流は何より大罪で…。青春吸血鬼小説。
ライトノベル出身の桜庭一樹らしい物語ともいえるけど、過剰にセンチメンタルな文章は読んでいて辛く感じるようになってきた。このままの作風が続くならずっと親しんできた桜庭一樹作品と距離を置くことになるかもしれない。
(C)
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「ほんとうの花を見せにきた」桜庭一樹◆僕の命を救ったのは竹のおばけ、バンブーのムスタァ。バンブーの洋治と3人で、ずっと一緒にいようね。連作短編が3編。悲しい予感の漂う幸せはなんでこんなに酷いのか。酷いのになんでこんなにきらきらして見えるのか。生きることが失うことでも、生きないと。
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連作中編1編、短編2編
中編「ちいさな焦げた顔」が本当に切なくて、愛する、愛される、思いやる、大切にする、そういった人の核となるところが描かれて感動した。