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タイトルから憶測されるような自己啓発的な内容ではなく、日常生活におけるちょっとした出来事や人との交わりから幸福とは何かを問いかける。著者の豊かな感受性と深い思索が溢れる小品。
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幸福というものが皆が安易に考えているものではない、ということを示す良書。
お金を儲けること、社会的地位を獲得して保つこと、便利な世の中に生きること、そしてそれを維持することに皆が揃って汲々とする。実はそれは幸福にはつながらず、むしろ不幸していると著者は言う。
生きる実感が大事であったり、好きなものがあることだったり、家族のつながりだったり、我を忘れてのめり込む時間だったり。
それが幸福につながるという主張。
心をリセットしてくれる言葉に満ちたエッセイ。
時々読み返してみよう。
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大好きな河合隼雄先生の本
これも結構前からチョビチョビ読んでいて、やっと読み終わりました(笑)
御存命のうちに、お会いしたかったな(涙)
カウンセラーとして、いろんなお話をお聴きしたかった・・・
付箋部分をご紹介します
・要は、かけがえのない自分の人生を、いかに精一杯生きたかが問題で、それが幸福かどうかは
二の次ではないか。あるいは一般に幸福と言われていることは、たいしたことではなく、
自分自身にとって「幸福」と感じられるかどうかが問題なのだ。地位も名誉も金も何もなくても
心がけ次第で人間は幸福になれる(p2)
・知識ではなく心の揺れである(p28)
・しかし、常識をあくまで常識として身につけている人は、それをひとつの守りとして、自分も他人も
不必要に傷つけることなく生きながら、新しい変化に対応していけるだろう(p36)
・要するに、ほんとうのところは「どうでもいい」のではなく、ひっかかるからこそ言いたく
なってくるわけである(p59)
・たとえば、母親が更年期を迎えたり、子どもが思春期を迎えたりするとき、内面的には
「大きい河を渡る」体験をしなくてはならないし、そのときは家をあげての協力を必要とする
こともあろう(p72)
・満ち足りた生き方をするためには、ものを持たない方がいいとばかり、持っているものをどんどん
捨てていくのも一つの生き方だが、最初から「満ち足りた人生」など狙わず、少しずつ手に入ったものを
楽しむ、という生き方もあるだろう(p77)
・これからの日本人の課題は、これまでもってきたような人と人のつながりを失うことなく、
いざとなったときに自己決定ができるように自分を訓練してゆくことだと思う(p117)
・本当に「触れる」よさを知るためには、焦りは禁物である。工藤さんもこの書物のなかで、
心が「うわのそら」になっては駄目だと言っている。心が触れるまで「待つ」ことが大切だ(p121)
・カウンセリングの仕事は動物をしつけるようなことではなく、木の成長を待つようなところがある(p125)
・人間が幸福であると感じるための条件としてはいろいろあるだろうが、私は最近、将来に対して希望が
もてる、自分を超える存在とつながっている、あるいは支えられていると感じることができる、という
二点が実に重要であると思うようになった(p179)
・同じ「悲しいです」の下に、いろいろな和音があり、それによって随分と味が変わるはずであり、
そこには言われていない和音をを聴くことが非常に大切ではなかろうか。音のない音に耳を傾ける態度が
他人を深く理解するのには必要であると思われる(p248)
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しあわせ眼鏡。いろいろな体験を大切にしたい。河合隼雄さんでもこんなにたくさん綴るのだから、私も幸福ってなんだろうって考えてみよう。
モモを読み返したくなった。時間に追われていないか?のびのび生きる工夫をしているか?
2016.4.29
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いやー、それにしても、大好きです。
生き方、考え方、ものごとの捉え方。
ことばで包み込まれるように感じます。
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『一般に幸福と言われていることは、たいしたことではなく、自分自身にとって「幸福」と感じられるかどうかが問題なのだ。地位も名誉も金も何もなくても、心がけ次第で人間は幸福になれる。』人間は何かと上や下を見て人と比較をして幸不幸を考えるが、大切なのは足るを知ることだと教えてくれる。
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読んでいるときにものすごく心に響いた感じではなかったけれど、kindleのハイライト部分を読み返していたら、何度も読み返したくなる言葉が散りばめられていたことに気づいた。
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最終の頁の「音のない音」の話がフルートの音色に例えた他人の理解、幸福の定義が絶妙で腑に落ちた。
言われていない和音、音のない音に耳を傾けることが大切。
幸福というものは、厚みを持つためには、悲しみによって支えられなくてはいけない。
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河合隼雄先生がかつて新聞に「しあわせ眼鏡」という題目で寄稿されたエッセイ集である。
心理学に限らず、先生が日々感じたことを綴られている。
特に印象深かったのが
・「らくがきフルートのお話」
・満ち足りた人生の話
・悲しみのお話
・昇りつめた幸福のお話
・自立は出来ないお話
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「一般に幸福と言われていることは、たいしたことではなく、自分自身にとって『幸福』と感じられるかどうかが問題」で、幸福は目標にするものではなく副次的なもの。「何か好きなものがある、ということは、『しあわせ』につながる」というのはほんとにそうだなと思う。
20年以上前の本でテーマ含めちょっと古い感じがする部分もある。
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儀式 人が死ぬ。今まで存在していたものが急に無に帰してしまう。いったい人間はどこから来てどこに行くのだ。このような根源的な問いかけに科学は答えを提供してくれない。
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「河合隼雄(1928~2007)の幸福論」、2014.9発行。「しあわせ眼鏡」(1998年刊行)を復刊・改題したもの、59のエッセイ集。世の中の移り変わりは激しいですが、幸せとは、自分にとって「幸福」と感じられるかどうかが問題、これに尽きると思います!
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幸福とは何か、考えさせらる本です。
私にとっての幸せは、好きな時に、好きな人と会ったり、好きなことを自由にできることです。