紙の本
アンパンマンの原点
2016/01/31 10:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Toyo - この投稿者のレビュー一覧を見る
アンパンマンの産みの親、やなせたかしの郷里は高知県香美市。かつて美良布と呼ばれていた山間の町は私の郷里にも近く、ダムを見学したり、山に登ったりして遊んだものだが、今アンパンマンミュージアムなどができて、休日ともなると家族連れで賑わっている。子どもたちの大好きなアンパンマンの原点がここにはある。やなせたかしの生い立ち、環境、戦死した弟を悼む心などがたかしの精神のいしづえとなっている。
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「かなしみははるかにおくれてやってくる」
さすが、やなせ先生の残した言葉は洗練されてますなあ。
というか、戦争を生き延びた人には、頭があがりません。
白黒で表現された絵は、ささっと描いた風に見えるが、レイアウトもバランスも計算されつくされたデザインで秀逸。
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やなせたかしが、弟との思い出を詩で語る。
父親が死んだ、自分が5歳・弟が3歳のときから始まる。それからの伯父夫婦との生活や弟との生活が語られている。最後は、戦争で死んだ弟を含む柳瀬家の墓参りで終わる。その後には、詩のまとめ・詳しい説明がある。
弟との差に劣等感を感じつつも、弟を自慢に思う。戦争で海に散った弟を、海を見、海水に触れながら、やなせたかしの中では幼いままの弟を思い出す。
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シーソーは悲しい遊び。一方が上がれば、一方が下がる。でも、もう一度したいと思っても、ひとりぼっちではできない。弟への気持ち
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白黒でかかれた やなせ先生の温かい絵
弟を思った 詩には鎮魂と反戦の響きがあります
やなせ先生は 生前は出版するつもりはなく
これは 没後本にされたものだそうで
大事な大事な思い出だったんでしょうね
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2019.12.6
幼少期から大変な思いで生きてきた
戦争で弟を奪われて1人になった
アンパンマンの世界を作った人の半生を描く
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アンパンマンのマーチ
作詞:やなせたかし
作曲:三木たかし
歌:ドリーミング
そうだ!嬉しいんだ生きる喜び
たとえ胸の傷が痛んでも
何の為に生まれて 何をして生きるのか
答えられないなんて そんなのは嫌だ!
今を生きることで 熱いこころ燃える
だから君は行くんだ微笑んで。
そうだ!嬉しいんだ生きる喜び
たとえ胸の傷が痛んでも。
嗚呼アンパンマン優しい君は
行け!皆の夢守る為
何が君の幸せ 何をして喜ぶ
解らないまま終わる そんなのは嫌だ!
忘れないで夢を 零さないで涙
だから君は飛ぶんだ何処までも
そうだ!恐れないでみんなの為に
愛と勇気だけが友達さ
嗚呼アンパンマン優しい君は
行け!皆の夢守る為
時は早く過ぎる 光る星は消える
だから君は行くんだ微笑んで
そうだ!嬉しいんだ生きる喜び
たとえどんな敵が相手でも
嗚呼アンパンマン優しい君は
行け!皆の夢守る為
またこの歌が頭をぐるぐるする。
「アンパンマンのマーチ」は弟に向けて作ったんじゃないかと一部で言われているが、やなせさんは別の著書で、"ぼくはそんなつもりはなかった"と言っているそうです。
『おとうとものがたり』を読むと、この歌詞は、やなせさんご自身を励ます歌だったんじゃないかと思いました。
壮絶な幼少期を過ごし、父も弟も早くに亡くしたが、やなせさんは94歳没と長命だった。おとうとものがたりにある思いを持ちながら、これほど長く真摯に人生に向き合って生きたことを思うと胸が締め付けられる。ますますアンパンマンのテーマはやなせたかしさんご自身を鼓舞する詩だったんだろうと思わずにはいられない。
嵩さんは、弟の千尋さんと天国で出会えただろうか。
海彦山彦の新たな神話となるような兄弟の実話でした。
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人生に「たら」はない
過ぎてしまえば人生も夢と同じ
過去は自分の主観でしか振り返れない。
弟への想い、周りへの想い
後からじんわり沁みてくる。
柳瀬さんの悲しみに
柳瀬さんの愛の深さに
朝やになったような気持ち。
アンパンマンの世界を描く人が
見た世界を知りたくて
軽い気持ちで手に取ったのに
読み終わって本を胸に抱きしめた。
R.I.P
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切ない。ただ一人の肉親だったものな。
本人は出版する意図はなかったと言う。自分と弟のために書いた哀悼の本。
短いセンテンスの中に人への素直な感情も愛情の機微も余すことなく伝わってくる。これが詩人やなせたかしの実力か。
こういうバックグラウンドを知ると「生きているから かなしいんだ/うれしいんだ」というあの歌詞が途端に激重に感じられる
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大好きなやなせたかし先生と弟さんとのエピソード。生い立ちと戦争と今と。
私の祖父の今際の言葉によく似た一文、驚いた。
「過ぎてしまえば人生も夢と同じだ。どこまでが夢で、どこまでが現実なのかわかりにくい。」
どうしようもなく先生の言葉に惹かれるのは、幼い頃遠くに行ってしまった祖父と似たものを感じるからなのか。
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アンパンマンの生みの親・やなせたかし氏が、2歳離れた弟について書いた詩画集。やなせ氏自信の応召体験と弟の戦死を通して、戦争に対して大きな怒りと深い悲しみを感じていたことが、とてもよく分かる作品の一つだろう。画も文章も優しさにあふれた良い本だと思った。
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アンパンマンが子ども達を魅了するのが不思議でした。アンパンマンを生み出したやなせ先生はどんな人なのだろうかと思って読んでみました。悲しいことやつらいことや寂しいこと…幼少の時からいろんな体験をされたから優しい世界が創れたのかなぁと思いました。
戦争がなければ、弟さんが生きていれば…どうしようもないことだとわかっていても、思わず考えてしまいました。
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たまに戦争を体験した方の体験を学ばなければと思うことがある。
何と言えない気持ちにはなるんだけど。。
気がついたらやなせたかしさんがお亡くなりになってもう10年も経つんですね……
時の流れはあっという間です。。
色々なもの、よいものも悲しいかこも風化させたくないですね。