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98%まで「そうだよねえ」「うんうん」と思って読んだけれど、
「似るな似るなといひて育ててきた息子冷蔵庫にてあたまを冷やす 米川千嘉子」
という歌が問題でした。著者は、作者が自分に似ず面白いことをする息子を微笑ましく見ているという解釈をしていました。
でも私は違う。「こんなくだらない癖までだんなに似ちゃって。あ~あ」という歌だと思います。
直前に
「押入にひそむこの子よ父われのわるきところのみ伝はりけらし 斎藤茂吉」
の歌があり、作者本人に似て困ってる人と、配偶者の困ったところに似ていてがっかりしている人と対比してるのかと思いましたが、違ったのね。
茂吉に詠われた「この子」が斎藤宗吉、のちの北杜夫であることには触れられていませんでした。悪いところばかり似るなんてことはないと証明しちゃったらこの歌の面白さが減ずるからかなと思います。
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こそだてにまつわる和歌を選び、読み解くエッセイ。
著者も子どもの誕生を機に歌を詠み始めたという。
こどものともの付録に連載していたものをまとめた。
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取り上げられている一首ごとに、松村さんが、短いのですが、率直な感想をお書きになっている本です。松村さんの感じ方に異論があったりすることもありますが、これだけの「短歌」を集められたことが、まずこの本の肝だと思いました。
古今の現代歌人たちの、膨大な短歌の集積の中から「子育て」を読み取って、集められて、子育てが終わって孫の顔に浮かれる老人も、今、初めての赤ちゃん相手に頑張っているお母さんも、こうやって読ませていただくことができる本が実に貴重だと思いました。
いやはや、ご苦労様の一言ですね。
ブログにも感想書きました。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202202080000/