紙の本
ひとりの人間として
2018/05/18 22:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
聖人君主として描かれることなく、悩み苦しむ姿に共感できました。宗教家としての枠を超えて伝わってくるものがありました。
紙の本
小説・親鸞
2015/10/29 13:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ruru15 - この投稿者のレビュー一覧を見る
全巻(6冊)、一気に読み終えました。伝記のような堅苦しさはなく、とても読みやすくて面白かったです。浄土真宗の開祖としか知りませんでしたが、他の著者の親鸞も読んでみたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
下巻は荒唐無稽なエンタメ性がなりをひそめて、あっさり終わってしまった。エルガイムの終盤みたいな感覚、って、伝わんないな。
投稿元:
レビューを見る
遵西を六条河原での斬首に陥れた覚蓮坊に対する復讐心を抱き続ける竜夫人。対して覚蓮坊は、竜夫人の建立する遵念仏寺を剥奪せんと黒面法師を使って罠を仕掛けてくる。親鸞の教えとは一線を画したこの対決が執拗で、謎の存在だった竜夫人が恵信尼の妹の鹿野というのが驚きの設定だ。善鸞を義絶する親鸞の苦悩も大きなテーマなのだが、そもそも親鸞の教義がつかめず消化不良だった。信心獲得、念仏をとなえれば救われる。この端的な教えに多くの信者や弟子が惑う。京極夏彦曰く「宗教は理解するものではなく信じるもの」
投稿元:
レビューを見る
五木親鸞の最終巻。
さらに十年後の親鸞80歳代の東国の布教状況への悩みが描かれていて、周りの人間との関係が宗教を通じてのみ太く繋がっているのが崇高な感じがしました。
架空の登場人物たちによる群像劇の方は、勧善懲悪的な終わり方でちょっと肩すかしな感じでした。
表紙見開きのカーテンコール的な絵が同一人物の今昔もいたりして笑えました。
投稿元:
レビューを見る
20150621読了
2014年11月発行。図書館で4カ月待ち。ハードカバーで全6冊、その最終巻。激動篇までの4冊はもう文庫が出ている。●親鸞の最晩年と死を描く。フィクションでもあり、親鸞の思想を読み手に伝えるものでもあり。ひと一人の人生に関わる人間の数は多いわけで、親鸞が若い頃関わった人物が時を経て変化したキャラで現れるのがおもしろかった。表紙の裏には登場人物が手をつなぎ笑顔で勢ぞろい。これだけ多くの実在・架空の人物にそれなりの結末を与えるのも一仕事なんだろうなーと思った。●親鸞の実子2人が俗世的な人物で、世間の反応の最大公約数的な存在。二世の立場で信奉者を増やそうとしたり、親鸞は菩薩だから往生するときは奇瑞が起こるはずだと言ったり。血がつながっていたとしても親鸞の教えを会得するわけではないというところに少し切なさもありつつ。一方で縁者でもそのような状態なのだから、親鸞の思想を世間一般に、彼の理解同様に広めるのは、なかなか困難なことなのだろうと思った。●年をとることはおのずと愚にかえること。結局のところ宗教というものは突き詰めると、死に向かう恐怖を和らげる精神的支柱。
投稿元:
レビューを見る
五木さんもあとがきにご自身で稗史小説って書かれてますが…。
最後だからって、今までの人々を
こんなに再登場させちゃうのはやりすぎじゃないかなって。
それを差し引いても、最後まで読めてよかったです。
親鸞の生活を支えてくれる弟子の唯円・蓮位と
親鸞の念仏に対するやりとり。
親鸞自身が自分の老いに対する感じ方。
私の読書ノートに書き込みが多くなりました。
「自力」「他力」の違いは、
結局ぼんやりとしかわかりませんでした。
この小説を読んだだけで理解できるような浅いものではなく
気になるならこれから長く勉強していきなさい
ということなのでしょう。
やはり私は五木版「親鸞」像が大好きです。
最期の迎え方も、何もかも良かったです。
親鸞も周りの登場人物も好きだったので
全部読み終わってしまった寂しさが漂ってます。
教えを有難うございましたと一礼して本を閉じました。
投稿元:
レビューを見る
激動編に続いて読みました。
最初の『親鸞』を読んでいないので、少し
人物の関連性がわかりずらいところがありますが
当時(平安から鎌倉)の風俗というか時代背景が
よくわかって、京都の描写がおもしろい。
と思います。
投稿元:
レビューを見る
読書時間4時間20分(読書日数13日)
親鸞の一生が描かれた小説の完結編の後半。クローズアップされたのは、「念仏を説くということと、家族のあり方」であったように思う。
親鸞は自分の息子である善鸞に対して、結構冷たいく当たるような態度だった。それは善鸞がだらしない生活を送っていたからではなく「念仏を広げたい」という一身で取った行動が、実は本当の道ではなかったからである。
本来の親子ならもう少し親らしい態度を見せるべきではと思うのだが、そうではない。親である前に「念仏を世に広める使命感」を持って生きている親鸞だから、そういう態度を取っていたのだと。
自分も一つの職業で、ここまでの使命感を持ってやることが出来ればと思うのだが、そこまではなりきれないだろう。
あと「死ぬ間際に名号から光が見えた」とあった。自分も往生する時は、そうなりたいと思う。そのために悔いなく自分らしく生きていきたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
あとがきにあるように、本書は事実をもとに書かれたフィクションである。しかし読む側からすれば、親鸞の教えを分かりやすく説いてくれないかとの期待を持つ。ところどころに他力に関する作者の思い見られるが、確信的なものではない。親鸞も五木寛之も、思い悩みながらの他力だったのかとの感を持った。最後に近いところで弟子の蓮位が親鸞に問うたのは、私たちも同じ思い。「弥陀一仏、という教えは、間違いでしょうか」→「多くの神々や諸仏のなかから、われらが阿弥陀仏という仏を撰択したのではない。阿弥陀仏の方から手を差し伸べてくださったのだ。それがありがたいとおもう、念仏になった。念仏者が頼むのは弥陀一仏。そんな念仏者を健気と思って見守ってくださる神々や諸仏がおわす。世の神々や諸仏を軽んじてはならない。冥衆護持とは、そういう意味だ」
投稿元:
レビューを見る
期待していたラストは、親鸞(というか法然上人)の教えがエピソードとともに平易に語られてすっきり納得、というものだったが、違った。それについては、如信のようによく分かる人は分かるし、覚信のようにわからない人は分からないものなのだよ、というラストだった。親鸞の生き様が、まさに教えそのものなのだ、てことなんだと思うけど、激動編までの分かりやすさからいって、最後も分かりやすく言葉でまとめて欲しかった。理解できない自分が足りないだけか。
投稿元:
レビューを見る
完結しました。完結編では、申麻呂に竜夫人が、彼の生い立ちを明かすくだりなど、途中、何度も涙してしまった。
投稿元:
レビューを見る
他力で生き、自然に愚にかえった親鸞上人の生涯に触れることができて、本当に良かった。
闇に差す一筋の光明のようなものが阿弥陀仏ではないだろうか、と今思う。
投稿元:
レビューを見る
面白い!神格化されるということはこういうことなんだなぁ。歴史上名前の残っている人は、本人の意思とは異なるかもしれないなぁ。だから、史記なのか。史実ではなく。
投稿元:
レビューを見る
激動の生涯を「小説として」描いている。前2部からかなり間が空いてしまったが、完結してだいぶスッキリした。どこまでが史実でどこからか小説かわかりにくいところがあったが、完結編はかなり小説感あり。それだけに面白さも格別ではあるが。教義部分は自分としてはピンと来ないがそれを本書で述べるつもりはないとは思う。人間親鸞あるいは凡夫親鸞としての一生涯が描かれており、純粋に楽しめた。