紙の本
考えさせられます
2017/12/25 13:38
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投稿者:にゃんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私たちの今の時代がいかに幸せかを実感します。彼女たちの幸せを思うと、続き読みたくないー!(;_;)
知らないことも多くて、勉強になります。
電子書籍
空襲警報の音が聞こえてきそうな画面
2015/07/22 16:00
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
太平洋戦争末期の名古屋を描いたマンガの第2巻は、昭和19年末から始まります。
米国の偵察機(?)が名古屋上空を飛ぶのを見た主人公が、その大きさなどから比して自分たちの行っている勤労動員や訓練のまずしさ、はかなさを感じてしまう話が印象的です。
そして、昭和19年12月7日の東南海地震です。
マグニチュード7.9と言われ、1000人以上の死者を出したと言われる大地震に遭遇した主人公一家の驚きと、切なさが描かれています。
私の両親や親族もこの地震を経験しているはずですが、なぜかあまり話を聞いた覚えがありません。戦時中でそれどころでなかったということなのでしょうか。たまたま私の親族はあまり被害に遭わずに済んだだけだったのでしょうか。このマンガで読むと、決して見過ごすことのできない地震だったと思うのですが、人の体験や記憶は本当に様々なようです。
第10話「音」の始めに描かれている名古屋市三菱発動機大幸工場というのは、私が幼い頃に住んでいた場所の近くだと思われます。そこに描かれている工場の姿は、私には某大学の建物として記憶にある姿とよく似ています。軍需工場が、戦後は大学の教室になっていたのかもしれません。それもまた、限られた人たちの記憶の中にだけあるものなのかもしれません。
話自体はそんな建物のことでなく、空襲警報が発令された時の状況を描いています。マンガから音は出てきませんが、これまでにテレビなどで何度も聞かされた空襲警報のサイレンや飛行機の音などが、このマンガの画面から出てきそうです。
後半には報道管制が敷かれていた状況で、何とか空襲の実態を知ろうとした主人公がなけなしの金で新聞を買って読んでも、知りたいことが知らされない歯がゆさや、そうした行動を非難する大人達の姿も描かれており、たかだか70年前のことでありながら、遠い昔のことのように感じてしまう一方、なんだか時代の雰囲気が今はまたそれに近づいているような気にもなってしまいます。
この作者にとり、また私にとってもある種身近な話として描かれ、読んでいるわけですが、ここに描かれている日本や日本人の姿は、名古屋だけでない、どこにでもあったのかもしれない姿であったように思えます。だからこそ、こうしたマンガが描かれるのだとも思います。
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今ではごく当たり前の幸せが許されない時代とは……
文章で読んでもなかなか想像しずらい時代感を、このマンガはすぐ隣の身近な出来事のように感じさせられる
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東南海地震。
正直初めて聞きました。
関東大震災に匹敵する規模。
それなのに報道規制。
戦争の時代ってなんなんだろう
それを機に戦場になる名古屋。
なんかもうただただ鳥肌。
しんどいなあーーー
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1巻を酷評した。
あとがき漫画で、家族の戦争体験をネタにした受賞を誇っているのが小者っぽい。絵がきたない。女子供ばかりが被害者という視点がうっとおしい。
2巻でその思いはみごとに覆された。
本格的に名古屋に空襲がはじまる。空襲からはじまったのではない。東海大地震という、関東大震災に匹敵するほどの規模だったのに、報道規制が敷かれた。しかも、その情報は米国に筒抜けで、地震があったからわざと急所をついてきた。ぞっとした。もし、自然災害が日本に起こって、原発が空爆されたら? 現代に置き換えても十分に成立しうる事態である。
わがままで幼く見えたヒロインも強くならざるをえない。情けないと思っていた父は、家族をかえりみず救助活動をしていた。疎開先の妹の安否を憶って、主人公一家の結束は固まる。母を非国民扱いしていたおばさんにまで、情をかけられるようになったヒロイン。
やがて、空襲はヒロインをけなした女学校の動員された兵器工場を襲う。この嫌味な友だちはおそらく犠牲になるのだと思わせる。しかし、その最期というか、それを知らされた少女たちの衝撃の描き方が凄まじい。露骨にグロテスクに描かなかった分だけ真実味がある。
のほほんとした四コマ絵だと思ってタカをくくっていたら、いやはや、とんでもない怪物だった。お見それしやした、という感じ。
戦争は人を醜くさせていく。
つねに空腹を抱えて苛立つ大人たち。その苛立ちの牙を向けられる子どもたち。戦争でなくとも、現在の貧困家庭と変わらない。
この2巻だけ再読した。
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戦時中における名古屋の庶民を描いた作品の第2巻。ついに空襲が始まった。名古屋の空襲は、東南海地震の直後に三菱系の軍需工場を狙ったのが発端だったのね…。三菱航空機に学徒動員されていた主人公の旧友(?)は空襲で亡くなってもぅた。こうゆうのを読んどると、今の平和に感謝せにゃかんと思うし、モノをたゃーせつにする気持ちも忘れちゃーかんのだがね。
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うーむ重たい、みじかな人が死んでいく恐怖、次は私かもという恐怖を感じながらこの時代の人々は生きていたのだから凄いよなと感じます。
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帯文(裏表紙):偵察機を目撃したあいは、空腹も重なり、些細なことで班長や仲間を憎もうとしてしまった。戦争の足音が少女の純粋な心までも蝕もうとする中、昭和19年12月7日、名古屋を最初に襲ったのは敵国ではなく、大地震だった。さらに追い打ちを掛けるように、12月13日、三菱発動機に爆撃が。そこは・・・
目次:第7話「歩くピアノ」,第8話「欠けゆく街で」,第9話「妹からの手紙」,第10話「音」,第11話「空襲の心得」,第12話「後ろ」,第13話「ともだち」,第14話「顔」
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1巻ではまだ戦争はあまり身近ではなかったのだけど、とうとうやってきた空襲。
そして貧富の差での友達との軋轢。
でも裕福な子もまたその境遇ならではの苦しみも抱えてて切なかった。
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昭和19年12月7日、戦時下の名古屋を襲ったのは昭和東南海地震。壊滅的被害を受けたことを日本軍は隠したつもりで、世界の地震計が感知していたのだから筒抜け、そして弱り目を狙って始まる名古屋大空襲。「地震の次は何をお見舞いしましょうか?」米軍のばらまいたビラの文言は、当時の市民を怯えさせるのに十分だったことだろう。一少女の感じた戦争、戦時下の生活。花形の軍需工場に動員され、たらふくご飯を食べて贅沢な暮らしをしていた裕福な友達が、爆撃で死ぬ。このあいだ、死にたくない替わってよ、と泣いて叫んだ友達が。静かに描かれる物語の中にかいま見えたのは、女子供の立場の弱さ、教育の大切さ。学徒動員された子供たちは勉強もさせてもらえず、新聞の漢字も全ては読めない。そんな細かい所まで、本当に緻密な取材で描かれている。
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名古屋は大産業地帯で、当然武器工廠でもあり空爆にさらされ勤労動員の青年も犠牲に。キチガイ米軍機は「地震の次は何をお見舞いしましょうか」カラカイまでした、有色人種の怒りは消えないが、潜んでいく。
花ちゃんが死んだのは拒食症というか戦争恐怖症?