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投稿者:吉村ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
奥田さんの作品は超長いものが多いが、この作品も
そのひとつです。
しかし、物語の進み方が早く、
どんどんと読み進めることができました。
電子書籍
破天荒なお父さんから学ぶ
2021/09/06 13:06
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
「普通」の枠から飛び出した上原一家から、新しい家族のかたちが伝わってきます。舞台を南の島に移した後半で、父の一郎が常識人に落ち着いてしまうのが残念でした。
紙の本
子どもたちの別れのシーンにホロリ
2019/07/21 23:49
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
破天荒な父親と暮らす二郎の東京での生活を描いた第1部と西表島での生活を描いた第2部に別れていて、第1部は雑誌に連載されていたもので、第2部は書きおろしだ。第2部の父親は元左翼運動家全開で農作業や漁業に勤しみ、体制には牙をむくかっこいい感じなのだが、私は働かない元左翼のぐうたらおやじだった第1部の父親「一郎」の方が好きだった。東京には居場所がないという窮屈な一郎さんで終わっても面白かったかもしれない。第1部での二郎と同級生たちとの別れの場面には、よくある場面だと思いつつも涙が出そうになった、子供たちの描き方が丁寧だからだろう。妹・桃子の言動もかわいい
紙の本
前半と後半の対比
2023/08/01 17:55
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名とか紹介文から「イン・ザ・プール」系列のユーモラスな作品かと思って読み始めた。ところが、学校内いじめやすっかり時代遅れの過激派の話など、シリアス系のストーリーなのですっかり驚いてしまった。ところが後半は、明るくて輝かしく、終盤への盛り上がりも十分で大変に読み応えがある。主人公を小学六年生にしたのも成功の秘訣かな。前半の沈んだ重苦しい雰囲気との対比が際だっている。西表島の人々の生活は原始共産制を彷彿とさせる。南の島だからこそ成立するものではあるが。
確かに多様な作風を持つ作者奥田英朗だけにこのような前後半の対比ができるのだなと、改めて感銘を受けた。
とりわけ母親のさくらさんの「男らしさ」とても素晴らしい。
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元運動家を父に持つ少年の成長記録。父の言動に問題があるけれど一本筋は通ってる考え方ではあるけれど、あまり反社会的すぎて賛同できない。思ってたのと全然違う話でぶっ飛びすぎて、あまり楽しめなかった。
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元過激派の両親を持つ小学生上原次郎。常識なんてぶっとばせ!こんな父親がいたら子供としては、困った事になるけれど、こんな大人がいたらカッコイイな~。と思える素敵な夫婦と家族のお話です。
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元過激派の父を持つ都会っ子上原二郎が主人公。まあなんだかんだあって南の島に移り住むのだが、そこでも父は騒動を起こし。。。
元過激派というところに重点を置いていて、そこら辺の描写はそこそこまともなのだろうが、こう学校やその他の描写に固定観念というか作者の思い込みのような描かれ方がされていてそこら辺がとにかく気になる。
まあ父の行動は反国家なので一貫しているが終始なんだかなぁで終わった印象
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665ページ。非常に長く、父親が元過激派で国家、組織との関わりを一切拒絶しているという設定があるも、あまりそのテーマと関係ないような話がちりばめられている。1部の登場人物は、2部ではほとんど絡んでこないので、もっと短くて良かったんじゃないかと思う。2部の何もない島で時給自足の暮らしを楽しそうに始めるあたりは良かったが、結局続かない。これだけの長編なら他に面白いのが五万とあるな(少年の成長ものなら次郎物語が100倍面白い)ということで星二つ。
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父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか? それとも勇者? 家族の絆、仲間の絆を描いた傑作長編。
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奥田英朗さんの話はとにかく勢いがあって長編なのにあっという間に読み終えてしまう。
破天荒でワケがわからない国家権力が大嫌いな反社会主義?の父親に振り回される家族(妻であるさくらは正確には違うんだけども)の話なんだけどとにかくこの父親がすごい。
わけがわからなすぎて、それなのに途中からものすごくかっこよく見えてきちゃうんだからすごい。
これは違うと思ったら戦え。負けてもいいから戦え。人と違っていてもいい。孤独を恐れるな。理解者は必ずいる。
違うと思っても色んなことを考えて我慢するのが当たり前、争うのが大変だから我慢しよう、そういうのも大事だとは思うけど
譲れない何かのために怒って戦える、そういう大人って最高にかっこいい。
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想像通り面白かった。
父親のアナーキーなところも、主人公の常識的なところも。
学校とか同級生たちとの日常の話が面白くて、最後まで楽しんで読めた。
父親の思想は今の世の頭がお花畑の人とはちょっと違うとは思ったけど、こういう考えはないだろうと思うなぁ。
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ある5人家族・上原家のお話。
元過激派で左翼派の破天荒な父親・一郎と、彼に呆れつつふりまわされる長女・洋子、長男・二郎、次女・桃子と、父親と子どもたちを優しく見守るが謎多き母・さくら。
前編、後編と分かれている。全編にわたり、小六の二郎の目線で描かれる。前編は、東京の中野が舞台。後編は、沖縄の西表島が舞台。
上原家は母が一人で喫茶店を切り盛りする。対して、父は自称・作家と言いつつ、家ではごろごろしている。そして、年金取り立て、かつての活動家達、二郎の学校の教師など、あらゆる人間とあらゆることで争い、持論を振りかざす。二郎はそんなちょっと変わった家庭で過ごしながら、また、彼も不良上級生達との争いに巻き込まれ親友達と共に悩み、攻防を繰り返す。11歳ながら悩みは尽きない。
後編は、父の一言で、一家は父の故郷である西表島に移り住むことに。島の人達の優しさに触れながらも、またそこでも父と上原一家には様々な厄介ごとが次々と降りかかっていくのだった。
何と言っても父、一郎の存在感が半端じゃない。「俺は日本人をやめる、年金など払わない、学校など行く必要はない。」
とめちゃくちゃな事を言う。自信満々に。
正直この偏屈親父に、私もイライラさせられっぱなしだったが、終盤は何だかカッコよく思えてくるのが不思議だ。
破天荒で自分を曲げることのない父だが、二郎には、自分の生き方、考え方を押し付けない。
「お父さんを見習うな。お父さんは少し極端だからな。けれど卑怯な大人だけにはなるな。立場で生きるような大人にはなるな。これは違うとおもったらとことん戦え。」と。
このシーンは良かった。
家族のために普通に働けよ!と何度も思ったけどね。
前編の、クラスメイト達とのシーンも好きだな。愛着が湧いてきて、別れは私も寂しく感じた。家族だけでなく、友情の魅力も感じることのできる一冊となっていると思う。
映画化もされているらしい。父がトヨエツ、母が天海祐希、そして長女の洋子が北川景子だって。これは面白そう。見てみよう。
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前半と後半でだいぶ様子がちがう。構成がめちゃくちゃなようで、多分実はめちゃめちゃ考えられてる。
父ちゃんはなんだかんだいって憎めない。
涙あり、笑いあり、感動あり、かなり好きな感じ
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もうサウスバウンドが出てから10年か、と時の早さに驚く。この本を読んだ時は絶望的に仕事してなかった。そして再読した今もあまり仕事していない。
仕事が少ない時期に惹かれるのかもしれん。
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分厚い本。
前編の第一部は、主人公の二郎が通う東京の小学校が舞台。
小学生なりに同級生や上級生との関わり合い、そして元過激派の常識はずれで問題を起こす父への反感など、子供と言えども一人の人として悩み戦い成長していきます。
後編の第2部は、東京では住みづらくなった二郎家族が西表島に引越しし、物語の背景が島民たちの温かさを含みガラリと変わります。
東京での生活とは打って変わり活き活きと生活する父、そしてまたしても権力と戦う父と母の姿を目の当たりにし、二郎は成長していきます。
国家権力がだ嫌いな父のキャラが面白い。
他と関わるたびにムチャクチャで問題を起こすけれど、言っていることは的を得ているところが痛快であり身につまされる。
二郎と一緒に、戦うことの意義を学んだ気がする。
協調性ばかり気にして、戦うことを忘れてしまった大人にお勧めの一冊。