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安部公房の最後の本(確か)。よりにもよって、これを一番最初に読んでしまった。
でも、にも関わらず今では私は安部公房オタク。
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「箱男」を途中までしか読んでなかったのになぜか売ってしまった中学時代!なぐりたい(その自分を)!
安部公房(この人はフルネームで呼びつけたくなりますね)のアタマの中ってやっぱりちょっとシュールだよね 書かれてることはたぶん氷山の一角にしかすぎないけど
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安部公房の本を読みたかったし、エッセイで読みやすそうだったので、購入した
夢をノートに記すということ
良い夢に関してのそれは経験があるけれど、頭が混乱しないのだろうか
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恥ずかしながら最近読みました。
エッセイ(?)なのに面白い。
この本を読んだら「ああ、私に作家なんて無理だな」と感じた。
こんな思考回路持てませんて。
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夢のスナップショットが中心の創作エッセイ
読了日:2007.4.30
分 類:エッセイ
ページ:156P
値 段:362円
発行日:1975年11月新潮社、1984年7月発行
出版社:新潮文庫
評 定:★★★+
●作品データ●
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テーマ:夢
語り口:エッセイ
ジャンル:エッセイ
対 象:一般向け
雰囲気:夢か創作か?
カバー:安部 真知
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---【100字紹介】----------------------
夢は意識下で書きつづる創作ノートである。
ただし白昼光の中ではみるみる変質してしまう。
有効利用には、新鮮なうちに料理しておくべきだ。
枕元に置いたテープレコーダーで、
その場で生け捕りにした安部式夢エッセイ
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安部公房です。こういう評価の高い故人の大物作家さんを読むと、ちょっと緊張してしまう菜の花です。だって、凄いんですよね?それをもしも凄いなあ、と思えなかったら、何だか菜の花の読者としてのレベルが低い気がしちゃうんですよね。まあ、でも、読書なんて趣味のことですから、たまたま趣味が合わなかったんだ、ということなのでしょうけれど。意外に菜の花、権威主義だったらしい…?
そんな心配をしながら読み始めましたが…、ああ、これは。他に類を見ないと言いますか。この独自性は素晴らしいですね。最初の発行が菜の花の生まれる前。何しろ著者自身が故人ですものね、古いですよね。それでも、今読んでも全然問題ないというか、時代とか関係ないというか、色あせないというか…、そう、古いものを読んだとき、古いなあと思わせないものがあるのはきっと普遍的な面白さを内包しているからだと思うのですが、まさに。これが文学的ってやつかな、と思ったりします。時間と共に消えてゆくなら、それは流行りものに過ぎない。真の文学は決して、色あせたりしないのだよ、とページの向こうから声をかけられるような。
そもそも、素材が「夢」。
表題作「笑う月」の中で著者自身が
ただし夢というやつは、白昼の光にさらされたとたん、
見るみる色あせ、変質し始める。―(本文より)
と書いているくらいで、簡単に色あせてしまってうまく伝えられないものなんですよね。菜の花も毎日のように奇妙な夢を見るのですが、これをうまく日記に書いて人に伝えられないのがもどかしいものです。夢の話は自分の中の暗黙の了解と、目の前で認識される動きが複雑に絡み合って印象づけられますから、その辺りの分析を冷静に行なう必要があるのと、更にそれを自然に伝えられる筆力が要求されます。
著者は夢を見たらすぐに生け捕りに出来るように、なんと枕元にテープレコーダーを置いておいて目が覚めたらすぐに吹き込む、なんてことをしていたそうですが、うーん、凄いガッツ。そして十分な分析力と筆力を有していたために、こんな作品が出来上がったというわけですね。しかも大いに文学的だ…。
とりあえず、この著者が評価されるのは納得できたということで。しかし、珍しい作品ですね。夢の話か…。そしてここか���着想を得て、周りから見ると不思議ながらも確かにそれを育て上げた(と本人が分析する)作品があるというのも、ああ、作家さんだなーという感じ。
ところでこの「笑う月」とは、著者が何度も見たという、なじみ深い夢に出てくるもの。直径1メートル半ほどのオレンジ色の満月で、花王石鹸の商標みたいな顔があって、地上3メートルのあたりをふわふわと追いかけてくるらしいです。とても怖い夢らしいのですが…謎ですね。不気味ではありますが。
…菜の花もテープレコーダー作戦とかやってみるか?と思わず本気で検討してしまいました。まあ、今時ならICレコーダかな。
●菜の花の独断と偏見による評定●
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文章・描写 :★★★★
展開・結末 :★★★+
簡 潔 性 :★★★+
独 自 性 :★★★★★
読 後 感 :★★★
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小説だと思って買ってエッセイだったことがショックで買ってから随分経つがあまり読み進められていない。
安部さんらしさはぷんぷんにおってるけどね。
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「公然の秘密」という短編は
何度読んでもどういうわけか
涙が出てきます。
ストレッサーとなりうる話の筋
だからでしょうか。
他編も好きです。
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私を笑いながら追いかけてくる、直径二メートルほどの月――。
表題作『笑う月』の他、安部公房の捕えた夢のスナップショットたち。
小さい頃に見た、不気味な夢のような小説を書く安部公房ですが、この作品はその出発点、創造の芽である夢の話。
安部公房にしては珍しい、エッセイというようなものなんでしょうか。
最初に読んだ時は、安部公房節のきいた短編集かと思って、少し混乱してしまいました。
でも細かい設定、考え方等が織り込まれていない分、短編集としては、安部公房にあんまり慣れない人でも楽しめるんじゃないでしょうか。
シンプルな不合理だか合理だか分らないものに対する不思議な好奇心を引きつけられるけれど、あの人を混乱させまくる小難しさが無い。
それにしても、エッセイというか、普段考えていることを綴っているだけのはずの短編集で、あんな訳の分らんことを普通に考えている時点で、やっぱり安部公房は天才という名の馬鹿なんだろうなあ、と思ってしまいました。
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安部公房の著書の中ではかなり読みやすい方でスラスラ読めた。夢についてこんなに深く考察するあたりや言い回し、アプローチの仕方はさすがだと思う。
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安部公房が眠っているうちにみた夢の記録。
不思議で少し怖い無意識の物語。
これほどじっくりと他人の夢の話に耳を傾けることはあまりないので、大変興味深かったです。
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「通常の論理的思考(覚めた言葉)では辿りきれない迷路だったとしたら、その道を辿ろうとすること自体が無駄な努力と言うべきだろう」
「芸術が現実からの反発である以上(僕はそう信じている)、いくら無いように見えても、何らかの道筋はあるに違いない。地図に作成しかねるような道だからこそ、創造的表現にも辿り着けるのではあるまいか。」
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スラスラって読めるもの、
ゾッとするもの、
淡々と進むが何とも言えない後味が残るもの、
「えっ?」と読み返したくなるもの(個人的には『自己犠牲』がそうでした)
エッセー・小説の間というのでしょうか。
安部公房ならでは、の独特な短編集です。
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この本を読んでから、僕も夢を記録している。夢ってすごい。自分の想像をなぜか悠々と超えてしまうのだから。
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彼の夢の話。わけわからんことが日常に同化してゆく。少し不気味テイストだが、ほっこりしたい時に読みませう。
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著者の夢の記録から生まれた発想を、断章風に、あるいは短編小説風に綴った短い文章が集められた一冊で、小説作品の舞台裏を垣間見せてくれる。ゴミへの偏愛を語った「シャボン玉の皮」など実に興味深い。