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展覧会へ行き抄録として購入。2冊組。サグラダファミリアを始めとするガウディの建築物は完璧な個の集合体。1冊目はそんなガウディが関わった建築物の設計図や建物を収録。2冊目は井上雄彦さんが想像力を巡らせ、ガウディ幼少期や老年期をマンガに落とし込んだものなどの作品が収録されていた。
もちろん絵のサイズ感は無かったが、ゆっくりと作品を観ることができ、色の使い方や、最初観たときに気づかなかった絵に隠れていた虫を発見できたりと、いい使い方ができている。
また井上雄彦さんがこの展覧会の監修者でもあるサルマンティさんにインタビューをしており、それを通して井上雄彦さんの作品に対する思いがどのようなものであったのかをうかがい知ることができた。
完璧な個の集合体。感じたのはそれ。
ガウディは幼少期に病弱であり、動き回ることができなかったようである。そのため井上さんのマンガでもあったが、一つの場所にいながら対象物を深く洞察する術とそれを想像する力を得たのでは。物事は微細なもので創りあげられているということを幼少期から学び取っていたのでは。
それは井上さんの作品からも感じ取れる。墨の動き一つとってもそうだが、例えばスラムダンクの選手の汗にも見ることができる。微細なことへのこだわり。
井上さんとガウディ、通ずるものがあるんだろうな。
自分も細かい所作を含め、自分が生きて通るもの全てに意図をもちたいと感じた。