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基地存続と原発を止められない理由がきれいに繋がりを持つ、オソロシイこの国の現実。事実を知ることからすべては始まると思う。
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安保法制の閣議決定等、相当きな臭くなってきた今読んでおいてよかったです。
僕らは一応憲法で人権が守られてると思って生活してますけど、殊に米軍基地と原発に関しては、憲法が機能せず国民の人権が蔑ろにされている現実を目の当たりにします。
なぜ戦後70年経っても沖縄は米軍の軍事占領状態にあるのか。なぜ首都圏の上空全体が米軍に支配されていて、日本の飛行機はそこを飛べないのか。など、基地に関しては日頃からアメリカの影響力について考えてましたが、原発にも同じような論理が働いているとはあんまり考えてませんでした。
本来国民の人権を守るはずの憲法がどのような理路で機能不全に陥っているのか(憲法より優先されているものとは何か)がこの本でよくわかりました。
それから、集団的自衛権というものがどのような歴史的文脈で登場したのかもわかりやすかったので、今後日本がどのような状況に巻き込まれ得るのか想像することができました。
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日米開戦の日前夜12月7日に一気読み。衝撃。護憲・改憲の固定観念が崩れ落ちていきました。こんなに難しい問題をこんなに平明に語っていく著者の知性、そして行動に尊敬を感じます。いろんな議論はあるでしょうが本書が示した視点を見て見ぬふりをせず日本人全体で悩むことがこれからやることなのだと思いました。まずは一週間後の選挙か…
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P184抜粋
極限まで簡略化した「日本国憲法の真実」
憲法についての日本の悲劇は、「悪く変える」つまり「人権を後退させよう」という勢力と、「指一本触れてはいけない」という勢力しかいないということ。
~~~~~~~~~~~~~~ここまで抜粋~~
このほかの文を抜粋して記録すると、どうしても別の事柄とつきあわせた解釈をされて誤解をまぬがれない気がする。
憲法とは?というレベルの世界的な認識をわたしたちは学び必要があるということだ。
タイトルである『日本はなぜ「基地」と原発」を止められないのか』を知るには、70年以上前の歴史までさかのぼる必要がある。
読み進めていくのがこんなにつらい本はなかった。
けれども、最後まで読むとわかることがある。
これから日本人はもっと多くを学び、多くの事実を受け容れ、日本人の手で日本を創っていくことを始めていい。それは戦後初の試みになるし、それが世界と手を取り合っていくという世界初の国の在り方を模索していくプロセスになるかもしれないということ。
事実を知り、受け容れ、そして何をすべきか。
こんなにもはっきりとわかりやすく書かれている本はこれまでになかった。
すべての人に一読を勧めたい。
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目から鱗な情報が多く、読んでよかったと素直に感じた。
日本は親離れならぬ、アメリカ離れをする必要がある。
まさか日本からアメリカにいろいろとお願いをしているとは思わなかった。
無知というのは、罪であると痛感した。
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本書のタイトルはまさになぜと思っていることだ。
原発事故の結果、ドイツやイタリアでは原発廃止が決まったのに、当事国である日本では再稼働が始まろうとしている。
戦後70年経つのに、米軍基地はなぜ撤退しないのか、沖縄の基地問題はなぜ進展しないのか、
鳩山首相はなぜタイ人に追い込まれたのか、小沢一郎はなぜ失脚させられたのか、
東京もう沖縄も全く同じ、占領軍が在日米軍と看板をかけ変えただけ。
Google、昭和天皇広島巡幸
戦後ヨーロッパでは敗戦国の王室はすべて廃止された、
本当は憲法をより大切な日米地位協定入門、
米軍機は、日本全国で低空飛行訓練をすることで、いつでも日本中の原発を爆撃できるオプションを持っている。
在日米軍基地と憲法9条二項、国連憲章敵国条項の問題は密接にリンクしている。
日本国内で有事、つまり戦争状態になったとアメリカが判断した瞬間、自衛隊は在日米軍の指揮下に入ることが密約で合意されている。
長い長い戦後の対米従属の物語と、米軍と日本の支配層が一体化した安保村の歴史、
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沖縄県普天間基地の移設問題が注目されているが、実は米軍基地の存在が問題になるのはそれだけではない。首都である東京上空ですら、米軍が独占的に使用する広大な横田空域が設定され、日本の飛行機は日本の空を自由に飛ぶことができない。また米軍は協定上では日本国内の「いかなる場所へも」展開できる。つまり日本は到底独立国家の体をなしていないのだという事実。国連(United Nationを「国際連合」と訳しているのは詭弁で、実際は「連合国」である)では日本だけが敵国条項から外されていない。アメリカに次ぐ多額の供出金を払っているのにもかかわらず。
つまり未だ日本はアメリカの事実上占領下にある。そして悲しいことに政治家も官僚も自らの保身のために、それをよしとしているのだ。したがってアメリカがその必要性を失うまでは絶対に「基地」はなくならないし、同じく「原発」もなくならない。これが「美しい日本を取り戻す」と言っている連中の正体である。
ほとんど絶望しか残らない内容だが、これを知ることから始めないと仕方が無い。恐ろしい本である。
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日本の憲法ができた経緯と現在置かれている状況を、整理して捉え直している。米軍が、自国民に対しては決してできないことを、日本人に対してはでき、日本上空を自由に使える状態にあることも説明されている。
1959 の砂川裁判判決で、最高裁が安保などの政治問題で憲法判断しないことを判例とし、安保法体系が憲法を含む日本国内法の上位に位置する体系が確立されたこと。
密約体系があり、有事には自衛隊は米軍の指揮下に入ることが合意されていること。
United Nations において、日本だけが旧敵国の位置に置かれたままであること。
など、文書の裏付けがありながら、日本国内で一般人の目から隠されている事情を知ることができる。
著者は、この戦後体制から脱却する道筋を提案している。そのためには、現行憲法ができた経緯、背景と、それと並行した国際情勢の変化に対応した改憲ができなかったために現在のおかしな状態がもたらされたことを、国民が知る必要がある。
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政治家ではなく官僚が国を動かしているのは何故なのか?民主主義というものが名前だけなのは何故なのか? 原発をなくす為にやらなければいけないことは基地をなくす為にやらなければいけないことと同じで、どちらか一方を解決するためにどちらか一方に目をつぶる、知らぬふりをすることは出来ないのだと思った。
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矢部さんは、孫崎享さんの『戦後史の正体』などの「戦後再発見双書」を立ち上げた人で、本書はその中に入れてもよかったのではないかと思うが、本書で、沖縄の基地と原発がやめられない原因は同じ、アメリカが超法規的に日本に君臨しているからだという論を展開している。沖縄の普天間が住宅密集地にあることはよく知られているが、そこにある米軍家族住宅地の上を米軍機は飛んで行かないことになっているらしい。それは当たり前で、アメリカ本土でも基地のそばに住宅地があれば軍用機はその上を迂回するらしい。つまり、アメリカは自国では民主主義、日本では帝国主義をふりかざしているのである。なんということだろう。本書では、戦後史における天皇の政治的役割が述べられている。これは豊下楢彦さんの『昭和天皇・マッカーサー会見』(岩波現代文庫)の成果を踏まえているが、戦争遂行に深く関わった天皇が戦後の日本の歩みに関わらないはずはない。それより、ぼくにとってよりショックだったのは、いわゆる最初の安保条約が、日本を守ると言うより、日本の再軍備を警戒するためのものだったということである。日本に向けてのものだったということである。(それだけドイツや日本の再軍備は恐れられていたのだ)それは、国際連合が中国の言うように「連合国」であり戦勝国を中心として結成され、ドイツ、日本などは「敵国」としてその憲章の外に置かれたことである。ドイツに対してはやがて「敵国」条項がとれるが、日本は今もそのままだということである。また、矢部さんによれば、日本国憲法はまさにアメリカによって与えられたものであり、それは当時の、国連に権力を集中し、軍事行動は国連軍が一手に引き受けるという世界の理想を代表したものであったが、その理想は冷戦の開始とともに葬り去られ、ただ、その過渡的措置であった米軍の駐留だけが続いているということである。白井聡さんのいう『永続敗戦論』である。(ぼくは永続敗戦否認論と言うべきだと思うが)2014年末の選挙では、沖縄の基地撤去派がすべて当選するという結果になった。日本政府はいつまで、東西ドイツ、南北朝鮮のような状態を、沖縄と本土の間に続けるつもりなのか。
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読んだ後、がっくりくる内容なのです。でも読んで良かった・・
知っておかなくては。そして 止めたい・・・
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「敵国条項」この言葉を知らない人、日本は既にその立場を払拭できてると思い込んでる人、は直ちにこの本を読むべきだ。
買うお金のない人は、Part 4だけでも良いから立ち読みせよ!
なお、全般に重要で日本に居住する人は是非知っておくべき情報が読み易く満載されているのだけど、日本国憲法に関して著者が書いている内容は拙速による危険が大きいと思われ、その点だけは注意深く読むべきだ。
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読後、暗澹たる想いとなりました。でも、ここに書かれていることは日本国民は知っておかなければなりません。今からでも遅くはありません。私たちよりずーっと若い世代の人たちが日本人としての誇りを持てるような国を創るためにも、戦後西ドイツが歩んだ道を私たちも実行に移しましょう。最高裁の「統治行為論」や安倍首相の発言の「過去の歴史評価は歴史家の判断に任せる」など、無責任極まりないシステムや態度に国民はもっと憤りましょう。そうしないと日本はどうしようもない情けない、世界の人が誰も相手にしない国になってしまいます。
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Facebookのニュースフィードを観ていてこの本の存在を知り、即座に取り寄せて読み始めたのに3日もかかってしまいました。
ここからは本のレビューではなくて自分自身のことになってしまうわけだけれど、正直なところ、ものすごくショック。この歳(50歳)まで知らなかった自分のバカさ加減、不勉強さに呆れ果ててしまいました。読み進むにつれて力が抜けていく自分の無知、不勉強、馬鹿さかげんがとても情けない。
だけど、呆然としていても仕方がないし、ただの小市民たる僕ができることなんてたかが知れているけれど、自分なりに勉強を続けていくことしか、この脱力感に対してできることはないのかもしれない。世の中を誰かが劇的に変えることができるわけではないだろうし、国の最高権力者になったとしても一人ではなんともならないものだということは、政権交代後に起ったことを見れば明らかだけど、深く学んだ上で思慮深く粘り強く先の展望を開いていこうという政治家があらわれた時に、正しく評価し、支持していくためには、僕ら一人一人がきちんと物事を考えていなければならないと思うのでした。
そういう気付きがあっただけか?といえばそうかもしれないけれど、何も気づかずにただただ護憲を叫ぶだけではダメなのだということを考えさせてくれた一冊です。
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ようやく読み終えました。
本のタイトル、「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」ということについて、かなり丁寧に実証的に書き上げた力作です。
少々読み辛くはありましたが、刺激に富んだ内容でした。
説得力を持たせようとしたせいか、法体系の話に矮小化されている気がしないでもないですが、「中道左派」の方々に、是非読んでいただきたい一冊です(笑)