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入門講義キリスト教と政治

入門講義キリスト教と政治 みんなのレビュー

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みんなのレビュー2件

みんなの評価3.5

評価内訳

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2 件中 1 件~ 2 件を表示

2015/03/07 23:07

投稿元:ブクログ

旧約聖書から現代アメリカにおける福音派の思想までを扱う、キリスト教政治思想についての包括的入門書。本書全体を貫く視座は、旧約において、唯一神が万人に理解可能な啓示を通じて人間集団を形成することを命じた、という「共同性」の視点と、世界の終末において神が悪を裁き正義を実現するという「終末意識」の視点である。この二つが旧約・新約で提示されたメッセージだとしたうえで、政治という営みを一定程度相対化する思想を包含したキリスト教が政治をどのように理解していくことになったのかが本書第2部以降で描き出される。第2部では古代地中海世界における教会のあり方がテーマとなるが、独立した章を当てられているのはエウセビオスとアウグスティヌスである。アウグスティヌスはとりわけ、国家を「盗賊団」だとするほどに政治の営みの意義を相対化する視座の持ち主として論じられる。一方でエウセビオスは、終末意識という点では評価は低くならざるを得ないものの、聖書が教える共同性という視座からすると、必ずしも聖書的伝統から逸脱していないのではないか、という興味深い解釈がなされる。第3部の主題は中世における教会と政治の関係であるが、中世を貫く基本問題として両剣論という問題が提示されたあと詳細に論じられるのは以下の人々である。すなわち、皇帝の動向を統制しようとしたグレゴリウス7世、教皇権と皇帝権を広義の教会の権力の担い手とし、帝権移転論をもって既存の政治権力を正当化するフライジングのオットー、アリストテレスの理論を応用し世界を目的論的秩序を持つものと捉えたトマス、これらの人々とは逆に教会の支配権を世俗秩序から排除する枠組みを提示したマルシリウス、といった人々である。第4部では、基本的に共同体のあり方を議論の中心にした中世キリスト教の政治思想に代わって、終末意識を復活させる営みとして捉えられた宗教改革がテーマとされる。扱われるのはもちろんルターとカルヴァンであるが、ここではルターが律法を遵守することによってではなく福音を信仰するによって救済が約束されるという論理を持つ信仰義認説をとったことにより、行為の規律を目的とした規範の地位が低下することになったが、この問題に対してカルヴァンが律法を遵守することの重要性を強調することによって一定の解答を与えた、と捉えられている。このような終末意識を重んじる教説からは、政治に対する無関心と政治を手段として捉えて相応の意味を与える理解のどちらも導き出される、だから、宗教と政治の関係は近代において多様化することになる、という結論が提示される。第5部では近現代の教会と国家の関係が論じられる。おそらくキリスト教と政治の関係を論じるにあたっては最もよく参照される時代だろうが、本書の叙述は、ドイツにおけるプロテスタンティズムの展開とイギリス・アメリカにおけるキリスト教の展開という形で近現代を整理している。まずプロテスタンティズムから派生した敬虔主義の伝統が論じられる。そこでは主に、聖書に対する文献学的・自然科学的吟味から聖書の教えを守ろうとする試みとして、神に対する「絶対的服従の意識」において神を直接に意識することをキリスト教の中核だとしたシュライエルマッハーの神学、イエスを道徳の模範として捉えるリッチュルの神学が取り上げられる。それに対して、個人の「決断」の契機を重要視するカール・バルトの神学が対置される。バルトのすでに終末が始まっているという「現在終末論」に対しては、その決断を重視する論理では、何に向かって決断するべきかを説くことができないとする批判を加え、終末後の出現するとされる世界のあり方を模範として現在の秩序にも関与していくべきだとする「未来終末論」がまたしても対置される。最後に来るのが英米を扱う二つの章であるが、ここでは、ピューリタニズムが提示した重要な観念として、離脱可能性を前提とした自発的結社としての共同体という観念が提示される。これがアメリカの政治文化の構成要素となっているという指摘がなされるが、その帰結として、理念を共有しない者に対しては排除的であるような共同体観が提示される(このとき、宗教的教説に加えて、アメリカの地理的広大さが重要な役割を果たしたことが強調される)。このように過剰に理念を重視する「モラリズム」を批判した神学者としてラインホルド・ニーバーが取り上げられたあと、ニーバーに対して反感を抱き、素朴な信仰に立脚してアメリカの伝統的価値観を擁護しようとする「宗教右派」の思想が重点的に取り上げられて本書は閉じられる。本書のページ数はそれほど多くはないが、旧約の時代から現代アメリカまでを包括的に扱い、共同性と終末意識という二つの柱のもとで各々の考えがどのような帰結を持つに至ったかが綿密に記述されているという点で、非常に読み応えのある著作だった。

2016/04/03 11:19

投稿元:ブクログ

キリスト教と政治の関係について、古代から現代にかけて論じた本。
世界史の知識があった方が理解が進むと思う。個人的には、キリスト教が政治との距離感をいかに保ってきたかという点が、興味深かった。

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