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約束(角川文庫)

約束 みんなのレビュー

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みんなのレビュー256件

みんなの評価3.8

評価内訳

256 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

約束の先には希望が

2008/07/12 07:42

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サムシングブルー - この投稿者のレビュー一覧を見る

「約束」は7作品の短篇集です。
 「夕日へ続く道」の冒頭は「二月のベンチは冷たかった。薄い学生ズボンをとおして、真冬の地面の寒さがじかに伝わってくる。」です。もう、最初から引き込まれました。
 川本雄吾は13歳。学校に行けなくなり、中学一年生の冬を公園の冷たいベンチで過ごしていた。コンビニでカップラーメンとおにぎりを買い、日が暮れるまでひとり公園にいる。雄吾のいる児童遊園の外を通る廃品回収の軽トラック。大型冷蔵庫をトラックに乗せるのを手伝ってから廃品回収の老人と交流がはじまり、少年は少しずつ変わっていく。雄吾はトラックの助手席に乗り源ジイと廃品回収をするようになっていく。ある日、源ジイは仕事中に意識を失い救急車で病院に運ばれた。源ジイは左半身が麻痺になり、リハビリがはじまる。雄吾は源ジイから「なあ、兄ちゃん、おれと賭けをしないか」と言われる。その賭けとは……。読む前からその賭けは想像がつきました。そしてそうなって欲しいと思いながら読み進みました。石田衣良さんの巧さはここからです。読後感がたまらなくいい。

7作品
約 束
青いエグジット
天国のベル
冬のライダー
夕日へ続く道
ひとり桜
ハートストーン

 石田衣良さんのあとがきに「小説は出来不出来ではなく、届くか届かないかなのです。」と書かれています。石田衣良さん、私の心に届きました。

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紙の本

かなしいけどやさしい

2007/09/28 01:04

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:じゃい - この投稿者のレビュー一覧を見る

親友のヨウジが自分を助けて殺されてしまった。
ヨウジはぼくのあこがれ。英雄だった。ぼくはヨウジになりたっかた。
なぜ自分ではないのだろう。ヨウジがなぜ。

あまりにも辛いことがあった。怪我はしていないが意識が自分を苛む。
自分を痛めつけ、目に見える直接感じられる痛みで心の痛みとの均衡を獲る。
終わりにすることが、とても魅力的に感じられるのだ。

辛いのもわかってるし、それを乗り越えるのが大変なのも。
それでも生きて欲しい。痛烈な願い。
周りで見ているだけの私達の勝手な願いであり、エゴかもしれない。それでも。

タイトルにもなっている『約束』を含め、7つの短編が収録されている。
『約束』は池田小学校の事件を題材に書かれている。
主人公の少年は親友の喪失を受け入れることができず、自傷行為をおこなってしまう。
そのほかには、学校へ行くことの意味を見いだせない不登校児。
不倫相手と交通事故で死んでしまった夫と、ストレスから耳が聞こえなくなった息子を抱える母親など。

人生の目的のようなものを見失ってしまい、立ち止まっていた人たちが、またゆっくりと歩き出す物語。
どの話にも強引ではなく、とてもやさしく。すこし前を向いてごらんと誘われる。

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紙の本

理不尽を乗り越える為に。

2007/08/23 15:47

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る

人は生きていれば、色んな理不尽にぶち当たる。
それを乗り越えながら、少しずつ強くなっていくのだと思う。
だけど最愛の者を、突然の理不尽で失ったとしたら。
殺人事件、交通事故、不慮の病。
昨日まで元気だった大事な命が、突然奪われてしまったら。
残された者は絶望に打ちひしがれ、
立ち上がる気力さえ、失われてしまうだろう。
・・・だけどそれでも、人はまた震える心と足で、立ち上がる。
そして目の前の運命に、立ち向かっていくのだ。
その時に、本当に大事な事ってなんなのか。
そんな事を教えてくれる、7編。

最初の「約束」はかの池田小学校事件に捧げる意味で、
作者が涙ながらに書いた一編との事。
親友の突然の死に、深く傷ついてしまった少年の心。
ついに死を決意した少年の前に現れた、奇跡とは。

巻末の「ハートストーン」も必読。
分かっちゃいる、流れも読める。でも、泣かされてしまう。
人間て強くて暖かい。血の繋がり、DNAを守ろうとする本能。
そして小さな命を思う、真心。凄いなあと思わされる。
脳腫瘍で倒れてしまった少年。
時を同じくして、祖父が心臓発作で倒れてしまう。
少年の手術中に祖父は亡くなってしまうが、
ずうっとその手に小さな石を握り締めていた。
その小さな石に込められた、祖父の思いとは。

生きていると、時に思いがけない理不尽に合う。
もう立ち上がれない程、生きていく事が出来ないと感じるほど、
辛い目に合う事もある。でもそんな時ふと目を上げたら、
廻りを見廻してみたら。きっと、また立ち直る力をくれる人がいる。
そして人間は、きっと強い。きっとまた、立ち上がって生きていける。

って、そんな事を教えてくれる、一冊でした。

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紙の本

「後一歩」のもどかしさか、節度ある放任主義か

2007/11/14 23:44

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 7編の短編で、それぞれの主人公たちは苦しみの渦の中にいる。
 愛しい者の死であったり、家族の病であったり、八方塞の現実であったりする、その苦しみは、彼らを飲み込み、打ちのめし、根こそぎの希望を奪ってしまう。読んでいても、胸が苦しくなってきた。
 だがそこに、奇跡のような救いがもたらされるのだ。細くともキラキラ輝く、まるで地獄に降りてくるクモの糸のような救いが。
 主人公はその糸をしっかり掴む。が、どの物語もそこで終わっている。糸を手繰り光のあたる場所に解放されるのか、糸は切れ再び闇に落ちていくのか…・・・彼らの明日は、読み手の想像にゆだねられる。
 これは、もどかしくもあるが(特に、親友を理不尽な暴力で突然失った、第一話の男の子が気になる)、書き手の節度も感じられた。

 私など、確率的に考えて、苦闘する7人がいれば、再生できるのは2人か3人ではないかと思うのだ。もがくほどに事態を悪化させ転落していく者の方が多いのではないかと。世界は残酷で、見返りもないのに私たちを愛してはくれない。
 7編の主人公たち誰もが自分の人生を取り戻し、豊かな明日を生きていけるとすれば、そこにはやはり作り話感が漂う。一つ一つの物語には涙し、心温められたとしても。
 だからこそ、筆者はどの一編をとっても明瞭なエンドマークをつけず、読み手に結末をゆだねたのだろう。

 人は必ず苦しみを乗り越え、幸福になれる。
 
 それは夢や理想の類であるだろうが、心に響くメッセージだった。作品中で、夫を癌で失った女性が語った次の言葉は、そのまま私が石田氏に送りたい気持ちである。
「あなたのお力でまた明日になにかを期待する心がよみがえってきました。」(p202)

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2008/03/19 17:18

投稿元:ブクログ

内容はいわゆる「泣ける話」の短編集なのだけど、とても自然ですごく良かった。電車の中で読んだのだけど、最初と最後の話では泣きそうになってしまいました。

2007/08/11 14:24

投稿元:ブクログ

登場人物は必ず何かを失っていて、そこから立ち直っていく話。人間って結構強いんだなぁ、って思わされる話。[2007/07/13]

2007/08/22 23:21

投稿元:ブクログ

電車の中で涙こらえるのに必死になりながら読んだ。心に染みる。
表題作の約束と、最後におさめられてるハートストーンが特に印象的だった。
(07/08/16)

2008/01/31 11:34

投稿元:ブクログ

表題の『約束』、電車の中で読みながら泣きました。あとがきを見たら昔起こった小学校での無差別殺人のニュースを見て、書いたそうです。悲しくて、「そんなふうに思わなくていいんだよ」って思うけど、最後にはすごくあったかい気持ちになれるお話。他のものも身近な人の死と残された人の傷にまつわるお話です。短編だから重くなりすぎないし、読みやすかった。

2008/02/22 22:24

投稿元:ブクログ

二作泣いた。
後は、特に感想もなく。
どうも子どもネタが弱いらしい。
一話目は号泣に近かった。

2007/09/14 20:54

投稿元:ブクログ

7つの短編を収録した短編集。全ての話に共通してる部分として深く傷ついた人達がそこから立ち上がるまでを描いてる。それぞれの傷は全く違う物で、そこから立ち直る術も全く違うけれど、皆それぞれの人生がありいつまでも下を向いていられないからきちんと歩み始めていく。 いくつかの話で泣きましたw

2011/02/10 01:49

投稿元:ブクログ

うーーん。キレイにまとまりすぎな部分も。少し鼻白む感。
いいけど、どうよ?的な。
そりゃこれは泣くやろ?みたいな。
うーーん。悪くはないけど。なあ。

2007/08/16 07:24

投稿元:ブクログ

もう一冊石田衣良。再生を描いた短編集。みんな最後に救済が待っているような話で、結構じーんときたりした。でも、やっぱり人間交差点だなあと思う。「冬のライダー」と「夕日へ続く道」が好き。

2009/07/03 22:09

投稿元:ブクログ

泣ける本とよく書いてあるだけに期待しすぎたかも。
でもどの短編も心に残る。
途中でこの本読んだの2度目だと気づいた。
だけど、なぜか表題の約束は読んだ記憶がなかったのが不思議。
読んだあと心がほんわかします。
私は泣かなかったですが。

2008/05/19 13:57

投稿元:ブクログ

石田衣良の短編小説はあっさり読めて好きである。
この作品の中でとくに好きなのは、「青いエグジット」である。
学校に行くまでの電車の中で読んでたのだけど、不覚にも泣きそうだった。

2007/07/28 16:26

投稿元:ブクログ

人の少し人に言いにくい部分が書かれていて、登場人物前向きになっていくのを読んでいるうちに、自然と前向きになれる短編集。特に表題作の約束とハートストーンが好き。
でも、同じ石田さんの作品で人の死が出てくるものならば、美丘のほうが面白かったです。

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