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"少年少女の切ない青春を描いた傑作恋愛ミステリ"とのことですが…
当然のように、これだけでは表現しきれない壮絶な物語。
主人公兄妹がちょっと感情的過ぎ、なかなか感情移入はできませんでした。
少し長めですが、サクサク読めました。
とにかく、結末の衝撃が大きかったです。
浦賀さんの作品は、他の作家の作品とは次元が違うように感じます。
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後半はそこそこ面白かったですが、前半の前振り部分が長すぎるのと、主人公の考え方が好きでは無く、読み進めづらかった。。
後半部分をもうちょっと詳細に描いて欲しかったなぁという感想です。最後があっけなさすぎる…
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今年はじめて小説読んで泣いたかもしれない。タイトルの意味はラストにわかるがさすがメフィスト賞デビュー作家だし青春編というかイルカを探しにいく辺りが終わった後にもすごいページが残っていてどうなるんだ?と思ったら確かに想像していなかった終わり方になった。そこでタイトルの意味がわかるわけだが。
浦賀さんは人の「記憶」について書き続けていく作家さんだな。僕は大好きな小説でした。 僕はこういう作品がすごく好きだと再認識した。
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驚きの展開もなく、テンポも悪め。
ストーリー自体が面白くないわけではないけれど、大体先が見えるところと13年間の話の長さの配分が初めがダラダラ長かった。
「彼女は存在しない」から浦賀さんのミステリー好きだったので、もうちょっと驚きがあるかな、と期待していただけにちょっと残念でした。
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敦士は、糖尿病の妹・理奈が群馬県の川で見たイルカを探すため、彼女と友人とともに現地へ向かう。当初イルカの存在を信じていなかった敦士だが、町の人々の不審な様子により、隠された秘密があることに気付く。やがて彼らが辿り着いた真実は悲痛すぎる運命の扉を開けていく。
いやー、壮大な時間の無駄だった。
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利根川でイルカを見たという少女。誰も信じないその事実を確かめるために現地を訪ねた少年少女たちの、4日間の冒険と思い出。
……だけならば少し苦くても爽やかな青春ミステリで終わったはずなのに。それを発端としてその後に起こる悲劇には絶句。まあこのタイトルだけで平和じゃないことは分かっていましたが。
なんだかどこかで見た覚えがある企業が登場したりもしますが。まさかそんな凄まじい真相が待ち受けているとは想像もできませんでした。うわああ、何これ。何この酷すぎる展開は(誉めてます)。でも読後感はなんとなく穏やかという気がしないでもなく。ある意味、純粋な愛の物語、なのかも。
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綺麗な表紙と糖尿病の妹をもつ高校生という設定に興味をはじめ、分厚さに躊躇いつつも購入。物語の方向性を理解していなかったのか「えっ、そういう話なの!?」という驚きだった。妹が出会ったイルカが何だったのか、その正体が焦点だと思ったら……民宿の娘であるユカが思った以上の意味を持つ。看護師になった主軸がユカの看病に6年を費やし、それの描写が中心になるなんて……話がどこへ転がるのかよく分からなかった。
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これの前に読んだ『彼女の倖せを祈れない』はコンパクトな中にオチがバシッと決まって面白かったが、こちらは長くて、だからこそ「おいおい、そういう方向に転がるんかい」というハラハラがいつまでも続き、カタストロフを迎えたとき魂を抜かれる。
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恋愛ミステリー?いや浦賀節全開ぶっとび!”萩原重化学工業”暗躍話
<あらすじ>
敦士(17歳)は、糖尿病の妹・理奈(12歳)が群馬県に糖尿病の人だけが参加するサマーキャンプに行ったとき、夜中キャンプを抜け出し利根川でトラックに積んだイルカを発見し、そこにいた人と一緒にイルカを川に放流したことを聞く。
その話を誰にも信じてもらえず落ち込んでる妹を見たシスコンの敦士は数日後、親友の飯野を連れて妹と3人で現地に向かう。
着いた先の宿の娘・ユカの道案内で町の人々に話しを聞くがみんな聞く耳を持ってくれず。
トラックにイルカを積んでいた人の手がかりもつかめず。
しまいにはオモチャ屋の主人が、イルカの模型を持ってきて、あのイルカは自分が作ったものだと名乗り出てきた。
そのオチに納得する飯野とユカ、腑に落ちない理奈、絶対イルカはいると憤る敦士、それぞれが互いの意見で言い争いしてる中、嫌気がさした理奈がそこから逃げ出そうとしたとき、理奈は川に落ちてしまう。
低血糖で溺れ川に流される理奈。必死で助けようとする敦士。
そこで理奈を助けたのはイルカ。
理奈が川に放流した本物のイルカだった。
理奈が言っていたことが本当だと判り、敦士と理奈と飯野は東京へ帰った。
後日、
その時の動画がマスコミに流れ大騒ぎになる。
顔にモザイクがかかってても理奈だと丸判りで、すぐマスコミが家を訪れ、多額の報酬を条件に敦士と理奈に取材を申し込んできた。
高額な糖尿病の薬を工面するため取材を受けることになった敦士と理奈は、現地を背景に取材をしたいというマスコミの要望で、飯野を連れて再び群馬を訪れる。
そこで再開したユカから動画をマスコミに渡したのは自分だと聞かされる。その理由は東京に帰ってしまった敦士に再び会いたかったから。
ユカは敦士に好きだと告白する。
戸惑う敦士。
そんな中、マスコミに追われ逃げる一同。
そこにマスコミの車が現れ理奈を引きそうになるが、
ユカが理奈をかばい、ユカが車に轢かれてしまい、
ユカは意識不明の重体になってしまう。。。
それから7年、、、
理奈は飯野と付き合うことになり、敦士は介護の道へと進み精進していた。
ある日、敦士の元に阿部総合病院という大病院から、とある人物の看護を専属でやってほしいという依頼がくる。
その人物とはユカだった。
”萩原重化学工業”系列の阿部総合病院は意識不明のユカを手術し、事故で損傷した脳を治すため人工頭蓋にしたことで頭が少し大きくなってしまったが、奇跡的に回復させ目を覚ますことに成功したと。
だが頭部外傷性認知症で看護師の指や頬を噛み千切ったりしてしまい手に負えない状況なので、ユカと親しい間柄だった敦士に看護させれば、ユカの病状は改善するとふんだのだ。
敦士はユカの看護を快諾し、ユカの特別病棟で寝泊りし付きっきりで看護することになった。
4年の歳月が過ぎ、、、
理奈と飯野は結婚し子供が生まれた。
敦士はずっとユカの看護をし、ユカは自分の父親のことは認識しないが、敦士のことを認識しカタコトの言葉まで話せるようになった。
敦士はユカに様々なビデオを見せた。その中でユカが一番好きなのは『塔の上のラプンツェル』だった。
塔に閉じ込められた姫の話は、病棟から出られないユカと似ていた。
2年ほど何事もなく続いたある日、
ユカが敦士にキスをした。『塔の上のラプンツェル』のマネをしたのだ。
さらに敦士のPCを見るユカ。そこには理奈が写っていた。
「リナ!リナ!」と連呼するユカ。
驚いた敦士はPCで次々と写真をユカに見せていく。
その度に言葉を発するユカ。
「リナ、イーノ、オボエテル、シアワセ、、、」
「アリガトウ、、ホウントウニ、、アリガトウ、、、」
ユカの記憶がおぼろげながら回復したのだ。
声を出さずに泣き、ユカを抱きしめ、13年前の告白の返事をする敦士。
2人は一夜を共にした。
それから1週間後、
敦士に解雇が言い渡される。ユカと一線を越えたことがバレたからだ。
病院を去る敦士。それに気付いて病院職員をなぎ払い敦士を追い外に出るユカ。
敦士は共に暮らそうとユカを連れて逃亡する。
が、すぐに捕まり、ユカは病院に連れられてしまう。。。
1人途方に暮れる敦士。
そこに病院職員が現れ敦士に言う。
「13年前のイルカの真相を話そう」
<オチ>
阿部総合病院の親会社である”萩原重化学工業”は、糖尿病キャンプに参加してる子供たちの中から実験の適任者を探していて、理奈に白羽の矢を立てた。
当初、萩原重化学工業の社員がオモチャ屋に扮して、イルカは模型だとウソをついて追い返そうとしたが失敗し、イルカのことでマスコミが騒ぎ出した。
が、今度はその騒ぎを利用して、マスコミに扮して理奈を群馬に誘い込み、理奈を実験材料にするためマスコミの車で轢いて病院送りにしようとしたが、ユカがかばったため、今はユカがその実験材料にされている。
川にいたイルカは萩原重化学工業がすぐ回収し、その実験に使われた。
トラックに積んでイルカを理奈と共に放流した人は、イルカを飼うために萩原重化学工業がスカウトした元イルカの調教師で、イルカを実験に使うことに反対し、川に逃がしていたところに理奈が遭遇した。
ある環境団体が萩原重化学工業に「イルカに知性があることを証明する」ためのプランを持ち込んできたことでこの実験は始まった。
イルカは淡水で泳げない。
ならば淡水で泳げるイルカを作り出そう。
イルカは体内で血糖値の上げ下げをコントロールして自分の身体を糖尿病のような状態に変化させることが出来る。
ならば糖尿病の人間を用意しよう。
人間には知性があるが、イルカには知性がない?
人間は手を使うことで知能が発達した。
ならばイルカの脳に人間の身体を与えれば、、、
ユカは13年前に脳死したのだ。
ユカが父親を認識しないのは本当の父親ではないから。
敦士や理奈や飯野に反応したのは、ずっと研究室で閉じ込められ実験された後、外に出てあの川で会った初���て会ったやさしい人間だったからだった。
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浦賀和宏作品5冊目。
約600ページの長編だが、不必要なシーンや会話が多かった印象。
読みやすさは抜群だか、前半のイルカ探しが長い…兄弟の口喧嘩にもイライラうんざりしました。
ファンタジー要素の前半とはうってかわって後半は話が重く哀しい展開に一気に引き込ませられました。徐々に1つの疑問が明らかになるも、それが2つ目の疑問とどう繋がってくるのか分かりそうで分からない……いやー面白い。
オチわ全く想像してなかったです。終わり方がハッピーかバッドか分からないが浦賀さんらしいラストかなー!
タイトルも最後で意味が分かる!
表紙とのギャップが怖い…
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ネタバレあり。
イルカ探しをする子供達、というファンタジーな話から始まる。
違う土地から来た主人公に恋をした、現地群馬の民宿の娘。悲しい事故にあい、脳移植の被験者になる、という現実味のある話しになるのだが…
実はイルカの脳が移植されていた、というトンデモ展開。
移植されてからの女の子の描写がなんとも気持ち悪いというか…奇声を発したり、指を噛みちぎったりと暴力的。
主人公への恋心のあるイルカの脳を持った奇声を上げる女の子…その二人の恋??
なんとも気味の悪い設定で、スッキリしたとは言えない読後感でした。。。
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久々に夢中になって読んだ。
色々残酷感もあるけど、正義感の強い主人公への感情移入と、ストーリーに没入出来た。
姫君ってあっちかと思ったらそっちか!っていうのと、オチの強烈加減が半端ない。
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キャンプから帰ってきた妹が、キャンプでイルカを見たと言う。行われたのは、群馬。
当然誰も信じないなか、兄の敦士は友人と妹とともに群馬へ向かう。
前半は、ややテンポ遅めのイルカ捜し。だが、少しずつ絡み合ってくる関係性が微笑ましかったり痛いたしかったりで、十分に楽しめる。妹に干渉しまくる主人公の拗らせまくり内面描写は、著者の本領発揮といったところ。(感情移入はしにくいが)
......だが、もちろんただのイルカ捜しでは終わらない。捜し終わった後から、物語は一気に加速する。
自分の想いを見定められず、自分を好いてくれた彼女を傷つけた先にあった未来。
それは、妹を庇い、狂人となった彼女の看護だった。
"どこかで歯車が狂った" そんな表現が、本書の展開にはピッタリくる。
そして、読者にとどめを刺すあのラスト。全く予想しておらず、相当な衝撃だった。
彼女は、彼女なのか。
それでも愛し続ける敦士の姿は、どこか狂気めいたものすら感じさせる。
読後、タイトルの真の美しさ、怖ろしさが心に迫る。
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群馬県の川でイルカを見たという妹を連れてイルカ探しに来た高校生の兄の語りで後半こんな話になるなんて。
このジャンルが変わるやり方は好き。
2023/4/19読了。