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株大暴落そのとき勝つ人・笑う人 (YELL books) 単行本(ソフトカバー) – 2014/10/7
永遠の好況(不況)などはない
2015年8月12日記述
危ない大学シリーズなどの著作のある島野清志氏の本。
今アベノミクス景気によって株価は民主党政権時に比べると高くなっている。
しかし景気回復期としては既に終盤に差し掛かっている可能性があるという。
*日本の過去の景気拡大の平均は36ヶ月。2012年12月からアベノミクス景気を考えてもそろそろ終盤ではないかとする著者の指摘は納得感がある。
また高度経済成長期よりも1990年代以降からの方が暴落の回数は増えているのだという。
だからこそ暴落に関して知っておく必要がある。
では株価が大きく下がる=暴落が起きた際にどうすれば良いのか。
本書を読むと暴落にもパターンがあるのだという。
最近あったリーマン・ショック、東日本大震災も含め暴落してきた歴史を紐解きながらスターリン暴落、ブラックマンデー、IOSショックなどを解説していく。
1 経済系暴落、金融不安が絡むものが最も怖い
2 非経済系(大地震だけなど)の暴落は案外あっさり系
3 暴落は連鎖しやすい
4 好況(景気回復)が長引いた時の暴落はコワい
5 似た事例のある暴落はそれほど怖くない
6 初物(原因が未経験)の暴落は大きくなりやすい
7 弱い政権は暴落の温床になる
8 テクニカルな暴落は膠着局面を招く
暴落投資は早乗り早降りが正解
これから暴落が起こる原因になりそうなものの内
日中交戦 深刻度5
中国のクーデター・政治的混乱 深刻度4
日本の財政破綻 深刻度4
大地震発生 深刻度1~4
アベノミクスの失敗 深刻度3
第二次リーマン・ショック 深刻度2
本書でも度々指摘しているように市場は例え悪いニュースであっても透明性のあるもの、予測がつきやすいものは案外動揺しないのだという。
著者も指摘するような日本の財政破綻ですら深刻度が4なのは処方箋自体ははっきりと存在するからだという。
ある意味日本の財政破綻すら市場は織り込んでいるということか。
むしろ危険なのは尖閣諸島などをめぐって日中で局地戦が起こることの方が危険性が高いという指摘(先が見通せないから危険)は納得感ありでした。
著者の指摘する経済系暴落(リーマン・ショック)、非経済系暴落(東日本大震災)
において株価の復元力の高かった15銘柄は・・
クボタ、大阪ガス NTTドコモ 三菱重工 住友商事 旭化成 大東建託
ヤマトHD コマツ 住友鉱 東京ガス JFEHD 日揮 東レ 新日鐵住金
(*クボタとコマツは中国関連の暴落の場合注意がいる)