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今は亡き少年の絵画が繋ぐ町の人々
裏に隠された十八年前の犯罪は思いの外悪質
有名絵画の描写と解釈がわかりやすくて面白い
編毎に誰かの過去を紐解き心を慰める連作短編集かと思いきや、十八年前に隠された悪が浮かび上がってだんだん目が話せなくなる。
館長と保育士さんの甘酸っぱい恋模様…?!かと思いきや潔い線引きが意外~
ほんわかとインテリ、ちょっぴりの闇が好バランスで楽しめました。
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かぜまちの18年前の事件を、カリスマ学芸員の佐久間と保育士のカホリがひも解く美術ミステリ。絵画への様々な解釈を用いて、人々の中にある心の中の氷を溶かしていく。その様子は、かぜまちの自然豊かで長閑な雰囲気とが重なって、心温まります。それは氷が解けたところに心地よい風がそよそよと流れていく様です。次々と起こる出来事に18年前の真相へ近づいていく。田舎の閉鎖的な部分はあるのだろうけれど、私もかぜまちに住みたくなりました。
この作家さんの作品には恋愛要素も多く、今回も胸キュンになりながら読みましたが、エピローグを読み、やはりそうなのかとちょっとがっくりしました。もしや佐久間は面倒な男なんじゃ....と思いました(笑)
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ほのぼの和み系ミステリーと見せかけて、田舎町の謎にしては裏にとんでもない悪意が潜んでいたという。ピカソ、シャガール、マチス…など有名どころの絵画をモチーフにした謎ですが、言葉で表現されるよりやはり百聞は一見にしかず、イラストなどあるとよりイメージしやすいかも。
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かぜまち美術館の館長として赴任してきた佐久間と、佐久間の娘が通う保育園の保育士カホリが、名画に絡めて事件を解いていく連作短編。黒猫シリーズの美術バージョンという感じ。
カホリの亡くなった兄の遺した絵から、徐々に明らかになる18年前の事件の真相。ゆるやかに衰退しつつある地方の町の現実や、どことなく漂う閉塞感。重くなりそうなのに、佐久間とかえでのほのぼのした雰囲気のせいか、吹きわたる風のように爽やかな読後感。
ピカソやシャガール、ゴーギャンらの名画をモチーフにしてあるので、元の絵を知っていればより楽しめるかも。
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いくつかの謎が解き明かされて行くに連れ、最後に大きな謎が・・・パターンの美術ミステリ。父娘の会話はウイットに富んでいて愉快なのですが、相変わらずアクロバティックな謎解きに違和感大です。
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【収録作品】第一話 きらわれもの…「パイプを持つ少年」ピカソ/第二話 かたおもい…「私と村」シャガール/第三話 なきむしないえ…「種をまく人」ミレー/第四話 わになっておどる…「ダンスⅠ」「ダンスⅡ」マティス/第五話 あかいはなどんぶらこ…「リンゴの籠のある静物」セザンヌ/最終話 風のかくれんぼ…「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」ゴーギャン/エピローグ
最終話とエピローグで探偵役の印象が反転する。絵の解釈は面白かったのだが。「ヨムヨム」掲載の「パパとお喋りな絵画たち」を改題。
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名画の解釈を小説内の絵画や環境に置き換えることで、謎が解決していく。そのような目線で名画を見ていなかったから、その解釈が斬新で興味深いものだった。
町の人なんていない。
そんな風に考えたことなかった。
人がいなければ町は風化していくものだけれども、ずっと人がいる訳でもない。人だって流れるもの。
風のように、緩やかに流れ着くものもあれば、すぐに去ってしまうものもある。そこに留まるものもいる。
人は風の様なものだから、誰の目線だって気にしなくていいんだ。ただ、必死に生きればいいんだ。
ヒカリくんは佐久間のように、カホリのように、絵画を通して町の人にもそうだったように、私にも人のあり方を、生き方を変えさせてくれたような気がする。
すべては赴くままに。
最後は切なくなったけれど、これもまた淀んでいた風が
次の場所を求めて流れた証拠だろうね。
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図書館で借りた本。
保育士カホリの住む香瀬町に引っ越してきた佐久間父娘。佐久間父は美術館の館長に就任し、18年前に15才で亡くなった兄、ヒカリの書き残した絵を解釈し、この街で過去に起こった、または今、起きている問題を解決してゆく。
絵の解釈には、必ず娘かえでの無邪気な様子がヒントになっており、せつなくてほんのり温かい物語。
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結構期待外れ…幼児たちの言動を微笑ましく思えないのは心が汚いからなのだろうか。内容も無理がある気がしてならないし絵の解釈もぽんぽん正解を思いつきすぎに感じた。
大きなオチもなんかしっくり来ないし、はまらなかった。
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18年前にしんだはずの画家から届いた絵葉書が封印された町の過去を解き明かす
保育園児のかえでちゃんの言葉が可愛い。
イケメンカリスマ学芸員で料理も出来るイクメンパパは、かえでちゃんの一言をヒントに事件を解いていく。
ちょっと出来すぎ感が否めない。
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今回は、絵画の解体。
少し見方が変われば、解釈がガラッとかわる。
それによって救われる人。救われる想い。
私も人口が減りつつある地方に住んでいる独身なので、カホリや菜緒美の気持ちは分かる気がした。ここで老いていくんだなぁっていうね。
最後は予想とは違ってたけど、前に進むためなんだろなと。
これは夏に読みたかったです。
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2015年2月23日読了。
第一話だけ読むと「ん?」と肩すかしを食らう感じだけれども、一冊全体としての完成度が良かった。
森晶麿先生はおそらく、モテる文系男子だったんだろうな、と著書を読み続けていくうちに思うようになったり・・・(笑)
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今回は名画の解体。名画知らなかったら画像検索してでも理解しようとするので世界に引き込むというより引き込まれにいくという感覚で読む、それが好きな自分としては好きなタイプ。
子どもの表現も可愛らしく父娘の絡みには羨ましさと同時に妬みに近い感情すら覚える(まだ学生)、相変わらずの読後の清涼感に今回は若干の澱を残した感じ。
知識が濃いけどくどくない森晶麿ワールド全開ではある。自分はとても楽しめた。
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田舎町の美術館に就任したパパと娘が、町を描いた絵画を基に過去の謎を解き明かす。保育園の娘が出てくるのでほんわかした感じかと思いきや、謎は意外とビター。あとエピローグでわかった事実に「えっ」て感じでした。
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原田マハとはかなり違うけど、美術館好きなら楽しめる一冊。ミステリ要素もあり。黒猫シリーズより軽く読める。