紙の本
やさしさが溢れる一冊
2015/06/07 03:17
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
椋鳩十は本書で国際アンデルセン賞を受賞した。ふんどし姿で授業をしたり学校の宿直室で執筆活動をしたり、教師時代のエピソードにも事欠かない。この作品のなかでは戦争の犠牲になったイヌにむける、暖かいおもいを子供たちに伝えようとしている。
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作者・椋鳩十さんの実話に基づく物語らしい。「マヤ」というのは犬の名前。ほかにネコの「ペル」、ニワトリの「ピピ」も出てくる。「わたくし」とその妻、3人の息子も登場する。
時代は戦中。日常のあれこれはあるものの、マヤとペルとピピとわたくしとその妻、そして3人の子供たちは日々、仲良く暮らしていた。
しかし、そのささやかな幸せは長くは続かない。マヤが連れて行かれ、あまりに悲しい時を迎えるからだ。戦時に犬を飼うような贅沢は許されないという理由からだった。マヤは最期、最もなついていた次男の下駄の上に顎を載せ、冷たくなっていた。戦争の現実がここにもある。
気になったのは、ネコのペルとニワトリのピピ。途中から描かれなくなっている。天寿を全うできたのだろうか。
文章で気になったこともある。読点が多すぎる。まぁしかし、基本的には子供向けだから、これは仕方ないか。
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これが戦争の真実ですね、子どもだけでなくすべての人に読んで貰いたい。今おきている事は、記録しておかないと、いつか無かった事にされないように。
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犬を飼っているので余計に切ない気持ちで読む。犬だって家族と同じくらい大切な存在なのに、戦争で荒んだ心はそれを殺せと言う。脳天を一撃されたマヤ、それを見た子供達の描写が胸を締め付け、最期の様子に、日本の情けなくバカげた戦争に怒りを覚える。これは実話なのだろう、きっと、忘れてはいけないと思ったのだろう、そう思う。