投稿元:
レビューを見る
最終話を読んで、腹が立った。身勝手な大人たちの姿が情けない。親になりきれない親の子どもが、生き延びるためには早く自立せざるを得ない。身の回りの大人を反面教師とし、自分の生きる道を切り開こうとしている若者の姿には救いを感じられるけれど。
投稿元:
レビューを見る
たった今読み終わりました!全身鳥肌がスゴイです。うん、スゴく良い小説でした。物語は連作短編集で構成されていますが、一つ一つの話が全部繋がっていて、物足りないってことはありません。
文章は余計な飾りを必要とせず、研ぎ澄まされた言葉で繋がり、本当に綺麗です。
内容には敢えて触れませんが、読んで損はないと思います。オススメです!
投稿元:
レビューを見る
しみじみと良かった!
突然いなくなった男の 妻、姉、娘、愛人、夫々の繊細な思いが伝わってくる。
その現実を見つめながらどう生きるか。
振り返ってみれば “たった、それだけ” と思える様な些細な事を頼りとして生きていたのだろう。
最終話の逃げた男の現在の思いに、関わってきた女性達の思いが報われたような気がしてホッとさせられる。
いつまでも余韻が残った。
投稿元:
レビューを見る
1つの事件を中心に6人の視点で描いた6つの短編集。1つ目の話は私は理解できなかったけれど、自分には理解できない人はいるということが客観的にわかった。1つ目の話以外はそれぞれの悲しさ、一途さが感じられて生きる希望というとおおげさなのかもしれないけれど、読んでよかったと思える本だった。
投稿元:
レビューを見る
あの場面この場面でかけられなかった言葉をや出来なかった小さな行動を思いだし後悔と反省をつづっている。
本当にそのときそうしていてもきっと結果はさほど変わらない。でも人ってそうやって繰り返し思うもの。
様々な立場の人達がそれそれの「たったそれだけ」を語る宮下さんらしいお話。ひとりひとりとてもまじめで美しい例えと言葉。
でも話のきっかけの「望月さん」はすごくずるくていやな男でとても腹立たしい。さっさと身を隠しちゃう意味わからないし。
最後にでてくる男が16年後の「望月さん」らしいのだけどそんなずるい男はこんな風には変わらない。大切な人のこと語るのが、うそくさすぎていらっとする。
都合の良いいい人表現は表面的すぎて不愉快。人たらしかよ!?作者までたらしてるの?最低な男。
連作にしてしまうと読んでるこちら側に状況説明が不要になるから書きやすいのだと思うけど連作じゃない方がよかったのでは。
投稿元:
レビューを見る
贈賄事件を起こした男とその周囲の人たちの連作短編集。どの主人公も薄暗さを感じ、共感したりしなかったり。それは人それぞれに生きてきた過去と経験があり考え方があるのだと言ってるような気がして、なるほどねぇと思いながら読んでいた。心に突き刺さるというよりじわじわと入り込む感じのする作品だった。
投稿元:
レビューを見る
贈賄も不倫も巻き込まれた人間はたまったもんじゃないけど、なんとなく前向きな方向へ向かうようで読後感はよかった。
投稿元:
レビューを見る
彼女が小説のかたちで言いたいことはわかる気がする。たったそれだけのことで失われてしまう人生。たったそれだけのことで救われる人生。そういったことは伝わってはくるんだけど、でも全体的に暗い色調が気持ちをへこませる。
投稿元:
レビューを見る
2015.02 市立図書館
前半はモヤモヤ~としたけど、ラストは悪くない。
ルイとトータで救われた。
投稿元:
レビューを見る
望月正幸は贈賄をして失踪する。
この小説は望月の周りの人の視点から望月の人となりと自分との関係性、
そしてそれぞれの【たった、それだけ】が描かれる。
愛人、妻、姉、娘の担任、娘、娘の友人。
人間はすごく多面的だから、関係性によって見せる顔も違うし、本当のところは本人にしかわからない。
【たった、それだけ】と思ってしまうことも本人には、すごく辛いことだったり難しい場合もあるし、それに気づくだけでもすごいと思う。
最後の章では、恐らく名前を変えた望月と思われる人物が出てくるんだけど
そこで語られた過去は妻が思ってるものと違って、やっぱり話さないと本心なんてわからないんだなと感じて切なくなった。
過去のものとしないで、勇気をだして帰ればいいのに、なんかもどかしい。
投稿元:
レビューを見る
本当に、たったそれだけ。神様は耐えられない試練は与えないそうです。神様はまた逃げ道も用意してくださる。
投稿元:
レビューを見る
控え目な印象ながら、
深々としていて一気に読んでしまった。
人が他人に印象を残すとき、
心に捉えられるとき、
感情の移るさまが、
驚くほど違和感なく入ってきて
宮下さんの中でも個人的に3本の指に入ります。
投稿元:
レビューを見る
やっぱり子供が犠牲になるんだな。
そんなこと全く想像できないで、いろんな事をしちゃうんだろうけど。
それでも、それを受け入れる子供も強いな。
投稿元:
レビューを見る
贈賄事件を起こし失踪した男の、愛人、妻、姉、その子の担任教師、娘の視点から語られる、関わった人々の事件後のこと。
事件そのものについては、多くが語られていないため、あまり重要ではない。
事件を起こしたために、巻き込まれた奥さんと娘の悲惨な日々が、話の中心。
後半、娘には、前向きになれる出会いがあり、いい方向に進みそうな展開に。
強く生きてほしいと願ってしまった。
最後の章で、名前を変えて生きていた父親である犯人らしき人物が登場、
娘に会える日が遠くないと予感させる。
それぞれの、『たった、それだけ』
たった、それだけ、だけど、やっぱり、それなりなのかな、とも思う。
ルイに幸あれ。
投稿元:
レビューを見る
贈賄の罪を犯していた望月正幸は、あいじんに内部密告され、「逃げろ」といわれ、そのまま姿を消す。
残された妻や子供、姉、愛人はそれぞれの世界で彼の逃走と始末をつけていく。
娘ルイの同級生黒田トータの存在が光る。彼も父親の罪を背負っているのだが、きちんと始末をつけて、同じ匂いのするルイに「好き」だという。
その気持ちがルイに届いた時、何かが救われた紀がした。